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白熱する視聴者の考察

『空気階段の料理天国』何か起きそうで、まじで何も起きない…テレ東・上出Pの“真っ白”な料理番組

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『空気階段の料理天国』何かが起きそうで、まじで何も起きない…テレ東・上出Pの真っ白な料理番組の画像1
『空気階段の料理天国』(テレビ東京系)

 4月29日、祝日の正午に突如として放送された『空気階段の料理天国』(テレビ東京系)がネット上で話題を呼んでいる。と言っても、どれだけの人が目撃できたのか? 筆者は『昼めし旅』を視聴するつもりでチャンネルを合わせたら、たまたまこの番組にめぐり合ったという次第。

空気階段は料理しないし、トークに盛り上がりもない

 気になる箇所がそこかしこにある番組だった。まず、画面が白い。部屋の中(つまり背景)も、食器も、空気階段の2人が着る衣装も、すべてが白いのだ。

 あと、空気階段が料理をしない。料理人が料理しているところを別室のモニターでずっと眺め、2人で(もしくは料理人と)会話している。“コロナ禍の料理番組”としての配慮ということ? でも、なぜだ。仮にも、キングオブコント王者である。そんな芸人を起用してコントをさせるわけでもなく、料理に関わらせるわけでもない。見守らせるだけなのだ。それでいて、2人はエプロンを掛けているし、鈴木もぐらの前にはコンロと鍋が律儀に置いてある。でも、使わない。料理しない。そして、料理工程を見続けた2人は、できあがったそれを食べるだけなのだ。

 そもそも、この番組名はなんなのか。75~92年まで放送されていた料理バラエティ番組『料理天国』(TBS系)には、龍虎という試食専門のレギュラーがいたが、その役割を彼らが担ったということ? もしくは、料理を見守ってただ食べるだけだった『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)のバトンを受け取ったつもりなのだろうか?

 しかし、『おしゃべりクッキング』のような軽快さは皆無だ。コメントを噛むわ、料理系の語彙力がないわ、トークは一向に盛り上がらない。例えば、「チキンパルメザンパスタ」のチキンを試食したとき、2人はこんなやりとりを交わした。

もぐら  「パサパサはしてないですか、胸肉は?」
かたまり 「まったくない。本当に……生まれたての鶏肉って感じ」
もぐら  「……どういうことだ」

 ひどすぎないだろうか? チキンを食べて「生まれたての鶏肉」と表現しても褒め言葉になってないし、生まれたてならばそれは卵である。だけど、料理番組という体裁を守るためもぐらのツッコミは抑え気味になり、それが番組の掴みどころのなさにつながった。

 こういう下手な食レポが延々続いたのだ。料理人が「よくばりステーキ」を作ると発表したときのリアクションも変だった。

料理人  「今回は『よくばりステーキ』をご紹介します」
もぐら  「あ、確実です」
かたまり 「なんの問題もございません」

 気持ちの悪い返しである。料理人との会話が絶妙に噛み合っていない。ちなみに、「よくばりステーキ」は焼いた後にアルミホイルで包み、寝かすという工程を辿る。余熱で中まで火を入れるのだ。

もぐら  「サウナに入ってるみたいなことですね、ステーキからしたら」
かたまり 「ステーキを整えて……」
2人   「……」

 うまいこと言った(つもりの)かたまりの例えを、素人みたいにスルーするもぐら。この番組にはBGMがないため、拙さゆえに生まれる間が実に怖いのだ。さらに、できあがりのステーキを見てかたまりが口にした「普遍的な肉」というリポートも意味がわからない。ステーキの断面を眺めながら、もぐらが言った「宇宙で採れる鉱石みたいな色してます」のリポは、一体どういうつもりなのか? あと、別の料理人が「バニラアイスクリーム」を完成させた瞬間、もぐらの口から漏れた「もう、お腹ペコペコです!」という一言もおかしい。アイスを相手に「お腹ペコペコ」というボキャブラリーは、あんまりである。

 他にも、おかしなところはたくさんあった。空気階段の2人が噛んだとしても、スベったとしても、相方はイジらないし、スタッフは編集で切らない。そのままで流す。会話の間は変だし、料理を映すカメラのアングルも変。正面からじゃなく斜めから映したため、容器の影が邪魔になって料理がちゃんと見えなかったりしたのだ。肉をどアップで映したため、料理がただの餌みたいに見えたし、パスタにいたってはカメラのピントが合ってなかった。試食中、空気階段の手元(つまり、完成した料理)を決して映そうとしないのも気持ち悪い。「おいし~い」と2人は言っているのに、その瞬間に限って料理がフレームに収まっていないのだ。

 これらの妙なポイントとホワイト空間が掛け合わされると、不穏さが俄然増した。清潔感を生み出す白なのに、この番組での白は違う効果へ作用した。映画『2001年宇宙の旅』の白い部屋ばりの心地悪さというか。背景が真っ白な、何かしらの宗教映像を見たみたいな気持ちになってしまったのだ。

 ちなみに、調理中は料理人の両側から2つのモニターが挟み、それぞれに映る鈴木もぐらと水川かたまりが工程を見るという絵面だった。“コロナ禍の料理番組”だとしても味気なさ過ぎる。70年代の近未来SF作品っぽくて不気味なのだ。

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