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留学生が無双する高校駅伝 マスコミ各社は“無言の抵抗”か

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NHK 全国高校駅伝(NHK公式サイトより)

 高校スポーツの教育的側面を考えれば、“勝てば官軍”ではいけないような気もするが……。

 将来の箱根駅伝のランナーが集う全国高校駅伝が20日に行われ、男女ともに世羅高校(広島)が優勝した。男子の優勝タイムは、大会記録にこそわずかに届かなかったものの、歴代2位。女子の優勝タイムも歴代ベスト10に入る好記録だったが、男女Vの快挙にも、世間の目はなぜか冷ややかだ。

「世羅高校は、これまで全国高校駅伝で10回優勝し、歴代最多記録を持つ陸上の超名門校。青山学院大学を駅伝の強豪に育て上げた原晋監督も同校の卒業生です。しかし強化策を緩めることはなく、2000年代初頭から外国人留学生を受け入れており、今大会も男女で留学生ランナーがエントリー。男子のムワンギ選手、女子のムッソーニ選手は、共にぶっちぎりの走りで区間新記録を達成し、優勝に大きく貢献しました。

 高校駅伝界では、1990年代に仙台育英(宮城)が留学生を起用して男女とも優勝をさらい、留学生起用の是非が問題に。“留学生は1人まで”“一番長い区間での起用は禁止”など、細かいルール変更が行われてきましたが、留学生の起用禁止には至っていません」(陸上競技に詳しいスポーツライター)

 駅伝のみならず、バスケットボール、ラグビー、サッカーなど、留学生選手が活躍する高校スポーツは少なくない。ラグビーW杯でも、さまざまな国にルーツを持つ選手が活躍したのは記憶に新しいところ。ただ問題なのは、留学生と日本人選手との間に力の差がありすぎることだ。

「今回、3区で区間新記録を出したムワンギ選手のタイムと、日本人トップとの差は1分以上。女子のムッソーニ選手は、わずか5kmで2位に1分近くの差をつけており、これは100m走るごとに約1秒ずつ差をつける計算です。岡山県の予選では、アンカー区間に登場した留学生ランナーが、わずか5kmで日本人トップに4分近くの差をつけました。こうなると完全に“大人と子ども”です」(同上)

 レベルの高い選手と競い合うことで、記録が向上することもあるだろうが、ここまで差があると、やる気を失う可能性のほうが高そうだ。報じるマスコミ各社は、“精一杯の抵抗”を見せた。

「今回、男子で3位の洛南高校(京都)が出したタイムは、日本選手だけで構成されたチームの高校記録で、新聞やスポーツニュースではこれが大きく報じられました。世羅高校の男女優勝はもちろん公式記録ですが、関係者の間では、留学生がいるチームは“注釈付き”で捉えるのが常識で、マスコミ報道もそれに則った形。大きな声では言えませんが、留学生選手については年齢詐称疑惑などがつきまとうケースもあり、これからも“日本人トップ”という表現が使われる状況が続きそうです」(週刊誌のスポーツ担当記者)

 アフリカからはるばるやって来た留学生たちに罪は無いが、彼ら、彼女らには、この“雑音”は聞こえているのだろうか──。

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最終更新:2020/12/25 10:00
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