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山田裕貴が明かす、役者としての決意とこれから「僕は仕事に対して欲望の塊」

【リアルサウンドより】

 2015年に公開された映画『闇金ドッグス』の続編『闇金ドッグス2』が現在公開中だ。ヤンキーアクション映画『ガチバン』シリーズに登場した安藤忠臣を主人公に、裏社会で生きる人間たちを描いた『闇金ドッグス』シリーズ。『闇金ドッグス2』では、ヤクザから闇金業者に転身した安藤忠臣が、債務者の岡林に200万円を融資したことから、トラブルに巻き込まれる模様が描かれる。リアルサウンド映画部では、『闇金ドッグス』に続き、『闇金ドッグス2』で主人公の安藤忠臣を演じ、5月21日に公開される『闇金ドッグス3』にも出演している、山田裕貴にインタビュー。岡林役を演じた黒田大輔との共演秘話や、役者としての思いを語ってもらった。

「より役に入り込めるようになったし、余裕を持てるようになった」

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(c)2016「闇金ドッグス2&3」製作委員会

ーー前作から1年も経たずに続編が決まりました。最初に話を聞いた時、どう思いましたか?

山田:安藤忠臣という役は、去年の『闇金ドッグス』はもちろん、『ガチバン』シリーズでも演じてきた役で、『闇金ドッグス3』を含めると、5回も演じたことになるんです。『闇金ドッグス』は、忠臣がヤクザをやめて闇金の世界で生きていくことになるまでの話で、個人的にはエピソードゼロのように感じていたこともあり、僕も続きがあればすごくいいなと思っていたんです。でも自分が主演の映画がシリーズ化されて2や3ができるなんて、願ってはいましたけど、まさか本当に叶うとは思っていませんでした。なので、「2と3」をやりますと聞いた時は、本当に嬉しかったですね。

ーー同じ役柄を5回も演じるなんて、なかなか経験できることではないですもんね。

山田:そうですね。本当に貴重な経験をさせてもらっているなと思います。僕は自分が演じる役柄をキャラクターとして捉えるのがすごく嫌で、いつも人間味を持たせることに力を入れているんですけど、前作では、忠臣像を固めすぎてしまったところがあって、深く切り込んでいけていなかったなと感じています。

ーーというと?

山田:ヤクザの下っ端から兄貴を撃って組長になったものの、周りのヤクザからいろいろ仕掛けられて、結果的にヤクザをやめざるを得なくなってしまう。そこから途方に暮れて闇金になるという、忠臣にはすごいドラマがあります。そのバックグラウンドを大事にしすぎた部分があったんですよね。でも、人間ってもっと変わるよなと思って。その日に見たことや感じたことによって、考えが変わることもある。そう考えたら、あまり自分の中で決めつけないほうがいいなと思ったんです。だから、2と3では、“忠臣がこうだから”とかじゃなくて、人間だったらどうだろう、自分だったらどうだろう、というところまで掘り下げて、自分が出せる感覚を忠臣に投影していきました。その結果、いろいろな表現ができたと思うので、そういう意味では、忠臣の魅力もすごく広がったと思います。それは1と比べた時の大きな変化なので、1を観た人はより楽しんでもらえると思いますし、2から観る人には、じゃあ1はどうだったのか、それこそ『ガチバン』まで遡ってもらって、過去はどうだったのかを観比べてみていただきたいですね。

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(c)2016「闇金ドッグス2&3」製作委員会

ーー『闇金ドッグス』と『闇金ドッグス2』『闇金ドッグス3』の間には山田さん自身にも大きな変化があったと。

山田:より役に入り込めるようになりましたし、余裕を持てるようになりました。いい意味で力を抜いてやれるようになったのは、成長した部分かもしれないですね。今回の現場では、カメラが回っていない時でも、僕自身、周りの人たちに口が悪くなってしまうこともあって。でもそれも、忠臣を演じる上で必要なことでもあると思うんですよ。役に入り込もうとして入り込むのではなく、“忠臣になる”ことがしっかりできたので、自分でもその点は成長を実感しましたね。

ーー岡林役の黒田大輔さんとの掛け合いのシーンは非常に迫力がありました。黒田さんとは今回が初共演ですよね?

山田:一応、今回が初めてではあるんですけど、6月に公開される『ふきげんな過去』でも共演していますし、その『ふきげんな過去』の前田司郎監督伝いでお互いに知ってはいたんですよ。いつか絶対一緒にやりたいなと思っていたら、今回ご一緒できることになって。だから、岡林役が黒田さんに決まりましたって聞いた時は、「えっ!?」という感じで、非常に嬉しかったですし、実際に共演してみて、すごく楽しかったですね。

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(c)2016「闇金ドッグス2&3」製作委員会

ーー現場ではおふたりで役について話をすることも?

山田:黒田さんがどうやってお芝居を考えていらっしゃるのかを知りたかったので、そういう話をさせていただきましたね。黒田さんは、「役半分、自分半分じゃない?」とおっしゃっていて。もちろん、いろいろな考え方があると思うんですけど、僕はそれを聞いた時に、そのやり方はすごく自分にハマっているんじゃないかと思って、それを意識するようになったんです。役がもっと広がったり、現実味が帯びたり、よりリアルに見せられたりできるようになってきて。セリフをひとつ言うのにも、今までとは全然違う感覚でやれるということを、ここ最近思えるようになってきたんですよね。どう評価をされるかは分からないですけど、今回の作品や、公開が控えている『ふきげんな過去』や『HiGH&LOW』などの作品では、個人的に地に足をつけてやれているなと感じられるようになってきました。

ーー『闇金ドッグス2』では具体的にどのような変化が表れているのでしょうか?

山田:黒田さんとの掛け合いのシーンは、監督の指示ではなく、全部自分の動きでやっているんです。相手が黒田さんということもあって、自然に生まれてくるものがたくさんありました。台本に書いてあることだけを表現するのではなく、その瞬間に生まれてくるものを大事にしたというか。僕はいつも台本は文字だけを覚えて撮影に臨むんです俳優の瑛太さんはト書きを全部消すと聞いたことがあるのですが、それも「なるほど!』と思ったんです。細かいところまで覚えてしまうと、動きが制限されたり、自由じゃなくなる感じがしちゃって。もちろん大事なト書きもあるんですけど、ト書きの“間”を埋めるのが僕らの仕事で、そこにはいろいろな感情の動きや流れがある。ただセリフを言っていればいいというわけではないので、そういうことも含めて、今回は黒田さんをはじめ共演者の方々としっかりできたのではないかと思います。

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山田裕貴

ーー共演者の方々に助けてもらうことも多かった?

山田:そうですね。忠臣が鏡を割るシーンがあるんですけど、そのシーンの動きがどうしてもハマらなくて、自分でもなかなか納得できなかったんですよ。怒りをどこまで出すのかを悩んでしまって。そこで僕がすごく悩んでいるのを察してくれたのか、黒田さんが「あまり出さなくていいよ。抑えて抑えて。心の中だけでグッとやりな」って言ってくださったんです。それがすごく参考になりました。撮影スケジュールもタイトで、そこに時間をかけていられないし、本当に瞬発力でやらなきゃという感じだったので、その黒田さんのアドバイスは本当に助けていただきました。

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