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本当はみんな亡命したい!? 中国ネット上で広がる「亡命マニュアル」に当局も警戒

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 中国のネット上で、「亡命マニュアル」ともいえる情報がひそかに話題となっている。

 そのマニュアルとは、香港のウェブマガジン「陽光時務」で5月3日に掲載された「米領事館駆け込み安全手帳」という記事である。

 4月には、中国の人権活動家、陳光誠氏が軟禁状態にあった自宅から脱出し、北京のアメリカ大使館に保護されたほか、2月には重慶市で、同市元公安局長・副市長だった王立軍氏が米総領事館に駆け込んだばかり。また、天安門事件の際にも、複数の活動家が保護を求めて命からがら駆け込んだアメリカ大使館・領事館について、 同記事では「中国で最も安全な場所」と称し、亡命を申請する方法を紹介しているのだ。

 記事中では、「母国に帰れない、もしくは帰りたくない」「迫害を受けているか、迫害を受ける心配がある」「迫害を受ける明確な理由が存在する」などといった、アメリカの難民および政治亡命受け入れ条件について説明。さらに北京のアメリカ大使館ほか、全国に5つある領事館と台湾に所在する米国在台湾協会の電話番号と住所も記載した、実用的なガイドとなっている。

 この記事は、中国版Twitter「微博」で広がると、「有用な情報に感謝」「ほとんどの中国人は受け入れ条件クリアだな」などといった書き込みが数多く見られた。

 ところが、亡命を肯定するような世論が形成されることを当局が危険視したためか、5月10日現在、亡命マニュアルに関する書き込みは検閲対象となっている模様。過去に投稿されたものも多くが削除されており、マニュアル通りに行動したとしても、そう簡単に亡命させてはくれなさそうだ……。
(文=牧野源)

最終更新:2012/05/14 18:00
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