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『家、ついて行ってイイですか?』20年前に送った亡き夫との3カ月だけの結婚生活「あれだけ好きになれる人はもういません」

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『家、ついて行ってイイですか?』20年前に送った亡き夫との3カ月だけの結婚生活「あれだけ好きになれる人はもういません」の画像1
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)

 10月27日放送『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)を見て痛感したのは、この番組の取材を受ける人の多くは1人では抱えきれない何かを隠しているということ。つらいから、自分のことを誰かに話したい。そんな理由でスタッフを家へ招き入れた2組を、今回は紹介したい。

無理心中を考えた母は、明るさで自分を鼓舞していた

 埼玉県八潮市の喫茶店でスタッフが声をかけたのは、39歳のまりさん。お店には友人と2人で来ていたが、家に帰れば3人の男児がいるとのこと。「家、ついて行ってイイですか?」と尋ね、逡巡しながらもOKしてくれた彼女の家は草加市にある一軒家だった。

 玄関を上がると、そこにはランドセルが綺麗に3つ並べてあった。すでに、子どもたちは明日の学校の準備を済ませているようだ。さらに宿題も終わらせており、今は2階でゲームで遊んでいるらしい。

 リビングに足を踏み入れると、パッと目についたのは屋内に設置されたテントだ。

「テントが流行ったんですよ、前。(家族で)テントの中で遊んだりする」

 見るからに楽しそうなお家だ。テント以外に、バランスボールやトランポリンも置いてあるのだ。トランポリンはお子さん用ではなく、彼女が跳ねて遊ぶものらしい。スタッフの前で、まりさんはピョンピョンと跳ねてくれた。

「思いっきりこうやって、グルって回ったりとかして……やばい、尿もれした」

 それは報告しないでいい。天真爛漫な可愛い人である。テーブルに視線をやると、そこには地球儀が置いてあった。なんでもある家なんだな……。

「地球儀を見ると不思議な感覚に陥りません? 『実はこんなに小さいんだよ、私たちの住んでるところ』っていう。悩みも小っちゃくなりそうじゃないですか、これを見ると」

 こんなに明るい人も、やっぱり悩みは持っているのか。

 続いて、今度は2階へお邪魔することに。すると、男の子たちがスマホやタブレットで自由に遊んでいた。スタッフが挨拶をすると「こんにちは」と返してくれる、小1、小2、小4の3児たち。メチャメチャ可愛いけれども、みんなの髪の毛がちょっと特徴的である。なんか、昔の子どもみたいなのだ。理容室へは行かず、まりさんが自分で切ってあげているのだろう。

 あと、子どもたちの位置関係が気になった。小1と小2の子たちは近くで遊んでいるのに、小4の長男だけ別室で離れて遊んでいるのだ。

「一緒にいたいんだけど、私が離しているんです。思い通りにならないと、相手のことを傷つけちゃうんで。やっぱり言葉が出ない分……」

 長男くんは自閉症スペクトラムで、重度の知的障がいがあるという。そして次男くんには発達障がいがあり、特別支援学校に通っているそうだ。当日に慌てないよう、前日にランドセルを並べて準備している理由がわかった。リビングのテントは、何かの拍子に長男くんが「ギャー!」となった際、クールダウンするための場所として購入したもののようだ。

 ちなみに、まりさんの職業はピアノ講師。高校から付属校に通い、東京音楽大学を出身したエリートである。彼女の高校の卒業アルバムを見せてもらうと、これがまた可愛いのだ。どことなくYUKIに似たルックスで、モテそう。この頃のまりさんの夢は「お嫁さんになること」であった。

 ちなみに、彼女の夫は透析医。今はコロナ対応で大変な時期だ。まりさんは息子たちの夕食と勤務中の夫のお弁当を作るために台所に立った……ちょうどそのタイミングで、トイレのほうから母を呼ぶ声がする。長男くんがうんこをしているのだが、彼は自分でお尻を拭くことができない。だから、まりさんが代わりに拭いてあげている。お母さんは毎日、孤軍奮闘中である。

 長男くんに自閉症があるとわかったのは3~4歳の頃だそう。他の子ができることが彼にはできず、脱走したり泣き出す様子を見て「何かおかしい」とは思っていた。そして歯科に連れて行った際、先生から言われたという。

「『この子、自閉症だよ』って先生にはっきり言われたの。『早くそういう療育(発達支援)に連れて行かないとお母さんが壊れるよ』って」

 歯医者でも理容室でも、おそらく長男くんはじっとしていられなかった。だから髪はまりさんが切るし、先生には指摘をされた。実は、その歯科医の娘さんも自閉症だったらしい。身近にそういう人が1人でもいると、親同士の支えになる。まりさんはその先生と出会え、本当によかった。

「私のことを思って厳しい口調で言ってくれて、私は歯医者で泣いた。みんな、思いやりから『この子は自閉症です』って言ってこないの。だけど、その先生ははっきり言ってくれたの。だから、ショックっていうより安心して『やっぱそうだよな』っていう。緊張の糸が緩んだように、心の何かが『良かった』って泣いた」

 親としての1番のストレスは、「なんでだろう」のモヤモヤである。だから、はっきり言われてホッとした。「このままだとお母さんが壊れるよ」の言葉も、まりさんには沁みたのだ。

 印象に残るのは母の強さだ。なんでもポジティブに捉えようとするまりさんは強い……いや、違う。明るく振る舞ってはいるが、どこかでまりさんは自分を鼓舞している。強がっていないと壊れてしまいそうだから。彼女を見ていると、かなり無理をしている感じがするのだ。

「本気で無理心中しようかなって思ったときもあった。『やっぱり無理だ』って。だけどできないよね、やっぱり(苦笑)」

 尿もれのことも、子どもたちのことも、無理心中を考えた過去も、なんでも話してくれたまりさん。きっと、彼女は誰かにしゃべりたがっていた。話をして、少しでも気持ちが楽になれたならよかった。

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