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妖艶な裸体にノックダウン!

エロジャケ300枚以上を厳選! 『THE BEST OF EROTIC JACKET』

erojake.jpgTHE BEST OF EROTIC JACKET』
(ブルースインターアクションズ)

 ゴスペルから始まり、ブルース、ジャズ、R&B、ソウル、ロック、ファンク、ヒップホップ、クラブミュージックなど、さまざまなジャンルに派生していったブラック・ミュージック。

 そんなブラック・ミュージックの中でも、特にエロ要素が強いジャンルと言えば、ギャングスタラップ(以下、Gラップ)とソウルだろう。

 1980年代後半、ヒップホップシーンにはさまざまなスタイルが登場する。ほのぼのゆるゆる系De La Soulや、人種差別問題など政治的なメッセージが強いPublic Enemy、そしてリリックに金、女、ドラッグ、銃が散りばめられたGラップ。Ice-Tの出現で西海岸に生まれたGラップは、その後、N.W.A、SNOOP DOGの登場で全盛期を迎える。SNOOPの”ヤリチン”キャラ効果もあり、「Gラップ=エロ」というイメージが定着。曲のイメージを視覚化したレコードのジャケットも、どんどんエロ化していく。くっきり食い込んだTバックをはじめ、ぷるんぷるんのおっぱい、コワモテラッパーとビッチの淫靡な絡みなど、エロジャケはGラップに欠かせない重要な要素となる。

BIGTYME.jpgBIGTYME BOYZ & H2 THO「BEACH PARTY 2 K 2」
『THE BEST OF EROTIC JACKET』より(以下、同)

 エロいのはジャケだけではない。PVもまたしかり。ヒップホップのPVクリエーターと言えばHype Williamsが有名だが、彼はエロも含め、ヒップホップのいろいろなイメージを作り上げた人物。シーンには、HypeのゴージャスでセクシーなPVをマネた模倣作が続々と現れる。こうした作品は「よりエロく」をキーワードに、どんどんドぎつい表現へと突き進んだ。そしてHype作品のような上品さは排除され、より明快なエロがヒップホップシーンでは好まれるようになった。

 GラップのジャケやPVがお尻&おっぱいの”パーツ型”エロとするなら、ソウルは”雰囲気”勝負。情熱的かつエロティックなラブソングが多いソウルには、喘ぎ声や吐息は付き物。魂を込めて表現されるその世界は、ある意味、正統派なエロス。「ソウルは頭で理解するものではなく、股間で感じるもの」という名言もあるほど、ジャケも雰囲気(シチュエーション)そのものが妙にエロい。

WILDCHERRY.jpgWILD CHERRY「WILD CHERRY」

 前置きが長くなったが、そんなGラップとソウルのLP盤、CD、カセットテープのジャケットの中からエロジャケット300枚以上を厳選してまとめた本が『THE BEST OF EROTIC JACKET』(ブルースインターアクションズ)だ。

 ソウル好きにはおなじみ『甘茶ソウル百科事典』(同)を手掛けたテリー・ジョンスン、ムーディ・ムーニー、黒門ビリーの3人が、とっておきのお宝ジャケットを下品なコメント付きで紹介していく。一応、音としても聴けるものを中心にチョイスしたというが、中身は完全にヴィジュアル勝負。麗しき黒人美女の裸体がこれでもかと拝める充実のランナップなのだが、一番ページが割かれているのはやっぱりお尻。男はみんなお尻好き。デッカイおっぱいもいいけれど、結局行きつくところはお尻なのだ。

SWEETP.jpgSWEET P「I TOAST MYSELF」

 先述したGラップやソウルのジャケの他、”殿下”ことPRINCEの乳首を隠したセミヌード、”ハダカの帝王”ISAAC HAYES の「裸に鎖ガウン」など、変態的な妖しさを含んだ男性陣の甘美な「男(ホモ)ジャケ」もなかなかの味わいだ。

 また、かつて雑誌「お宝ガールズ」(コアマガジン)とフリーペーパー「tribal」で連載されていた、知る人ぞ知る伝説のエロ談義「ERO SOUL Beyaaaaaatch!」のバックナンバーや、幻のエロ絵画家アンディ・パンティのビッチ画なども掲載されている。

 音楽ファンはもちろんのこと、単なる助平もブラック・ミュージックの新しい楽しみ方が発見できる一冊だろう。

THE BEST OF EROTIC JACKET

Vol.2も出るとかでないとか。

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最終更新:2011/03/18 21:00
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