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BIGBANGスキャンダルまみれからのカムバックでも強い影響力 東方神起ら衰えぬ第2世代

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BIGBANG・G-DRAGON(写真/Getty Imagesより)

 第2世代K-POPアイドル(以下、第2世代)の“健在ぶり”が、韓国で改めて注目を集めている。

 第2世代とは、東方神起、BIGBANG、少女時代、SUPER JUNIOR、2PM、SHINeeなど、2000年代中頃から後半にかけて活動したグループだ。現在、BTSなどグローバルで活躍するアイドルの先駆けとなり、アジアを中心にK-POPの影響力を拡大した世代として評価されている。

 直近では2月9日に、日本でも絶大な人気を誇ってきたBIGBANGのカムバックが発表され話題だ。新曲の制作がすでに終了しMVの撮影中だとされおり、今年4月に4メンバー(G-DRAGON、SOL、T.O.P、D-LITE)での復帰が発表された。

 思い返してみれば、BIGBANGのメンバーや元メンバーは、麻薬や賭博、売春斡旋の疑いで執行猶予や実刑判決を受けている。ここ数年で起きたイメージの凋落ぶりは激しいもので、もはや再起不能というのが一般社的な認識となっていた。それが、ここにきてすんなりとカムバックを果たすというのだ。

 BIGBANGのカムバックの裏には、本人たちの意向もさることながら、所属事務所・YGエンターテイメントの懐事情も深く関わっているようだ。

 YGエンターテイメントはNFT事業に乗り出すなど話題をふりまいているものの、業績自体は韓国の主要芸能事務所4社(HYBE、SMエンターテインメント、JYPエンターテインメント)のなかで相対的に不振に陥っている。2021年のCD販売量は約261万枚と、シェアはわずか4.1%にとどまった。BIGBANGのカムバックで、業界での地位低下に一石を投じたいというYGエンターテイメントの苦渋の思いが見え隠れする。

 実際、さまざまなスキャンダルにまみれたBIGBANGだが、その影響力はいまだ健在だ。

 G-DRAGONが最近、中国の有名飲料ブランド・チャパイの広告モデルに抜擢されたことがその一例だろう。

 中国本土の大手ブランドが大規模な広報活動に韓国芸能人を登用するのは、16年に起きたTHADD(高高度ミサイル)配置による両国関係悪化後初となる。これだけ有名なアイドルが増えているのにも関わらず、重要なシーンでは「やはりBIGBANG」となったのである。

 なお韓国国内では、BIGBANGのみならず、長期間の休養や兵役などを終えて、東方神起のチャンミン、SUPER JUNIOR、2PM、SHINeeなど第2世代のカムバックが相次いでいる。

 韓国音楽コンテンツ協会が運営するカガオンチャートによれば、21年のアルバム販売量は約5700万枚(上位400位)。前年より36.9%増加した数字となった。なかでも第2世代の曲は売れ線で、新人かつ勢いのあるグループと劣らない勢いを維持しているという。芸能事務所の売り上げの多くは、音源、コンサート、グッズなどから生まれているが、今でも売り上げが立つ第2世代は、廃らせるには惜しい稼ぎ頭といったところなのだろう。

 なお、第2世代の曲は、韓国では“懐かしのあの曲”という文脈でも人気が根強いという。日本で言うところの、昭和・平成の名曲といったところだろうか。

 韓国アイドルは、打ちあがっては消える刹那的なイメージも魅力の源泉だった。今後、“高齢化”が始まるとするならば、新人アイドルたちにとっては大きな壁として立ちはだかることになりそうだ。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2022/02/11 12:32
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