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佐々木朗希、メジャー志願でヒール化も残された茨の道は「野茂英雄コース」

佐々木朗希、メジャー志願でヒール化も残された茨の道は「野茂英雄コース」の画像1
ロッテ・佐々木朗希(写真/Getty Imagesより)

 2022年に完全試合を達成し、昨年行われたWBCでも大活躍。最速165kmを誇る“令和の怪物”佐々木朗希が、にわかにヒールと化している。オフの契約更改でメジャーに行きたいと言い出し、契約更改は難航。キャンプイン直前の1月26日にようやく契約更改を終えたが、これは12球団の全選手の中で最後だった。

「契約更改が終わった後、球団側は『佐々木がわがままを言ったりとか、もめたりしたわけではない』と火消しに努めましたが、佐々木がメジャー行きを強硬に志願したのは疑いようのない事実。実力は誰もが認めるところですが、プロ4年間で19勝しか上げていないため、野球ファンから“時期尚早”“ワガママ”“文句ない成績を残してから行け”といった声が寄せられ、OBや関係者からも批判の声が上がっています。佐々木は高校時代、夏の甲子園の県予選決勝の登板回避が物議を醸したことに始まり、1年目は登板ゼロなのに1軍に帯同、2年目以降は先発を任されるものの、休養たっぷりで規定投球回には届かずじまい、昨年は事実上、前半戦のみの出場と、とにかく大事に育てられています。彼が日本の至宝なのは間違いないですが、今季は5年目で22才ですから、そろそろ特別扱いも終わりの時期。1年間フルに働いたことがないのに『アメリカに行きたい』では、ファンが呆れるのも当然です」(週刊誌スポーツ担当記者)

 もっとも、佐々木にも同情すべき点はある。日本のプロ野球選手がスムーズに海外に行くには海外FA権を取得する必要があるが、これを取れるのは最短でも20代後半。選手としてピークの時期を逃す可能性がある。

 一方、金銭面での差も大きい。今オフ、大谷翔平が1000億円超(10年総額)、山本由伸が約460億円(12年総額)で契約を結んだのに対し、佐々木の今季の年俸は推定8000万円。メジャーにはいわゆる「25才ルール」(25歳未満の外国人選手との契約に際し、契約金や年俸など込みで1球団当たり年間500万ドル程度に制限。さらにマイナー契約からスタートする)があるため、佐々木が今すぐメジャーに移籍しても大金を得られるわけではないが、世界最高峰のリーグでいち早く力を試したいと思うのは不思議ではない。逆風に晒される佐々木だが、過去には同じ境遇だった先達がいる。

 ベテランスポーツ記者がいう。

「野茂英雄は今でこそ、メジャーへの道を切り拓いた英雄という認識ですが、1995年にアメリカに渡った時は、それこそ裏切り者扱いでした。野茂は当時、入団から5年で78勝を上げるスーパーエースでしたが、契約更改で球団と揉めに揉めて退団を直訴。監督との確執や球団のドケチ体質など汲むべき事情はいくつもありましたが、任意引退という形でメジャーに移籍した野茂への巷の評価は“ワガママ”の一語でした。『ストレートとフォークだけでは通用しない』という声も多く、声援を背中に受けての渡米ではなかったんです。ただ、野茂にとって幸運だったのは、メジャーリーグが直前のストライキ騒動で停滞期にあったこと。ストが長引いて人気低下が懸念される状況のなか、特徴的なフォームでばったばったと三振を奪う野茂は救世主扱いされ、オールスターにも選ばれる頃には、アメリカのみならず日本でも英雄になったんです。佐々木に関して言えば、実力的には今すぐメジャーで通用するでしょうが、きちんとローテーションを守れない投手は評価の対象外。少なくとも今年1年間ロッテでローテーションを守り、最低でも2ケタ勝利と規定投球回到達をクリアしなければ、大きな契約を結ぶことは難しいでしょう。逆に言えば、それをクリアできれば天文学的な契約が待ち受けているということ。佐々木はオフのゴタゴタで一定数のファンを敵に回しましたが、圧倒的な成績で批判的なファンを黙らせる状況に自らを追い込んだということです」

 佐々木は契約更改後の会見で、「キャリアハイを目指さないといけない」と述べたが、ケガさえなければ達成は確実だ。

「12球団の選手が出演したオフのバラエティ番組で、『佐々木が欲しいか』という質問に、全選手が即答でYESと回答。口々に『反則』『あんなの打てない』といったコメントが飛び出したように、佐々木の実力は日本球界では飛び抜けています。オールスターで対戦した三冠王・村上宗隆はヒットを打ちましたが、『めっちゃ速かった。変化球が来たらお手上げ』と、直球勝負をした佐々木を褒め称えましたし、交流戦でスコアラーから『対策しようがない』という報告が上がったという伝説もあります。1年間ローテーションを守れば、最低でも15勝には届く。田中将大は2013年、24勝0敗という伝説的な成績を残してアメリカに渡りましたが、佐々木がその再来となるのを期待したいです」(前出・スポーツ担当記者)

 同郷の“ショーヘイ”の次は“ロウキ”が全米のスターになれるか。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2024/02/04 15:00
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