日刊サイゾー トップ > 社会  > 高額化する名誉毀損訴訟と名物編集長の”どうでもいい”裁判沙汰
"噂の女"神林広恵のナイショの一説

高額化する名誉毀損訴訟と名物編集長の”どうでもいい”裁判沙汰

rare.jpg訴訟の元になった”1号雑誌”
「実話ナックルズ レア」

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。

 ここ10年来、活字ジャーナリズム衰退の原因に名誉毀損の高額化がある。

 最近でも、「週刊現代」と相撲界八百長訴訟840万円、「週刊新潮」と楽天三木谷社長990万円、「フライデー」貴乃花夫妻440万円と、メディア側への高額判決が並ぶ。

 すごい数字だ。

 思えば清原和博「週刊ポスト」訴訟で、一審1,000万円(01年の高裁では600万円に減額)と大台を突破したことが高額化のハシリと思われるが、高額化はいまだに勢いを増すばかり。

 高額賠償金は出版不況にあえぐ出版社にとっても、また現場記者にとっても萎縮効果が抜群なのだろう。訴えられそうなネタを避ける腰砕けの傾向は週刊誌業界を被っている。

 そんな中、雑誌業界同士の、名誉毀損事件が勃発した。

 訴えられたのはミリオン出版の「実話ナックルズ」久田将義編集長、訴えたのは朝日新聞批判で定評の「WiLL」花田紀凱編集長だ。

 出版人どうしということは、言論事件でもある。

 舞台は1年前「実話ナックルズ」の増刊として刊行され、1号で終わってしまった「実話ナックルズ レア」誌上でのこと。評論家の新右翼福田和也氏と一水会の木村三浩氏の対談で、「WiLL」の目次は花田編集長ではなく、元上司でもあった堤尭が手がけている旨の福田発言が掲載された。

 これに反応したのが花田編集長。すぐさま久田編集長に「あれは全部自分でやっている。雑誌の内容も全て目を通してる!」と謝罪を求めてきたのだとか。

 それを拒否したところ、1年経って久田編集長と福田和也氏、そしてミリオン出版親会社の会長を名誉毀損で提訴した。要求金額は2,200万円なり。

 ここまで書いて、どーでもいいじゃん、これが裁判沙汰にするようなことなのか?? と思うのは私だけだろうか。

 雑誌は記者や編集者など多くのスタッフによって総合的に作られるもの。敏腕編集長なんだから笑って済ませてもいい話じゃないか。

 花田編集長は「週刊文春」最盛期の花形編集長、スター編集長だった人物で、言論には言論でというジャーナリズムの基本を充分理解してるはずだと思っていたけど。

 でもスター編集長だからこそ、「おれが、おれが! おれがやってんだ!」ってなっちゃうのかな。

 それって、やばいことかも。
(文=神林広恵)

噂の女

裏側、赤裸々に。

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】 元祖スキャンダル編集長が選ぶ 上半期・この週刊誌記事がスゴい
【関連記事】 週刊誌ジャーナリズムの最前線で闘う男たちのドラマ『週刊誌は死なず』
【関連記事】 「フライデー」の”百聞は一見にしかず”強硬グラビア

最終更新:2009/09/24 10:44
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真