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『イワクラと吉住の番組』『上田と女が吠える夜』など“不満ぶちまけ企画”が大好評!

『イワクラと吉住の番組』『上田と女が吠える夜』など不満ぶちまけ企画が大好評!の画像1
(写真/Getty Imagesより)

 2月13日深夜に放送されたテレビ朝日系深夜番組『イワクラと吉住の番組』での「街ゆく人々の不満を当てろ!ふまんだらけ」という企画が、大好評となっている。

 待ちゆく人々にインタビューをして、日頃抱いている不満を聞き、その内容がどんなものなのかをスタジオの芸人たちが当てるというこの企画。パンサー向井慧がMC役となり、レギュラーの蛙亭イワクラ、吉住のほか、ウエストランド井口浩之、鬼越トマホーク坂井良多、お見送り芸人しんいちが、回答者として登場した。1月に第1弾が放送されており、好評につき今回第2弾が放送された。

 街頭インタビューを軸にしつつ、芸人たちの自由な回答を楽しむという企画だが、お笑いファンにインタビューをしたこともあり、芸人たちの回答は徐々に横道にそれていく。

 井口が昨今の芸人界隈で感じている不満を次々と繰り出せば、イワクラや吉住も追随。周囲の芸人や関係者だけでなく、SNSでのお笑いファンに対する不満もぶちまけていく。そして、お見送り芸人しんいちは、なぜかグラビアアイドルとの肉体関係を自ら暴露。さらに、すべての出題が終わったにもかかわらず、芸人たちが勝手に不満をぶつけていくという、クイズそっちのけの展開となった。

 ある構成作家はこう話す。

「タレントが不満を吐露していくという企画は、決して珍しくはないのですが、街頭インタビューからの出題がいわゆる“お題”になっている大喜利的要素もあるなかで、芸人たち身の回りの不満を明かしていくのは、カオスでありながらもかなり痛快で、面白かったですね。フリートークのスキルも試されるという点では、芸人たちの腕の見せ所でもある。そして“絶妙に小さい不満”が吐露されていくという部分で、幅広い視聴者も共感できる。周囲のお笑い関係者の間でのかなり好評で、現時点では、2024年に放送されたバラエティー番組のなかでは、No.1かもしれない。この企画を一つの番組として独立させてもいいのではないかという声も聞こえてきます」

 出演者たちの“不満”にスポットを当てた企画は『イワクラと吉住の番組』だけではない。2月14日に放送された日本テレビ系『上田と女が吠える夜』では、「バレンタインデーに…冬の愚痴祭りSP!」と題して、女性タレントたちが普段から抱えているさまざまものに対する不満や愚痴を明かすという内容。大久保佳代子、若槻千夏、ファーストサマーウイカといったレギュラー陣はもちろん、野々村友紀子、川島海荷、爛々・萌々らが、自由に愚痴をこぼした。

「『イワクラと吉住の番組』では、お笑い色が強い“不満大会”でしたが、『上田と女が吠える夜』ではもっと日常的でより視聴者が共感できるような不満がたくさん飛び出しました。基本的に毒舌という形でのトークではあったものの、誰もが一度は感じたことがあるような不満が多く、溜飲が下がる思いをした視聴者も多かったのでは」(同)

 さらに2月18日にABEMA『チャンスの時間』では、「行列のできるブチギレ相談所」の第3弾が放送。“キレたかったけどついつい我慢してしまう”という芸人やタレントに対して、史上最強ブチギレ軍団である永野、COWCOW多田健二、Aマッソ加納、そいつどいつ市川刺身が相談員として、キレ方をアドバイスするという企画だ。

「こちらは“相談”という体裁のなかで、相談員たちがブチギレまくるという内容です。なかでも永野さんが“一般人”に怒りをぶつけた場面は圧巻。“一般人からX(旧Twitter)を取り上げろ!”というパワーワードも飛び出しました」(同)

 いずれも好評な芸人やタレントたちの“不満企画”。コンプライアンス遵守、ポリコレ配慮のため、過激な表現が難しくなっている昨今の流れから逆走するかのようにも思えるが、どういう事情があるのだろうか。

「ウエストランドがM-1グランプリで優勝したり、鬼越トマホークがブレイクしたりなど、2022年から23年にかけては、毒舌系の芸人が人気になった時期でもありました。コンプライアンス遵守やポリコレ配慮の流れのなかで“人を傷つけない笑い”にスポットが当たった後の反動というのもあったのでしょう。ただ、毒舌を求める空気がありつつも、“おもしろいけど、この表現は大丈夫なのか?”と微妙な空気が流れてしまうこともあったんですよね。

 そういったなかで、少しずつ試行錯誤を繰り返した結果、誰もが素直に笑えるような不満企画が、今このタイミングでやっと成立するようになってきたのでしょう。

 1年から2年ほどの微調整の期間があったからこそ、“多様性に配慮”ということに意識しつつも、どこまでがOKでどこからアウトかという認識が共有されるようになったということです。以前であれば、過激な方向に進みがちだった毒舌も、今の状況であれば“いい塩梅の不満企画”となる。それこそ“人を傷つけない毒舌”というフェーズに入っているのかもしれません」(同)

 バラエティー番組では、笑いとともに爽快感を求める視聴者も多い。そういった意味では、芸人やタレントたちが不満をぶちまけるという企画は、間違いなく需要がある。今後、“不満ぶちまけ番組”が乱立する展開もありそうだ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2024/02/27 09:00
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