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ONE OK ROCKが新作で越えた“2つの壁” 世界水準のサウンドはシーンに何をもたらすか?

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【リアルサウンドより】

 ONE OK ROCKの新アルバム『35xxxv』が2月11日にリリースされ、10日付のオリコンデイリーチャートで78,971枚のセールスを記録して1位を獲得。前作『人生×僕=』のセールス45,814枚を大きく上回り、同バンドへの支持が拡大していることを裏付けた。
(参考:http://www.oricon.co.jp/rank/ja/d/2015-02-10/

 同作は、ONE OK ROCKが海外志向のサウンドを実現するために、アメリカ・ロサンゼルスを拠点として、全編に渡って現地のスタジオでレコーディングが行われたアルバム。前作に引き続きTHE USEDやPANIC! AT THE DISCOを手掛けているジョン・フェルドマンをはじめ、複数の著名プロデューサーを迎える一方、ミキシングエンジニアにはGreen Day、U2、Pink、My Chemical Romanceを担当してきたクリス・ロード・アルジなどを迎えて制作。世界進出を見据えた骨太なロック作品に仕上がっている。

 2014年にはワールドツアー『ONE OK ROCK 2013 “Who are you ??Who are you ??”TOUR』を行うなど、海外展開も積極的に行ってきた同バンドが、支持を拡大してきた理由とはなにか。音楽ジャーナリストの宇野維正氏に、彼らの音楽性と、その活躍について話を聞いた。

「近年、アメリカにおいてロックはメインストリームの音楽ではなくなってきていて、ロックバンドがストレートにロックを鳴らしても、それが大きな支持を得るような時代ではありません。また、日本においてロックは独自の進化を遂げていて、必ずしも本物志向の作品が売れるとはいえない状況です。そうした中でこの作品は、“2つの壁”を同時に越えたと言えるでしょう。まずひとつは、日本のポップミュージックシーンの壁。彼らが日本の音楽シーンからワールドスタンダードなロックを鳴らすようになったことは驚くべきことで、しかも単に古いロックを踏襲したものではなく、現代のアメリカに適応したサウンドを鳴らしています。それが顕著に表れているのがSleeping with SirensのKellin Quinnをゲストボーカルに迎えた『Paper Planes』で、曲単体で一聴しただけでは、誰も彼らの音だと判別がつかないくらいのポップ・ロックに仕上がっています。手探りではありつつも、躊躇なく古いものと新しいものを同時に取り入れている姿勢に感心しました。

 もうひとつは、アメリカのポップミュージックシーンの壁。アメリカではすでにメインストリームではなくなったロックを、多くの人に届けるためにはどうしたらいいかというところまで考えて、ONE OK ROCKは今作を制作したのでしょう。実際、彼らのサウンドは海外でも支持を拡げています。前作『人生×僕=』でもサウンド面では世界水準に近づいていましたが、今作を聴いて、そのアティチュードの本気さに改めて気づかされた人も多いのではないでしょうか」

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