日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『グレイトギフト』藤巻、早くも八方ふさがり

『グレイトギフト』反町隆史“藤巻”早くも八方ふさがり、「ギフト」争奪戦は新理事長がリード

『グレイトギフト』反町隆史藤巻早くも八方ふさがり、「ギフト」争奪戦は新理事長がリードの画像1
テレビ朝日『グレイトギフト』公式サイトより

 もはや言い逃れできない状況に陥ってしまった。『グレイトギフト』(テレビ朝日系)の第2話が1月25日に放送された。殺人球菌「ギフト」の存在が病院の水面下で広まり、勘の鋭い元捜査一課刑事も捜査を開始するなか、新たな犠牲者が出てしまう。その現場にいた主人公・藤巻(反町隆史)が被疑者としてロックオンされるのは間違いないだろう。

 大病院の明鏡医科大学付属病院の病理部で“しがないおじさん病理医”として勤務する藤巻が、元総理大臣・愛宕(山田明郷)の解剖時に接種者を心不全に陥れる殺人球菌「ギフト」を発見したことで、欲望渦巻く院内・社会政治に巻き込まれていく本作品。

 第1話では藤巻が「ギフト」の分析・培養を始めるとともに、病院理事長・奥野(坂東彌十郎)を相手に大立ち回り。「ギフト」の存在を公表しない交換条件として、妻・麻帆(明日海りお)の心筋細胞手術の許可を取りつける。しかし、藤巻から「ギフト」の扱いを相談された心臓外科教授・白鳥(佐々木蔵之介)が理事長の座を奪うべく悪用し、奥野は殺害されてしまう。研究大好きで悪事や権力争いとは縁のなかった藤巻は、突如として殺人事件の共犯者となってしまった。

 第2話は藤巻が院内外で行う「ギフト」の生みの親捜し、理事長殺害による漁夫の利を得ようとする悪人の登場など目まぐるしくストーリーが展開したが、ハイライトは序盤の“証拠隠滅”シーンだろう。藤巻と白鳥は奥野の死因を心不全として処理したが、娘の看病で病院を出入りする警視庁警部補の神林(尾上松也)は行政解剖を決行。以前は捜査一課で活躍していた神林の“勘”が早くも白鳥の悪事を見抜いたかたちだが、藤巻は新理事長となる白鳥の命令を受けて証拠隠滅を図るべく行政解剖に同行する。ここは少々ご都合主義が否めなかった。「ギフト」による心不全の唯一の証拠となる首の黒ずみ(嚢胞)に、こっそり保冷剤を当てる藤巻。まあまあ大きな保冷剤を遺体に当てていることに気付かない神林たち。全身黒ずくめ・パーマヘアーの刑事が活躍する某名作ドラマであれば、この時点でチェックメイトの大胆行動だが、藤巻の涙ぐましい努力により行政解剖で「ギフト」が発見されることはなかった。ギフトを密かに悪用する白鳥よりも、保冷剤を大胆に悪用する藤巻にハラハラさせられた。なんとも不思議なドラマである。

 第2話でも「ギフト」の生みの親である黒幕は分からずじまいだった。ただ、病理部検査技師の久留米(波瑠)や、愛宕がひいきにしていた高級クラブのオーナー・安曇杏梨(倉科カナ)などに対し、藤巻が公に詮索を始めたことで、脅迫文を送っていただけの黒幕が新たな一手を繰り出すかもしれない。黒幕は秘密裏に「ギフト」の研究、殺人という名の人体研究を進めたかったはずだ。それが藤巻に発見されたことで計画は狂ったはずであり、紙上の脅迫でおとなしくさせたかったところだが、藤巻は黒幕捜しに奔走し、白鳥にいたっては「ギフト」をネタに“ゆすりたかり”をしてきた病理医・伊集院(盛山晋太郎)を培養球菌で殺害してしまう。黒幕としては「人の殺人球菌でなにしてくれてんだ!」と激高してもおかしくない。第3話では黒幕が白鳥の命を狙っても不思議ではないだけに、名優・佐々木蔵之介が早くもフェードアウトすれば大きなサプライズだ。

 そして、白鳥にとって都合のいい理事長の不審死、藤巻の突然の出世を不審がる登場人物が増えていることも本作品を混沌とさせるだろう。白鳥、藤巻を失脚させたい人物にとっては是が非でも裏事情を暴きたいはずであり、「ギフト」の存在を知ればその力を利用したいのは間違いない。「ギフト」を手にする人物が1人、2人、3人と増えることは、それ以上の被害者を生むことを意味する。警察が藤巻らを捕まえるのか先か、それとも新たな危険人物に「ギフト」が出回るのが先か。第3話は今後のストーリーを占う重要な放送回となるだろう。

■番組情報

木曜ドラマ『グレイトギフト』

テレビ朝日系毎週木曜21時~

出演:反町隆史、波瑠、明日海りお、坂東彌十郎、津田健次郎、倉科カナ、尾上松也、佐々木蔵之介 ほか
脚本:黒岩勉
音楽:得田真裕
主題歌:JUJU『一線』
演出:本橋圭太、星野和成
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:髙野渉(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日

公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/greatgift/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/02/01 09:00
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed