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芸能界が震撼! なかにし礼さんの“衝撃事件“…業界の乱れた恋愛事情を暴露し大騒動に

文=本多圭(ほんだ・けい)

なかにし礼(公式サイトより)

 日本歌謡界を代表する作詞家で直木賞作家のなかにし礼(本名・中西禮三)さんが12月24日、都内の病院で亡くなった。享年82歳。筆者にとって、なかにし礼さんといえば、忘れられないのが「週刊ポスト」(小学館/以下「ポスト」)の“衝撃の告白事件“である。

 小学館発行の「ポスト」は、「週刊現代」(講談社)の後発として1969年に創刊。筆者が専属記者になった70年には、プロ野球の“黒い霧“シリーズや“衝撃の告白“シリーズで、全週刊誌の売上トップに立っていた。

 そんななか、71年7月9日号に掲載されたのが、『《衝撃の告白》凄い芸能界の“相愛“図 なかにし礼』という記事だった。“衝撃の告白“シリーズは、業界の内幕を暴露する人気シリーズ企画で、同記事は、イニシャル表記ながら、有名芸能人同士の乱れた恋愛事情をなかにしさんが告白する、という内容だった。

 ところが、発売直後、なかにしさんが「記者2人から、あなたの私生活を載せる。嫌なら“相愛図“に協力しろ」と強要されたとして社外記者のS氏とT氏を刑事告訴。2人は強要罪で突然、警視庁に逮捕されたのだ。

 だが、本当に強要はあったのかーー。

 当時を知る2人の後輩記者は、「逮捕した捜査4課が双方の話を聞いたところ、なかにしさんの告訴通りには受け取れない事実が浮かび上がるなど、強要といえるかどうかは微妙だったそうです。結局、民事で和解が成立したこともあって、なかにしさんが告訴を取り下げ、東京地検は2人を不起訴処分にしましたが、実は、なかにしさんの告訴の背景には、日本音楽事業者協会(以下、音事協)の圧力があったんです」と語る。

 “衝撃の告白”シリーズには、当時、人気アイドル歌手だった天地真理もイニシャルながら登場していた。それに激怒したのが、彼女が所属する芸能事務所「渡辺プロダクション」の創業者である故・渡辺普さんだった。当時、音事協の理事長も務めていた普さんの逆鱗に触れたことで、なかにしさんは“業界から干される”と恐怖を感じて、告訴状を提出したと言われている。

 「音事協に、なかにし氏への作詞の発注をストップさせる動きがあったんです。有力芸能プロダクションのほとんどが音事協に加盟していますからね、なかにしさんも慌てたのでしょう」(前同)

 音事協の怒りは、「ポスト」にも向けられた。

 「ポスト」の発行元である小学館に厳重抗議し、“謝罪しなれば今後、取材を拒否する。写真使用も禁じる”と通告。さらに、加盟する芸能プロに対し、小学館が発行する全出版物の取材を拒否するよう呼びかけたのだ。

 こうした音事協の強硬策に屈して、小学館は謝罪した。

 “衝撃の告白”シリーズは、音事協とメディアが対立した象徴的な事件だった。それ以降、音事協は圧力団体として、メディアに目を光らせるようになった。

 ちなみに、小学館は、証拠不十分で不起訴処分となった記者2人に慰謝料を払ったが、その後、2人の記者は系列の隔週女性週刊誌「微笑」に配属された。

 筆者は、1度だけそのうちのひとり、S氏と組んで取材したことがあるが、S氏は取材相手の警戒心を解く話術に長けていた。S氏は釣りが好きで、神奈川県の葉山に住んでいた頃に一度、遊びに行ったこともあった。

 しかし、編集部はS氏を飼い殺し状態にした。その後、S氏は行方不明になり、未だに消息がわからない。

 一方、なかにしさんは、銀座の有名クラブ『J』のママと噂されながら、その後、いしだあゆみの実妹で元歌手の石田ゆりさんと結婚した。

 本業では『天使の誘惑』『北酒場』『石狩挽歌』などのヒット曲を連発。日本の歌謡界を代表する作詞家になった。作家としても直木賞を受賞。近年はテレビなどで辛口コメンテーターとして活躍していた。

「ポスト」の“衝撃の告白”シリーズで、結果的に芸能界に一石を投じることになったなかにし礼さん。いうまでもなく、作詞家、作家としての功績は計り知れない。あらためて合掌ーー。

本多圭(ほんだ・けい)

本多圭(ほんだ・けい)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2020/12/27 13:00

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