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菅内閣目玉人事、柿崎首相補佐官就任はやはり『メディア対策』? 古巣の共同通信すら〝選別〟し、情報統制に乗り出す!?

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菅義偉首相。

 本サイトは9月24日深夜、菅義偉首相率いる新内閣の目玉人事として、大手メディア「共同通信」の柿崎明二氏が首相補佐官に就任するとの内定人事をスクープした。

 柿崎氏は、テレビの情報番組でおなじみの政治コメンテーター。安倍晋三前首相への痛烈な辛口コメントを繰り出す“反骨のジャーナリスト”との評判が高かっただけに、〝寝返り〟ともいえる驚きの人事情報は、10月1日の就任前から大きな話題を呼んでいた。

 そんな柿崎氏、就任当日に首相官邸へ詰めかけた記者団からマイクを向けられると「メディアからの転身なので、いろんな受け止め方があると思う。それを踏まえて結果を出せればと思う」と述べるにとどまっている。

 記者団が「報道機関から直接就任したことに批判もある」と食い下がると「私がこういう立場ではなくて、ほかの人がそうなれば、同じように思うと思う」とけむに巻くようなコメントを残して立ち去っている。

 その後、大手メディアに露出することはなく、その肉声が伝えられる機会は失われていた。大手紙の政治部記者が言う。

「本当のところを言うと、柿崎さんがいったい何を担当する首相補佐官なのか、さっぱりわからないんです。加藤勝信官房長官は『政策全般について評価、検証、改善すべき点について首相に進言をいただく』と木で鼻をくくるような説明だけ。政権に助言する立場なら、非常勤の内閣官房参与で十分なはずです。実際、安倍政権で首相補佐官を兼務したあの今井尚哉秘書官ですら今回は参与ですからね」

 そんな柿崎氏だが、思わぬところで“ベール”をはいだのだ。故郷・秋田の地元紙に、疑惑の転身劇を赤裸々に語り、首相補佐官の担当任務について〝メディア対策〟をほのめかす発言をしているのだ。

 柿崎氏の独占インタビューを載せたのは、10月9日付け『秋田魁新報』。

 インタビュー記事によると、同紙記者から早速「権力監視の立場から権力中枢に転身するのは特異だ」とただされた柿崎氏は、あっさりと「私がメディアの立場だったら『(今回の転身で)国民がメディア全体に疑念を抱き、メディアへの信頼を損ねるかもしれない』と批判していたと思う」と自身の転身が国民の批判を浴びるのは当然だと認めたのだ。

 菅首相から「特命」を指示されたのかどうか聞かれると、柿崎氏は「特に言われていない。私の方が永田町の経験が長かった。時には(意見がぶつかって)緊迫した雰囲気になったが、その後に必ず『この調子で批判的に言ってくれ』と言われた。官邸でもそういうことを求められているのかなと思う」とあやふやな説明で追及をかわしたかに見えた。

 しかしインタビュアーはひるまない。「メディア対策を担うのではないかとみられている」と突っ込むと、柿崎氏は否定的な言葉をつなげながらも、つい本音を漏らした。

「まったく考えていないし(転身への)批判がある中で対策をしようとしても難しい」

 秋田魁新報関係者は「この発言は、自身に降りかかった転身劇への批判さえ落ち着けば、メディア対策に乗り出す可能性をほのめかせています」と解説した上で「実のところ、菅首相はメディアを選別する姿勢を強めています。その背後に、どうしても柿崎さんの存在を感じてしまうのです」と指摘する。

 その〝メディア選別〟の格好の舞台になったのが、10月5日に行われた菅首相の就任初となるインタビューだった。主催したのは首相官邸の記者クラブである「内閣記者会」。記者クラブ総出のインタビューになるはずが、事情は違い、なぜか読売、日経、北海道の3社限りのインタビューになったのだ。

 前出の大手メディアの政治部記者は眉をひそめる。

「初の首相インタビューですから、新聞やテレビはどうしても自社モノとしてほしいところだったんです。でも、内閣広報室はこの3社にインタビューを限定してしまった。ほかのメディアといえば、記者会見場の奥の方に座らされ、まるで裁判の傍聴席そのものでしたよ。まあ、傍聴できますから記事は書けます。でも、困ったことに3社以外に会見写真を撮影することが許されなかったのです。その結果、朝日新聞や共同通信に加盟する地方紙は一面に菅首相の会見記事を載せながら、肝心のインタビュー写真がないという間の抜けた紙面になってしまった。これは菅首相による露骨な〝メディア選別〟であり、陰で柿崎さんの関与も取りざたされています。というのも、この2人の怒りを買うようなできごとがあったんです」

 それは、インタビュー2日前の10月3日朝のこと。東京・原宿のレストランで、菅首相と首相番を務める政治部記者によるオフレコの朝食会が行われたのだが、朝日新聞は「首相は日本学術会議の新会員に6人を任命しなかった問題をめぐり『法に基づいて適切に対応した結果です』と記者団に答えるにとどめています。首相側に懇談ではなく記者会見などできちんと説明してほしいと求めています」と断り、東京新聞や京都新聞とともに朝食会をボイコット。これが菅氏の怒りを買ったのだという。

 一方の共同通信は、このオフレコ朝食会にちゃっかり出席していたのだが、怒らせたのは、柿崎氏の方だという。政治部記者が続ける。

「柿崎さんの補佐官就任をめぐって、共同通信が加盟新聞社に経緯を説明する文書を出したんです。9月30日に文書の存在をすっぱ抜いた『週刊文春』によれば、柿崎さんは9月8日に告示された自民党総裁選の最中に菅さんから補佐官就任の打診を受け、9月16日付で退職願を提出しています。それまで、論説副委員長として加盟新聞社への論説記事などを執筆していた。菅さんから補佐官就任の打診を受けながら、論説記事を執筆していたとすると、記者の立場を利用して菅さんに有利な方向へ世論を誘導していた可能性も否定できない。そこで共同通信は、柿崎さんがこの数カ月間に執筆した記事について調査を行い、結果として問題はなかったと結論づけています」

 要するに、報道機関の権力監視という役目も担うはずにも関わらず、柿崎氏は共同通信の名を使って菅氏を利するような記事を執筆したのではないかと危ぶみ、社内調査を実施したというわけだ。これが、「古巣からあらぬ疑いを掛けられた」と柿崎氏を激怒させたと前出・政治部記者は見ている。

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