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タモリとSMAPの濃密な関係に涙…最後の『SMAP×SMAP』と紅白出場

 SMAP解散まであと10日あまり。冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)も、12月26日の特別版放送で最後だ。実質最終回である通常放送がおこなわれた19日の内容は、タモリ(71)をゲストに招いてのビストロSMAPコーナーがメインだった。90分スペシャルでの放送となった19日の平均視聴率は16.3%と発表されたが、近頃は10%台を切る回も多くなっていただけに、この数字は久しぶりに叩き出した高視聴率であり、注目度の高さが伺えるというものだろう。ちなみに瞬間最高視聴率は午後10時56~57分の18.6%で、タモリが草なぎ剛(42)香取慎吾(39)ペアの料理に舌鼓を打ち、タモリのふん装をした香取がデザートの仕上げをするという場面だった。

 筆者はリアルタイムで同番組を見ていたのだが、やはりタモさんがそこにいるというだけで、この日はスタジオの雰囲気が最初から違ったように思えた。とはいっても、タモさんは特に張り切っていたわけでもなんでもない。いつものごとく飄々と、マイペースに振る舞っていただけのように見えた。だが、コーナーを仕切るMC中居正広(44)は明らかにテンション高く楽しそう(まるでタモさんのそばにいられることが嬉しくて仕方がない、というような)に進行していたし、タモさんとお互い“友達”であることを認め特に親交が深い草なぎ、同じく『笑っていいとも!』レギュラーで長年世話になった香取もどこかリラックスした表情で収録に挑んでいるかのようだった。

 番組内では、これまでのタモさんとSMAPメンバーとの共演シーンを集めたVTRが「タモリ&SMAPヒストリー」として流された。15歳当時の中居と木村拓哉(44)が光GENJIと共に(欠席メンバーの代理として)『MUSIC STATION』(テレビ朝日系)に出演しガチガチに緊張しきっている姿、そして同じく中居と木村が『いいとも』の「テレフォンショッキング」コーナーに初出演した際の姿が、特に筆者には印象深かった。あどけない少年そのものの顔をした二人、まだ幼さの残る屈託のない笑顔で「俺たち、同級生で……」とタモさんに話す木村の楽しげな様子。今年、あらゆるメディアでメンバー間の確執や深い溝を報じられてきた彼らだけに、「あぁ、この頃はまだなんの確執もなかったんだろうな。ふたりで『絶対スターになろうぜ』とか熱く語り合ったりしていたんだろうな」と、不覚にも涙ぐみそうになったほどだ。筆者は特別SMAPを応援してきてはいないし、もちろんファンクラブ会員でもなく、思い入れの強い“推しメン”もいないのに、それでも胸の奥に込み上げるものがあった。30年近くにわたり彼らの成長を近くで見守り続けていたタモさんはこの収録の日、きっと万感の思いがあったことであろう。

 「ビストロSMAP」はメンバーのうち4人が2組に分かれてゲストの要望に沿った料理を提供し、どちらがより美味しかったかゲストが勝者をジャッジするというルールだが、最後の判定はSMAPと長く濃いつきあいを続けていたタモさんらしいものであった。この日のテーマである「タモリさんに食べさせたい料理」を、稲垣・木村ペアのボリュームあるメニュー(しゃぶしゃぶ鍋に、油そば&羽つき餃子!)も、草なぎ・香取ペアの控えめなメニュー(さば寿司にさば蕎麦、デザート)もモリモリ食べていたタモさん。中居に判定を求められると「最終回だから判定はいいでしょう」「どちらもおいしかった」とし、5人全員に「長い間ごくろうさまでした」と星形のペーパーウェイト(おそらくバカラのザンザンスター、ネット上では早くも売り切れ続出の気配だ)をプレゼントしたのだ。SMAPメンバー5人に、5角形の星型オブジェを贈呈する。タモさんらしいなんとも粋な終わり方ではないか。筆者はまたここでもやや目頭が熱くなってしまった。

 各メンバーとの共演経験がいずれも豊富でプライベートの付き合いもあり(草なぎは初『いいとも』出演から4年後の97年正月にタモリ宅に4泊5日の滞在を許されたほど)、解散騒動が勃発した当初はSMAPがジャニーズ事務所を離脱してタモリ所属の田辺エージェンシーへ移籍するのでは、という話も濃厚だった。今回のラストビストロはその絆の深さを存分に見せつけるものであり、12月31日放送の『第67回NHK紅白歌合戦』にサプライズでSMAPが出場するという、ファンおよびNHKの“悲願”も俄然現実味を帯びてきたといえるかもしれない。

 20日発売の「週刊女性」(主婦と生活社)は、12月7日にNHKが「タモリがゲストとして紅白に出演する」ことを発表したのは、SMAPの出場に関係がある、と報道している。同誌には、出演する・しないと二転三転していたSMAPだが、現在ではメンバーも「ファンがあってのSMAP。最後はファンに向けてちゃんとお別れを言おう。すべてはファンのために」ということで意見が一致している、との芸能関係者のコメントが。ただ、NHKホールで生歌を披露するものではなく「ビデオレターのようなものでファンへのメッセージが流れます。収録か中継かなど、詳しいことはまだ決まってないようです」ともある。

 なんともモヤっとした話だ。紅白に出ると決めたのなら、「ファンにちゃんとお別れを言おう、ファンあってのSMAPだ」と彼らが言うのならば、NHKホールで生のパフォーマンスを見せて有終の美を飾りたいのではないだろうか。たった1曲でいい、25年という長きに渡って活動してきた国民的アイドルグループであるSMAPだ。これまで彼らの歌や踊りに励まされてきた人は世の中に大勢いるはずなのである。もちろん注目度をいっそう高めたいNHK側もそれを望んでいるだろう。しかし認められない、生歌唱は難しいという理由があるのだろうか。

 他方、12月10日放送のレギュラーラジオ『ヤングタウン土曜日』(MBS)では、明石家さんま(61)が「SMAPは紅白に出ないと思う」と私見を述べた。村上ショージ(61)が「ひょっとしたら出てくれるんじゃないかなって」と期待を込め、藤本美貴(31)も「ひょっとしたら、と信じたい」と続けたが、さんまは「一般の人はせやな。でも、俺は……ないと思うな、もう」と諦めのトーンであった。タモリとは異なる形で、SMAPメンバーたちと交流を持っていたさんまは紅白出場に否定的だが、果たしてSMAPは最後にどう動くのか。最後の最後、大晦日まで気になってしまう。

(エリザベス松本)

最終更新:2016/12/21 07:10
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