加山雄三に吉田拓郎、高齢大物アーティストが続々コンサート引退のなぜ

　ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説！

――大物アーティストが第一線から退く発表を次々にしていますね。

城下　そうですね。加山雄三さんが年内でコンサート活動を引退すると発表しました。9月に東京国際フォーラムで公演し、12月の豪華客船飛鳥Ⅱでの船上ライブが最後だそうです。4月に85歳を迎え、「まだ歌えるうちにやめたい」と決めたそうです。

――逆に、その年になるまでコンサート活動を続けていたことにビックリです。

城下　1988年に89歳で亡くなった、浅草オペラの歌手、田谷力三さんは、亡くなる2週間前までステージに立っていましたよ。しかもずっと声が出ていました。「毎日ボイストレーニングをすれば声は衰えない」と言っていました。足腰を鍛えるためにマンション6階まで歩いて昇り降りもしていたとか。加山さんも今もとても若々しい。60年代に大人気となった青春映画「若大将シリーズ」のイメージのまま。永遠の若大将です。

――芸能界を引退するわけではないようですね。

城下　コンサート活動やテレビ番組などで人前で歌うことは辞めるようですが、レコーディングの可能性はあると報じられています。加山さんは、2019年に腰を圧迫骨折し、さらには脳梗塞を発症。2020年にも小脳出血が見つかり、近年は体調面が心配されていました。コンサートは相当体力も使います。万が一ツアーの途中で倒れてしまったら損害が大きい。コンサートには保険が掛けられますが、高齢となると高額になる。総合的に判断して、今後は無理のない活動を続けていくということでしょうね。まあ、ファンも高齢ですし。

――76歳の吉田拓郎も7月21日放送の音楽バラエティ番組「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」（フジテレビ系）が最後のテレビ出演になると発表しました。

城下　月1回放送していたラジオ番組も12月に終了するそうです。吉田さんは6月26日、公式ブログで「何だか世間的に引退とか何とか・・お騒がせは『心が痛い』のだ」「引退とかそういう言葉なんてのは　まあ、大した意味は持たない・・って思うんだなー」などと綴っていました。引退を明言したわけではありませんが、一部報道では「引退の方向性」とも言われています。吉田さんも口パクでコンサートをするような人ではありませんから、本人が納得がいかない音楽活動はしたくないのでしょう。

――「落ちた」と言われる前に身を引くわけですね。

城下　そうですね。73歳の高橋真梨子さんも今年の全国ツアーが最後のツアー。同じ73歳の井上陽水さんも「引退するのではないか」とウワサされています。そう考えると、ジュリー（沢田研二）なんて74歳でまだコンサートを続けていて、よくやっていますね。しゃべってる時間もかなり長いですが。

――沢田は7月から2023年4月まで全国ツアーを予定しているようですね。潔くステージを去るのも勇気がいるでしょうが、この年齢で歌い続けていく勇気もすごい。さすが大物アーティストだと思います！

城下尊之（芸能リポーター）

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「（故）林家三平さん、大病から復帰！」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

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しろしたたかゆき