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「対岸の火事ではない!」パリ同時多発テロ、ISの脅威迫る韓国のメディアはどう報じた?

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 パリ市内およびその近郊で起きたISによる同時多発テロ。銃乱射や自爆により、14日夜の時点で132人が死亡、349人が負傷する大惨事となった。その被害者のほぼ全員が無辜の市民であり、フランス国内だけではなく、国際社会でもテロに対する非難の声が高まっている。

 韓国社会も大きな衝撃を受けているようだ。FacebookなどSNS上では、フランス国民に哀悼の意を表すために、自らの写真にトリコロールの透かし画像を重ねる国民が散見される。また、メディア各紙社説の報道スタンスも見逃せない。保守、進歩、右派、左派など、本来であれば論調がかみ合わない韓国メディアだが、今回のテロ事件については意見がほぼ一致している。

 保守メディアである中央日報、東亜日報、朝鮮日報はそれぞれ、日ごとに増大するISの脅威に言及。米国の同盟国である韓国も決して無関係ではいられず、政府が主導して対応に乗り出さなければならないと強調した。一方、国内では進歩派および左派メディアとして知られるハンギョレ新聞、京郷新聞も、今回のテロ事件の残虐性を指摘。特にハンギョレ新聞は、2015年1月にフランスで風刺週刊新聞「シャルリー・エブド」が襲撃された事件とは、市民が直接の標的となったという意味で「次元が異なる」とし、「フランス版9.11テロと呼べるものだ」と痛烈に批判した。各紙でテロに対して取るべきだとする対応については意見の相違があるものの、ISのテロ攻撃が国際社会に対する未曾有の脅威であるという認識や、何かしらの対応を早急に取るべきという点は一致している。

 なぜ、あまり交わることのない韓国メディアの論調が、ここまで似通ったものになるのだろうか? おそらく、韓国では今回のテロが“対岸の火事”ではないという認識が強いからだと思われる。

 去る10月、韓国では大量殺人が可能な爆弾の原料を持ち出そうとしたとして、ISの協力者である外国人5名が摘発される事件が起きている。また同月には、ISと連携を取っていたとされる関連組織が、SNS上でテロ予告を出した。爆破予告が出されたのは、韓国有数の歓楽街・江南にある高層ビルCOEX付近だ。当時、国内は騒然となり、警察や公安が出動するなど厳戒態勢が敷かれた(参照記事)。
 
 今回のテロ事件を受けて、朴槿恵大統領は「国際社会のテロ撲滅の努力に、積極的に賛同していく」との声明を発表している。今後、韓国社会がテロにどう向き合っていくのか――。隣国の反応は決して無視できるものではなく、日本でも注視する必要がありそうだ。
(取材・文=河鐘基)

最終更新:2016/01/25 18:55
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