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佐々木朗希、完全試合達成するも気になるプロ野球界の“イヤなジンクス”

文=石井洋男(いしい・ひろお)

佐々木朗希、完全試合達成するも気になるプロ野球界のイヤなジンクスの画像1
佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ公式サイトより)

“令和の怪物”という呼び名は伊達ではなかった。160km超の速球を操る佐々木朗希(ロッテ)が、10日のオリックス戦で完全試合を達成。日本プロ野球の歴史でわずか16人しか達成していない偉業を、20才の若者がやり遂げた。

「28年ぶりとなる完全試合がまず奇跡ですが、10日の試合は13連続奪三振、1試合19奪三振、史上最年少などとにかく記録ずくめ。しかも対戦相手は昨年リーグ優勝したオリックスで、打者に有利なデーゲームでしたから、その価値はよりいっそう高まります。

 佐々木は高校時代から豪速球で全国的な注目を集め、即戦力との見方もありましたが、ロッテはじっくり育てる方針を選び、1年目は登板ゼロで、昨年も出場は11試合だけ。一部OBからは『過保護だ』という声も上がっていましたが、育成プランは大正解だったようです。佐々木と同学年の奥川恭伸(ヤクルト)も、大事に使う方針が結果に結びついており、今後、高卒投手は徐々に使っていくやり方が定着しそうです」(週刊誌スポーツ担当記者)

 海の向こうでは大谷翔平(エンゼルス)が大活躍しているが、佐々木は同郷・岩手の出身。まだ20才だけに、今後どれだけ勝ち星を重ねるのか、大谷のようにメジャーに行くのかなど野球ファンの夢は尽きないが、完全試合には不思議なジンクスがある。

「投手として究極のピッチングと言える完全試合ですが、これまでに達成した16人は必ずしも球史に残る大投手ばかりではありません。通算100勝に届かなかった選手が7人もおり、中には通算16勝で終わった選手も。一流の証明となる200勝以上を上げたのは2人しかおらず、『完全試合をやった投手は大成しない』とさえ言われています。ハッキリとした根拠は分かりませんが、『甲子園の優勝投手は大成しない』というジンクスとともに、野球ファンの間では古くから囁かれてきました」(ベテランスポーツライター)

 試合の結果は実力で決まるが、「勝負は時の運」という側面があるのも事実。運を使い果たしてしまうということなのか。ただ、佐々木がもうひとつ立ち向かわなければならない“負の歴史”は、偉大なる先輩たちによって覆されつつある。

「佐々木は身長が190cmですが、プロ野球界には『長身選手は大成しない』というジンクスもあります。プロ野球選手の平均身長は約180cmで、日本人の平均よりかなり大きいですが、名球会に190cm以上の選手はゼロ。投手・野手を問わず、立派な体格を持て余したまま引退するケースをたくさん見てきました。ケガで力を発揮できないパターンが多かったように思われます。

 しかし近年、スポーツ医学の発達もあってか、大谷翔平(193cm)やダルビッシュ(196cm)など、190cm以上でも見事な成績を残す選手が現れ、長身選手にまつわるジンクスは完全に過去のものになりました」(前出・スポーツライター)

 わずか14試合目、しかも初完投・初完封が完全試合だった佐々木。今後はどんな夢を見せてくれるのか? これまで多くの名選手を見てきたベテランの野球ライターはいう。

「先日の完全試合で奪三振数が注目されたのは当然ですが、最速164kmという球速を考えると、打たれなかったことより無四球だったことを褒めるべきかもしれません。近年、無四球試合は本当にめずらしく、昨年は両リーグの全投手を合わせてもたった17回。佐々木はストレートが平均160km前後で、フォークも150km近くに達し、先日の試合ではほとんど投げなかったスライダーもえげつないキレがあります。それでコントロールまで良ければ、打者はもう手も足も出ません。

 シーズン前から評論家たちは、口を揃えて佐々木のことを『大谷以来の衝撃』と絶賛していましたが、投手としての素質は大谷以上かも。対戦相手も『さっさとメジャーに行ってほしい』とお手上げ状態なので、日本にいるうちに早く見ておいた方が良いかもしれません」(野球ライター)

 先日の試合は“出来過ぎ”なのか、“まだまだ序の口”なのか。野球ファンにとっては新たな楽しみが出来たようだ。

石井洋男(いしい・ひろお)

石井洋男(いしい・ひろお)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

最終更新:2022/04/16 08:00

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