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『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』公開記念インタビュー

「正直、ヒットするとは思わなかった」長井龍雪が語る『あの花』制作秘話とアニメの可能性

378A4898.jpgアニメ業界一、照れ屋だといわれる長井監督。

 2011年4~6月にフジテレビ・ノイタミナ枠などで放送されたアニメ、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(通称『あの花』)。見たことはなくとも、タイトルだけは聞いたことがあるという人も、少なくないのでは? 登場するのは、子どもの頃に仲の良かった6人組。小学生のときにそのうちのひとりが事故で亡くなり、疎遠になってしまっていた彼ら。しかし、死んだはずの女の子・めんま(本間芽衣子)が、元リーダーじんたん(宿海仁太)の前だけに現れたことをきっかけに、高校生になった5人は再会。押し込めていた想いを解放していく物語だ。

一方通行の恋心、仲間への嫉妬心、取り戻せないあの日……。若者の心情が痛々しく描かれるアニメでありながら、それでも少しずつ前に進む彼らを丁寧に描いたことで共感と評判を呼び、深夜にもかかわらず、大ヒット。Blu-rayとDVDの累計出荷本数は27万本を記録した。あれから2年。テレビシリーズを再編集し、彼らの1年後の新規エピソードを加えた『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が、夏の終わりに公開される。監督は、テレビシリーズ『あの花』はもちろん、『とらドラ!』や『とある科学の超電磁砲』シリーズも手がけた長井龍雪。次世代を担うアニメ監督である長井監督にとっての『あの花』とは? そしてアニメの可能性とは? たっぷりと話を聞いた。

――『劇場版 あの花』、今まさに制作中ですか?

長井龍雪(以下、長井) はい、まさに真っ最中です(笑)。ほかの作品もやっているので、そっちもやりつつですが(編注:取材時は『とある科学の超電磁砲S』放送中だったため)。さすがに年齢的に徹夜はキツいので、適度に睡眠を取りながら頑張っているところです。

――それでは、渦中だからこそのお話をいろいろ聞かせてください(笑)。2011年春にテレビ放送された『あの花』は、その面白さがクチコミで広がり、普段あまりアニメを見ない人も見るほどブームになりましたね。

長井 まさかこんなに喜んでいただけるなんて、スタートしたときは全然思ってなかったんです。もちろん自分としての満足度は高かったけど、それとお客さんが満足してくれるかはまた別なので。自信を持って面白いと思って作っていましたけど、なんせ地味な話なので。正直売れる気はまったくしませんでしたね。

――地味かもしれないですが、見た人たちの心には確実に刺さったと思いますよ。

長井 そう言っていただけるとうれしいですね。飛び道具的な部分はあったにせよ、淡々と続く地味な話だと思うので。

――劇場版の話はいつ出たんですか?

長井 テレビシリーズが終わって、しばらくたってからですね。放送中はなかったです。

――そうなんですね。放送後、物語の舞台となった埼玉県秩父市でファンイベントを行っていたので、放送中から大ヒットの手応えは感じていたのかと。

長井 でも、あのイベントは早い段階から仕込んでいましたから。秩父でやるって話を最初にされたとき、「みんな、何言ってるんだろう?」って思いましたもん(笑)。「なんで秩父に、そんなに人が集まると思うんだ!?」って、完全に引いてました。

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