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立浪、今江、松井稼頭央…PL出身監督が総崩れ…過去5人で成功者ゼロ、指導者に不向きな理由

立浪、今江、松井稼頭央…PL出身監督が総崩れ…過去5人で成功者ゼロ、指導者に不向きな理由の画像1
(写真/Getty Imagesより)

 スポーツ選手を出身校で語られたら、当人や関係者は迷惑かもしれないが、これだけ成功例が少ないと、やはり“適性”というものはあるのかもしれない。今シーズンのプロ野球は、中日・立浪和義、西武・松井稼頭央、楽天・今江敏晃と、PL出身の監督が3人もいたが、いずれも成績は冴えず、松井監督は先日、休養を発表。名門の名が泣いている。

「立浪、松井、今江の3人とも現役時代の実績はピカイチ。仲間の信頼は厚く、リーダーシップもあり、大いに期待されて監督になりましたが、現時点では3人とも合格点には程遠い成績しかあげられていません。立浪は2022年に監督に就任しましたが、2年連続最下位に終わり、これは球団史上初。今季は序盤に首位に立ち、汚名返上かと思いきやズルズルと負けが込み、現在は4位です(6月3日現在)。昨年から監督になった松井は、GW明けには早々に優勝争いから脱落して5位に終わり、今季は大きく負け越して、2年契約満了を待たずに事実上のクビに。今江は監督1年目ですが、5月の段階で首位から10ゲーム以上も離され、5月21日のソフトバンク戦では21対0で敗れる屈辱も味わいました」(週刊誌スポーツ担当記者)

 スポーツの世界は勝つ者がいれば負ける者もいるのが常。もちろん、ここから巻き返す可能性は十分にあるが、彼らの先輩を見ても、監督として成功した者はいない。

「PL出身監督は、立浪、松井、今江の他に尾花高夫(横浜 2010~2011)、平石洋介(楽天 2018~2019、※2018年はシーズン途中からの監督代行)がいますが、尾花は2年連続最下位、平石は1年目が最下位、2年目は3位でしたが契約満了で退任。いずれも寂しい結果に終わっています。2軍監督まで範囲を広げても、厳しい結果になっています。近年でいうと、片岡篤史(中日 2022~2023)、サブロー(ロッテ 2023~)、桑田真澄(巨人 2024~)らが2軍監督をやっていますが、片岡は2年連続最下位、サブローは昨年最下位、桑田は現在5位と、いずれも低迷。ファームは勝敗にそれほどこだわらないとはいえ、片岡もサブローも勝率は3割台で、ちょっと負けすぎです」(同上)

 これだけの人数がいて、1軍だけでなく2軍でもダメとなると、いよいよ「PL出身は指導者には……」という声が出ても不思議ではない。PLは、これまで登場した5人の他に清原和博、宮本慎也、今岡真訪、福留孝介、前田健太などが卒業した高校野球の超名門校。甲子園で春夏あわせて7回も優勝を飾り、プロ野球選手が100人近く輩出していて、実績は申し分ない。それなのになぜ監督としてはダメなのか? ベテラン野球ライターは、その理由をこう推測する。

「PL出身監督の共通点は、彼らが極めつきの野球エリートだということです。PL全盛期の1980年代から90年代、スカウティングは全国に及び、入部が許されたのは全国各地の天才野球少年ばかり。その中でレギュラー争いを勝ち抜き、プロでも成功して監督までたどり着いた人間は、野球に関して挫折を知りません。監督という立場になり、“何でこんな簡単なことができないの?”という思いを抱えているに違いありません。また、PL時代の異常に厳しい寮生活の経験も、監督で上手く行かない一因かもしれません。PL野球部はとにかく厳しいことで知られ、清原和博は『1億円もらっても1年生には戻りたくない』と言ったほど。PLのOBがバラエティ番組で語る『先輩には“はい”と“いいえ”以外、許されない』『目覚まし時計の鐘が鳴る前に起きなくてはいけない』といったエピソードを耳にしたことがあるでしょう。絶対的な上下関係で育った彼らでも、今やそんなやり方が許されないのは百も承知ですが、若手選手とのコミュニケーションに苦労しているように見えます。立浪は厳しすぎてベンチから笑顔が消え、選手が萎縮しているように感じますし、松井は優しすぎてベンチから緊張感が失われました。根っこまでしみついた“先輩には絶対服従”という感覚とどう向き合うかが、指導者としての成功のカギでしょう」

 今やPL野球部は廃部となったが、“PL魂”を見せられるか。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2024/06/04 12:00
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