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激動する世界の音楽業界 3大メジャーの命運を左右する「資本」の動向とは

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この10年でレコード業界の様相はずいぶん変わってきている。

【リアルサウンドより】

 ほんの10数年前、90年代後半まで世界の音楽業界の有力プレイヤーは6大メジャーと呼ばれていた。「ユニバーサルミュージック」(MCAレコードから改名)「ソニーミュージック」「BMG」「ワーナーミュージック」「ポリグラム」「EMI」がそれにあたる。しかしその後ユニバーサルミュージックがポリグラムを買収し、ソニーミュージックはBMGを買収。2011年にはユニバーサルミュージックがEMIのレコード音楽部門をシティグループから19億ドルで、ソニーミュージックが22億ドルでEMIの音楽出版部門を買収する事で合意。現時点では「ユニバーサルミュージック」「ソニーミュージック」「ワーナーミュージック」の3大メジャーとなっている。CDが売れないと言われるようになったこの10年強の間に、各社は経営の合理化と不採算部門の清算に追われ、身売りと買収が繰り返された結果、メジャーレーベルの数は半数となったのだ。

 現在の3大メジャーに目を向けてみよう。ソニーミュージックは2004年にBMGと合併、ソニーBMGとしてソニーグループとベルテルスマングループが50%ずつ出資することで発足したが、2008年にソニーグループがベルテルスマン側の持ち分を取得することで合意。ソニーグループの完全子会社となった翌年、社名をソニーミュージックに変更している。ユニバーサルミュージックは2006年にフランスのメディア企業であるビベンディが松下電器産業から所有する株式のすべてを買い取り完全子会社化。 ワーナーミュージックは2004年に親会社だったタイムワーナー社が投資家グループに売却しており、2011年にはアメリカの複合企業アクセス・インダストリーズ社による約33億米ドルの買収を受け入れることで合意した。このように残った3大メジャーにしても、その資本は目まぐるしく変化してきている。

 昨年にはソフトバンクによるユニバーサルの買収話が話題となった。イギリスのフィナンシャル・タイムズによれば、ソフトバンクが85億ドルでユニバーサルミュージックの買収を提示したが、親会社であるビベンディの取締役会はこの打診を拒否。しかし「ビベンディ社は株価低迷や携帯電話市場での苦境を背景に事業構成の見直しを進めており、ユニバーサルミュージックの売却案も以前から水面下で取り沙汰されていた模様」だと報じられている。ユニバーサルミュージックに限らず、今後も資本が移り変わる可能性は大いに考えられる。

 親会社をもつ各社にとって上記のようなリスクは常につきまとう。ビベンディのように他の事業の不調から身売り話が出てくることもあれば、音楽事業自体が親会社にとって魅力のないものに映る可能性もある。上場企業であるワーナーミュージックと非上場の他2社とは事情がやや異なるが、各社とも利益を上げて企業価値を高めることが求められており、裏を返せば経営の足かせとなったときは手放される可能性もあるのだ。

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