本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

MANZAIブームの立役者「B&B」の島田洋七、70歳でYouTuberデビューの裏事情

島田洋七

 ビートたけしらとともに、80年代のMANZAIブームを牽引した漫才コンビ「B&B」の島田洋七。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定されていた全ての講演会が中止となり、失業状態に追い込まれていたが、このほど、「YouTuberへの転身を決意した」という連絡が洋七本人からあった。

「今年3月から講演会は全て中止になってしまったんです。それで、損とか得とかじゃなく、来場を楽しみにしていた人に少しでも元気になってもらうために、講演会の内容を収めた音源をYouTubeにアップしたら、約5万回も視聴されたんです。僕らの芸は、笑わせてなんぼの世界。本格的にYouTubeに力を入れることにしたんです」

 80年代にB&Bとして一世を風舞した洋七は、ブームが去った後、参院選に出馬しては落選したり、伊豆で温泉民宿を経営しようとしたところ、温泉が出なかったと騙されたり、笑えないような紆余曲折の人生を送ってきたが、2004年、自費出版していた自叙伝『佐賀のがばいばあちゃん』を筆者の仲介で徳間書店から文庫本化したところ、シリーズ60万部を超す大ベストセラーとなった。

「この当時、出戻りで吉本興業に所属していたのですが、『がばいばあちゃん』がヒットすると、吉本と印税の配分を巡って関係が悪化。2007年8月に吉本を退社したことで、事実上、テレビ界から干されたんです」(お笑い関係者)

 テレビ局からの出演オファーが激減した洋七は、メインの仕事を『佐賀のがばいばあちゃん』をテーマに講演会をすることにシフト。現在までの講演会回数は4,800回以上に及び、芸能界では“講演会の帝王”と呼ばれている。

「その間、親友のビートたけしの番組に出演したり、14年からはTOKYO MXテレビ『バラいろダンディ』の金曜MCを担当していたんですが、制作費の都合で昨年9月に降板させられた。残されたのは、講演会の仕事と九州ローカルのラジオ番組、あとは不定期のラジオショッピングだけですよ」(事務所関係者)

 洋七は「『バラいろダンディ』を降板してからは、仕事の97%が講演会です」という。

「それも3月から完全に止まっているからね。現時点で8月末まで全てキャンセル。だから仕事はゼロ。僕の講演会は、基本的にお年寄りが多いし、500人、1,000人の人が集まって聞くもの。この状況では、無理なんです」(洋七)

 コロナ禍が拡大する前の2月10日に70歳の誕生日を迎えた洋七だが、ちょうど2月に大阪のホテルで講演会をやった流れもあって、弟弟子に当たる島田紳助と「オール阪神・巨人」の巨人が、洋七の誕生日を祝ってくれたという。

「そのときは、紳助も巨人もこんなことになると思ってませんでした。僕なんか、佐賀の田舎に住んでいるとやることがなくて、毎日歩くだけ。でも、東京にいる弟子たちは、コロナ禍で将来が見えないのが不安だと思う。弟子には“とにかく生きろ!”と言ってますが、霞を食って生きられるわけでもないからね。テレビがダメなら、YouTubeで笑かしたろ。お笑いは、笑われてなんぼですからね。弟子たちにも協力してもらって、YouTuberとして活動しますよ」

 お笑い界の重鎮であるたけしから「洋七の喋りに勝てるやつはいない」と絶賛された洋七。70歳にして、YouTuberとして再々ブレイクできるか、注目したい。

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2020/07/25 12:00
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