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【おたぽる】

ワキ毛×青春の短編アニメ『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督&上田眞一郎PDインタビュー!

■思春期と毛フェチの繊細な融合をフラッシュアニメで描く

ワキ毛×青春の短編アニメ『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督&上田眞一郎PDインタビュー!の画像1(C) PANPOKOPINA

 ワキ毛を見ると妙にときめいてしまう中学生・ゆいちゃんの恋を描いた青春短編フラッシュアニメーション映画『こんぷれっくす×コンプレックス』が、アニメファンのみならず幅広い層を巻き込みながら、じわじわと、そして確実に話題になり始めている。

 今年2月に東京・下北沢トリウッドで劇場公開されるや日を追うごとに集客数が増していき、2週間上映の予定を1週間延長。その後も再上映を望む声が高まり、4月15日より早くも同館にて1週間アンコール上映。また5月20日からは大阪・第七藝術劇場での上映も決定した。

 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016アニメ部門グランプリをはじめ、数々の映画賞を受賞している本作、ふくだみゆき監督と上田慎一郎プロデューサーにお話をうかがってきた。
 実はお二方、二人三脚で映画製作を続けているご夫婦でもあり、映画の盛況と合わせて現在幸せ真っ盛りなのであった。

――『こんぷれっくす×コンプレックス』のご盛況、まことにおめでとうございます!

ふくだみゆき監督(以下、「ふくだ」) ありがとうございます。いつか劇場公開できればいいねと話しながら作り続けていたのですが、思いのほか順調にいって、びっくりしています。

上田慎一郎プロデューサー(以下、「上田」) 下北沢トリウッドでの初公開の際、口コミで日に日にお客さんが増えていきましたし、またリピーターの方も多くて、ありがたいですね。最高11回見に来てくださった方がいらっしゃいました。

―― そもそもの企画の発端などお聞かせください。

ふくだ もともと私は実写もアニメも監督し続けているのですが、上田の作品を手伝うことも含めてずっと実写の現場が続いていたもので、久々にアニメを作りたいなと思ったときに、アニメでしかできない題材を採り上げたいと。その中で、私自身が毛フェチというか、昔から人のパーツを見るのが好きなんですよ(笑)。じゃあ、思春期と毛フェチをかけ合わせた作品を作ろう! と。

上田 企画を聞いたとき、抵抗とかなく、素直に面白いと思いましたね。

―― 作品を拝見して驚くのが、フラッシュアニメながら、主人公たちの想いなどが繊細に絵で表現されていることです。

上田 実は彼女、全然アニメを見ないんですよ。

ふくだ ジブリとかディズニーとか大きな作品は見ますけど、それ以外はほとんど……。深夜アニメとかも、実は疎いんですよ(笑)。

上田 ですからアニメっぽいテンポとかではなく、邦画のようなアニメを作ろうと言いながら作り始めた記憶がありますね。

ふくだ 本作でもアニメ独特のオーバーな動きではなく、必要最低限のものに留めているのですが、それも普段アニメを見ないからかな? とも思います。

ワキ毛×青春の短編アニメ『こんぷれっくす×コンプレックス』ふくだみゆき監督&上田眞一郎PDインタビュー!の画像2

―― でも、それゆえ新鮮に映えている描出もいっぱいありますね。フラッシュアニメですからさほど絵は動かないけど、目の動きやまばたきなど、実に繊細にこだわってらっしゃいます。ほっぺたがほんのり赤くなるところもいい。

ふくだ(笑)

上田 まあ、ほっぺたはアニメ的かな?(笑) でも、こんなに間があるアニメってそんなにないだろうなとは思いました。まばたきする以外、画も動かなければ台詞もないシーンってかなりありますからね。

―― でも、そこが面白いというか、一方でそういった描写が観客に受け入れられる時代になってきたとも言えますね。

ふくだ 実は大学時代に自作アニメの上映会をやったとき「ここまで動かないのなら、アニメにする必要あるの?」とのコメントをいただいたことがありました(笑)。アニメ慣れしている人からすれば物足りないところもあるのかなと当時は思っていたんですけど、今回そこが逆に受けて、本当に良かったと思っています。

上田 またお客さんたちの声を聞きますと、声だけで画面にはほとんど出てこないお父さんやお母さんたちの存在がリアルといいますか、そのことで逆に自分の親のことを思い出したと。お客さんのほうでどんどん埋めていただけているので、より豊かに感じられてくださっているみたいですね。

ふくだ もともと全体像よりも表情を描くほうが好きで、そうすると無意識の中で目とかにこだわってしまうんだろうなとは思います。主演のふたりをはじめとする声優さんの存在も大きかったですね。ゆいちゃん役の林奏絵ちゃんも武尾君役の上妻成吾くんもオーディションで選びましたが、ふたりとも本当に実存感がありましたので、見るたびにキャラクターが愛おしくなる。その力は、あのキャスティングにあったと思っています。

上田 オーディションには250名くらいの応募があって、中には上手いプロの声優さんもいっぱいいらっしゃったのですが……。

ふくだ 今回そういう方はこの映画に似合わないかなと思ったんです。それよりもぎこちなさというか不安定さが残り、同じことができないような、そんなふたりを選んだんです。また私はアニメの場合、プレスコでしか作品を作ったことがなくて、アニメをあまり知らない分、自分で間合いを決めるのが怖いところがあるんです。ですから、そこは役者さんの間合いに合わせていった方が自然と上手くいく感じがしていますね。また収録中、台詞がかぶったり噛んだりしたところも、積極的に採り入れました。

上田 作画も彼らに似せて描いている部分もありますので、その分ウソがないのかもしれません。

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