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LAMP IN TERREN、きのこ帝国、トリプルファイヤー……2015年、期待のバンドまとめ

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LAMP IN TERREN

【リアルサウンドより】

 4つ打ちのロックを筆頭に、さまざまなバンドが元気だったここ数年。CDのセールス不況の話もいい加減に聞き飽きたが、ライヴ・シーンは相変わらず活況を呈しており、新しいバンドが次々に登場している。今回は昨年までの動きを加味しながら、2015年に大きな活躍を期待したいバンドたちを紹介しようと思う。

LAMP IN TERREN

LAMP IN TERREN「緑閃光」Music Video

 このトリオの魅力は、ヴォーカル&ギターの松本 大が書く曲の文学性と、それを昇華するバンド・サウンドとの融合にある。メジャー初アルバムの『silver lining』には彼らにとっては古い曲が多く、そのぶん、10代の頃の松本の気持ちが垣間見える。当時、学校生活になじめなかった彼の歌には、どこか自分の居場所を求めていたり、自分の行く道を探しているかのような描写が多い。ただ、そんな混沌の中でも、なんとか光を見つけようという思いがバンド名にも作中にもうかがえる。リード曲の「緑閃光」は、そんな魅力が集約されたナンバーだ。

 2011年に現編成となり、翌2012年にバンド名を今のものに決定。ただしバンドの母体はメンバーが上京するはるか以前、長崎県での中学時代の2007年に結成されており、3人とも同学年である。お互いをよく知るだけに、心の絆は固そうだ。

 あくまで松本の歌が中心の、オーソドックスなギター・バンドである。その意味では決してエッジーな音楽性ではないが、このバンドの歌心には多くの人々が心を震わせられるような予感を覚える。また、僕が年末に観たワンマンライヴでは、松本がオーディエンスに向かって「アゲられますか!?」と煽ったと思いきや、すぐに「……そんなバンドじゃないけどね」と自分にツッコむ場面があった。こういうひと筋縄ではいかないところも、このバンドらしさのように感じる。

きのこ帝国

きのこ帝国 – 東京 (MV)

 昨年はとくに進境著しく、バンド・シーンにおいて一気に最注目の存在にのし上がった感があるのがきのこ帝国だ。ファンや関係者の間で名曲の誉れが高かった「東京」を1曲のみ収録のシングルとして5000枚限定リリースすると、各所で品切れが続出し、追加プレスが出る事態に。それに続いて登場した2枚目のフルアルバム『フェイクワールドワンダーランド』は、やわらかで透明な声質を持つ佐藤のヴォーカルの魅力と、バリエーションを見せるサウンドが結晶した一作となった。

 2008年からライヴ活動を始めたきのこ帝国は、当初はシューゲイザー系のバンドと認識されていた。この初期の頃は佐藤個人がネガティヴな心情を書き綴った曲が目立っており、僕が2010年にライヴを初体験した時は、暗い照明の下で彼女が涙を流しながら叫び、バンドはそれに壮絶な轟音をかぶせていたものだ。沈痛にしてダウナーなその世界観は、過去の作品から感じてもらえるはず。そんな作風が一昨年末のEP『ロンググッドバイ』の頃から確実な変化を見せはじめ、幸福感の漂う表現も出てくるようになった。去年は曲がアパレルブランドのCMに起用されるなど、反響は広がりを見せつつある。

 最新アルバムでは4つ打ちやヒップホップ的なアプローチも見せているが、このバンドが高みに差しかかるのはおそらくこれからだろう。深いネガティヴィティを乗り越えた佐藤の歌声は今、最高に優しく、美しく、心地良く響いてくる。

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