さらば青春の光・東ブクロ「愛車ドッキリ」に見る芸人サクセスストーリー【前編】

　17日に公開された「さらば青春の光Official Youtube Channel」のバレンタイン企画はブクロドッキリ。森田哲矢が相方・東ブクロに愛をこめてチョコレートをプレゼントした。

「ブクロの車にチョコ塗ります」

　この日、『ラヴィット！』（TBS系）の生放送を終えたさらば青春の光は、スタッフとともに事務所に集合。ピン稼働の増えている森田に対し、ブクロにとっては貴重なコンビ出演の機会となっていた。

　現在、五反田のマンションに2部屋を事務所として借りているさらば。ブクロを別室で待たせ、チョコレートを湯煎しながら作戦を練るのは、森田と作家の渡辺佑欣氏だ。渡辺氏にとって森田は業界の先輩にあたり、ブクロは大学の1年後輩である。さらばにとっては盟友といえる関係である。

　そんな渡辺氏も今回ばかりはブクロに「殴られる」のではないかと心配が尽きない「愛車チョコ」ドッキリ。というのも、ブクロの愛車にドッキリを仕掛けるのは、さらばにとってこれが初めてではないのだ。

■最初はバイクだった

　2018年10月に公開された「【ドッキリ】相方のバイクを勝手に金ピカに塗ってみた【さらば青春の光】」という動画。森田がブクロのバイクをカラースプレーで金ピカに塗るという常軌を逸した企画である。

　まだ本名の東口宜隆を名乗っていたブクロの当時の愛車は黒のYAMAHAマジェスティ。新車価格は60万円ほどの車両である。

　森田は、公園に駐車してあるブクロのバイクに金スプレーを吹きながら「めっちゃカッコよなってきてるやん」などと大喜び。

「M-1落ちたんでね、バイクだけでも金メダルあげたいなと思って」

　この動画が最初に公開されたのは15年11月の単独ライブの幕間だったという。その年さらばは『M-1グランプリ』（テレビ朝日系）で準決勝敗退。だが、『キングオブコント』（TBS系）では12年から4年連続でファイナルに進出するなど、すでに知られた存在ではあった。

　バイク本体のみならずヘルメットまで金ピカに染め上げ、ブクロを待つ森田。そこに現れたブクロは、当然ながら黒のマジェスティを探して右往左往する。そして、その金ピカが自分のバイクだと認めると、「なんや？」「なんや？？」と怒りよりも戸惑いが先に来たような絶妙なリアクション。あまりの事態に、少し笑ってしまっている。

「（インクが）乾いとんのかい！」
「ちょっと速なった気するやろ」

　金ピカのバイクで颯爽と去っていくブクロの後ろ姿は、まるでスーパーヒーローのようだった。ご利益があったのか、その翌年さらばは『M-1』でもファイナルに進出することになる。

　この動画が評判になり、「さらばのYouTubeは面白い」というウワサが爆発的に広まっていく。現在、チャンネル登録者数115万人、総再生回数3億3,000万回以上を誇る同チャンネルの記念すべき最初の企画動画だった。

■2度目はレクサスだった

　20年8月、ブクロが車を買い替えるというウワサを耳にした森田によって企画された動画が「【ドッキリ】相方の愛車レクサスを勝手に金ピカに塗ってみた」だ。同チャンネルの登録者であれば、誰もがタイトルを見ただけでその内容を予想できる安定の企画である。

　今回は、ブクロがピンで出演しているゴルフ番組『ゴルフわでしこ』の収録中に、ゴルフ場の駐車場で犯行が行われることになった。

　ブクロの当時の愛車は、レクサスのエンブレムを冠した黒のトヨタiQ。新車価格は150万円程度である。

　東京から2時間かけて栃木・鹿沼市のゴルフ場に入った森田らは、ブクロの到着を前に興奮を隠せない。金ピカドッキリは、見ているだけでこれだけ楽しいのだ。実際にやる側の楽しさは想像を絶するものがある。

（文＝新越谷ノリヲ／後編に続く）

新越谷ノリヲ（ライター）

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

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