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怒髪天はなぜいつも“想像の斜め上”を行くのか? 主催&出演イベントから独自スタンスを考察

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【リアルサウンドより】

 今の日本の音楽シーンにおいて、怒髪天ほど異彩を放っているバンドはいないのではないだろうか。“JAPANESE R&E(リズム&演歌)”を称する音楽のみならず、発言もやることも他のバンドとは一味違う。想像の斜め上を行っているのである。そんなつかみどころのない存在を象徴するイベントが2週続けてあった。初夏にふさわしく汗ばむ陽気の5月の日曜日、暑苦しくもゆるいおっさんたちのお祭りである。

2015年5月17日〈大怒髪展 2015 “歌の歓楽街”〉

 昨年春、タワーレコード渋谷店で行われた展示会は続編として今回、渋谷TSUTAYA O-EAST&TSUTAYA O-WESTでの2会場を使い、“ライブ+α”のイベントへと規模が拡大された。さまざまな趣向が盛り込まれた、なんでもありの内容は元より、オフィシャルサイトにて事前にアップされたchan-saka(坂詰克彦)直筆のタイムテーブル。手作り感満載の香りにイヤな予感しかしない… もちろん、期待を込めた良い意味でだ。

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 会場には〈大怒髪展〉ののぼりと大きな垂れ幕。よく見ると、去年使用したものに、先頃リリースされたコンピレーションアルバム『怒髪天 酒唄傑作選 ~オヤジだョ! 全員酒豪~』ポスターが文字を隠すように貼られているだけような… 。O-EAST 2Fには写真展『石井麻木の怒髪展』、過去から現在に至るまでの貴重な写真が飾られている。本来なら「あの頃は〜」なんて、いろいろと思い出すものだが、今とほとんど変わってないその姿に、ブレない一途なバンドの生き様を感じる。

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 O-EASTのサブステージ“煎茶ステージ”に揃いのオーバーオール姿で登場した“怒髪天アコースティックサービス”でイベントはスタート。3年B組宿六先生、水戸黄門、北島三郎…、小ネタとモノマネをしっかり挟み込んでくるのはさすがとしか言いようがない。どこかアクの強さが目立つバンドではあるが、個々の演奏技術とアンサンブル、音楽的な引き出しの多さを実感。祭囃子からランバダまで、笑いを誘いながらも、聴かせる要素はしっかりと。ごまかしの効かないアコースティック編成だからこそ知ることの多い、バンドとしてのレベルの高さである。

 その後、休む暇なくフル稼働のメンバー。増子直純はO-EASTのGEEEN BAR“花林糖広場”で名古屋の名店・ユウゼンの名物「あんかけスパゲティ」の実演販売を。O-WESTの“マカロンステージ”ではアコースティックな弾き語りを主体としたライブ。清水泰次は、松原浩三(MILK&WATER)とのユニット“グリーンハイツ”で休日昼下がりの公園を思わせるゆったりまったりの歌を聴かせる。上原子友康は、上田建司とのユニット“MOIL&POLOSSA”、NAOKI(SA)と佐藤タイジ(THEATRE BROOK)とともに“フォークソング部”として出演。そして坂詰克彦は、菅波栄純(THE BACK HORN)を聞き手に迎え、コヤマシュウ(SCOOBIE DO)曰く、“甘噛み”な、答えになっていない人生相談を。かと思えば、EAST 2Fフロア、日も傾く夕暮れをバックにギターで熱唱。客側からは逆光でほとんど見えなかったのは、演出だったのか予想外だったのか…。どちらにせよ、いろいろ“持ってる”人である。弾き語りは申し分なく、中年男の歌としてグっとくるものがあった。メンバー各自がやりたいことをやりたいようにやる、これぞ怒髪天らしい、なんでもありのゆるい内容だ。

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