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稼いだ額は1000万円! “プロ”が語る、驚きの治験生活『職業治験』

51vOJFeozYL._SS500_.jpg『職業治験』(幻冬舎)

 トータル入院数365日、採血数900回。治験だけで1000万円を稼ぎ出した、治験のプロ・八雲星次氏が日々を綴った『職業治験』(幻冬舎)が発売された。これまでに八雲氏が実験台となった新薬は、C型肝炎の新薬インターフェロン、認知症に効果的とされる薬新型麻酔薬、統合失調症の薬、体に元気がみなぎるサントリーのセサミン、果ては飲むだけで禁煙できてしまう薬まで50種類以上。しかも、日本だけにとどまらず、海外での治験にも足を延ばし、報酬をもらって海外旅行まで楽しんでいるツワモノである。


 というか、治験のプロってなんだ!? そうツッコミたくなった人も多いと思うが、つまりは治験一本で“喰っている”ということ。八雲氏は大学卒業後、一部上場会社に就職するも、2カ月で退社。以来、アルバイトも一切せず、7年以上もの間、治験の報酬だけで暮らしている。八雲氏が初めて体験した治験の報酬はC型肝炎の新薬で、衣食住がすべて提供され、20泊21日で53万円! なんとウラヤマシイ……。うっかり、わたしもやってみようかなと、ふらり、ふらりと治験の道へと歩み寄りそうになる。しかし、実際に治験をすることになれば、新薬を飲んで、飲んで、飲みまくり、しかも、結果を確認するために採血の連続に違いない。採血どころか、血を見るのがダメなのでは話にならないだろう。しかも、万が一の副作用のことを考えると、すさまじい恐怖が襲う。

 八雲氏も最初の頃こそ、トクホなど無難な薬の治験を探していたようだが、今では骨を折るなど珍しい治験にも参加し、この道を極めている。また、気になる入院中の生活についても詳細に書かれており、薬を飲まない日はいたって暇なようで、部屋でネットをしたり、漫画を読んだり、遊び放題。その上、食事はうな丼、澄まし汁、エビサラダ・サウザンドレッシング和え、季節の漬物、水菓子、フォンダンショコラバニラアイスクリームのフルコースなど、たいていの場合、豪華極まりない。そんな夢のような世界が、存在しているとは!

 本書にはこのほかにも、入院中に行われている検査の内容、治験の裏事情、どんな人が参加しているのか、プロ治験者の将来など、治験について隅々までまとめられているので、治験に興味がある人にとってはバイブルとなるはず。

 ただ、この本を読んで「オレも治験のプロを目指す!」などと言い出されては困る。多くの治験の条件は、20歳以上40歳未満。引退は早いので、どうぞご注意を。
(文=上浦未来)

●やぐも・せいじ
莫大な労力と精神力を使い就職した一部上場会社を、たった2カ月でやめる。その後、アルバイトなども一切せず、7年間治験者で生計を立て今日に至る。トータル入院数365日、採血数900回、日本だけにとどまらず海外での治験も体験。著書に、『海外クレイジー紀行』(彩図社)がある。

最終更新:2014/01/08 18:00
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