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ネクロフィリアの波がアニメにも!? ゾンビに萌えろ『さんかれあ』

sankarea.jpg『さんかれあ』公式サイトより

 ありとあらゆる性癖を貪欲に飲み込み、一般化していく昨今の「萌え」カルチャー。たとえば、三次元でのセクシャリティは一点の曇りもなくノンケな男子が、二次元を消費する際には女装した美少年(いわゆる「男の娘」)に萌え狂っている様子も、もはや珍しい風景ではなくなった。時はまさに性器末、もとい世紀末といった感じである。21世紀はまだ最初の10年を少し過ぎたばかりだけれども。

 現在放送中のアニメ『さんかれあ』(TBS系)では、特殊性癖の中でもかなりエクストリーム寄りな、ネクロフィリア(屍体愛好)が作品のテーマになっている。子供の頃からの筋金入りのゾンビ映画オタクで(余談だが、タイトルの元ネタである『サンゲリア』を筆頭に、本作にはゾンビ映画オマージュネタが満載)、ゾンビ化した女の子との恋愛願望を長年抱き続けてきた主人公が、ひょんなことからゾンビになってしまった世間知らずのお嬢様と繰り広げる、甘酸っぱくて少し切ないドキドキ同居ラブストーリーが毎週地上波でオンエアされているというのは、驚くべき事態だというほかない。もともと原作コミック(はっとりみつる作、講談社刊)が人気を集めていたとはいえ、まさに性器(以下略)である。

 ……と、ひとくさり良識派ぶってみたものの、ゾンビになってしまったヒロインの散華 礼弥(さんか・れあ)ちゃんは実にかわいいのである。性格も声もかわいいが、なんといっても、ゾンビ化したことが原因の青白い肌と真っ赤な瞳がたまらない。ほかにも、死後硬直してしまったり、ときおり理性を失ってみたり、脳のリミッターが外れているせいで馬鹿力を発揮してみたり、ゾンビならではの魅力がひしひしと作品から伝わってくる。二次元の世界でなら、ネクロフィリアもいけるかもしれない。「匂い」という、リアル死姦での最大のハードルもないし。思わずそんなことを考えてしまうだけの説得力がある。

 本作が初監督作である畠山守は、『荒川アンダー ザ ブリッジ』『魔法少女まどか☆マギカ』など、新房昭之監督作品に「小俣真一」名義で参加していた。色でキーアイテムを際立たせる鮮烈な色彩設計や、雄弁に情報を物語る象徴的な画面構成など、どこか新房からの影響を意識させるスタイリッシュさがあることも、ゾンビに萌えることへの抵抗感を薄れさせているように思える。

 ここから、日本社会にネクロフィリアがライトなフェティッシュとして根付くのかもしれない……ゾンビ娘ブームに乗り遅れるな!

 ぞんび とても いいです

 かわゆい

 うま
(文=麻枝雅彦)

最終更新:2012/05/31 19:55
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