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【messy】

キスは良いけど性行為は無理、な臆病メガネに絶句/『逃げ恥』第7話レビュー

 前回、視聴者全員の願い通り、平匡さん(星野源)がみくり(新垣結衣)の手を握り、予想を遥かに越えたキスをかましたことによって、大フィーバーを巻き起こした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)。長かった一週間。待ちわびた火曜日。しかし。第7話の段階では、まだまだ波乱が起こるのがドラマですよね。

 キスした直後から、それに対する言葉はなく、まるで何事もなかったように振る舞われる毎日に「嬉しかったのにな……」ともやもやするみくり。みくりはあのキスに淡い期待を持ってしまったのです。そりゃそうですよね。

 しかし、「プロの独身とは、発展しない。むしろ発展させない」と念じる平匡さんは、キスした自分は「どうかしていた」「疑似新婚旅行によるハイ、ハネムーンハイ、雇用主として最低の行為、セクハラだ」と頭を抱えます。しかし、平匡さんの回想によると「離れがたくて、通じ合ってる気がして、愛おしくて」キスしてしまったのだとか。もう「愛おしい」って気付いてるのに、必死に気持ちに蓋をしてしまいます。発展させたのは自分なのに!

 そんな中で迎えたハグの日・火曜日には、わざわざカフェで時間を潰してから夜中に帰宅する平匡さん。みくりからハグを要求されても仕方なさそうに、ぞんざいに、キスを後悔しているような対応をしてしまうのです。これにみくりは、心の中で「ずるい」と嘆き、平匡さんは「出来ただろうか、今まで通り、何もなかったように」と不安を抱えるのですが、みくりは「なかったなんて思えるわけないのに」と真逆の思いを抱えています。

 さて。今回の物語は、平匡さんが1カ月前のみくりの誕生日を忘れていたことに気づき、プレゼント探しに奮闘した挙句、“賞与”として現金をあげる、という主軸がありました。でも、そんなことみくりにはどうでも良くて。その晩。平匡さんが自室に戻った際「どうして私にキスしたんですか?」とメールを送ります。キスした理由が気になるみくりに、“何時間も後に”届いた返信メールは謝罪や反省の言葉でした。ビクビクしながらキスしたことを悔やむ平匡さんでしたが、みくりに「一応形式上は恋人なのでアリじゃないでしょうか」と言われ「アリなの!?」と舞い上がりつつも、「これからもよろしくお願いします」なんてみくりにとっては「何を!?」な返事。それでもみくりは、「二回目も待ってます」という言葉を飲み込んで、「こちらこそよろしくお願いします。末永く」と返すのです。その言葉ににやけ倒れる平匡さん。

 その日を境に、お互いにお互いのことが好きだと自認し、ハグの日を楽しむ2人。そのうちみくりは「二度目のキスはないのかしら?」と期待し始め、平匡さんは「キス タイミング」でググっています。そしてみくりは、百合ちゃん(石田ゆり子)との会話をきっかけに、平匡さんがいつも感謝と敬意を示してくれることに気づいたことで、「それは雇用関係だからだろうか。もし一線を越えたらどうなるのだろう」と新たな疑問が。早速、改めてお礼を言い、好きな気持ちを伝えようとするのです。が、どうしても言葉にすることができません。

 そして。平匡さんの肩に、首をピタッとくっつけるのです。これに平匡さんは焦り始めます。というのも。ドラマでは描かれていませんでしたが、実際に監督は「キス タイミング」でググってみたそうで、「女の子が首を傾けた時がサイン」と記載されていたのだとか。もちろん平匡さんもその記事を目にしているハズ! と、このシーンが描かれたのだとか。細かい!!! そして、サインを見逃さなかった平匡さんは、みくりの手を握り、二度目のキス! その後みくりは平匡さんに抱きつき、先週の予告映像にて話題となった「いいですよ、私は。平匡さんとならそういうことしても」の登場です。

 今週の中盤から「ドラマなのにすべて上手く行きすぎだ」とは思っていたんです。落ち着くにはまだ早すぎるし、こんなにあっさりしたハッピーエンドを迎えるドラマじゃないことも、心の奥底では承知していました。

 それでも、みくりのことを抱きしめていたはずの平匡さんが、身体を剥がして「……ごめんなさい。無理です、僕には。そういうことがしたいんじゃありません。すみません」と拒絶し、みくりが「私こそすみませんでした。忘れてください」とキッチンに逃げ込み、震えた手でワイングラスを流しに置くシーンは、見ていて辛いものがありました。その上、みくりは平匡宅を出て、実家に帰ってしまうのです。

 せっかく殻を破って、大きな一歩を踏み出したとしても、「プロの独身」なんて自分に言い訳して逃げる平匡さん。“逃げるは恥だが役に立つ”とはいえ、本音を言ってくれないとわからないことだってあるし、中途半端が一番傷つくんですよね。キスはいいけど“そういうこと”は「無理です」なんて。そんな、平匡さんしかわからないボーダーラインを突き付けられるなんて、いつまでもみくりは平匡さんの気持ちを頑張って汲み取って、自分の思いを飲み込み続けなければいけないのでしょうか。平匡さんを呼びつけて説教したい気持ちを押さえて、絶対に次回も見ます(まんまと)。
(ドラマウォッチ:ナチョス)

最終更新:2016/11/25 07:10
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