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【messy】

老後が不安なのに、お金が貯まらない? そんなあなたにオススメしたい「iDeCo」の超基本を解説!

こんにちは!ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

突然ですが、「iDeCo(イデコ)」って聞いたことありますか? 聞いたことない? じゃあ「DC」はいかがですか? これらはいずれも老後のお金を準備する上で最強の制度と言える「確定拠出年金」のことです。もともと、アメリカで成功した制度で、日本でも2001年にスタートしました。DC(Defined Contribution Plan)と呼ばれ、会社が主に退職金としてお金を積み立ててくれる企業型DCと、自分で申し込んで老後のために積み立てる個人型DCがありました。

でも、個人型があまりにも普及しなかったためか、昨年愛称を募集して「iDeCo」に変更されます。これをきっかけに業界では、空前のiDeCoブームです。本もたくさん出版されています。老後のお金を不安に思う日本中の大人に一挙に普及した……らよかったのですが、意識の高い人はどんどん加入していても、もっとも検討してほしい老後が心配なタイプの方は「iDeCo? 何それ状態」だったりします。

今回は、自営業者や小さい会社の方、非正規雇用や転職を繰り返している方など、退職金に期待できない方を意識して確定拠出年金の個人型=iDeCoの超基本を解説していきます。

老後のために5000円から積み立てよう!

この制度はざっくりいうと、毎月お金を積み立てて、老後になったらそのお金+αを受け取るというものです。

まず老後に向けて最低5000円から毎月積み立てをしていきます。このお金を「掛金」と言います。上限額は仕事によって違うのですが、まずは最低額の5000円でもやらないよりはマシです。残高不足の場合は引かれることもありませんし、効力がなくなるなどのペナルティもありません。もう少し積み立てられそうな場合は、あとから額を増やすこともできます。

その掛金を使って自分で選んだ金融商品に積み立てていきます。「定期預金」など堅実なものもありますし、投資に挑戦するなら「投資信託」という選択肢もあります。あるいは定期預金90%、投資信託10%に掛金を割り振るといった組み合わせも自由にできます。掛金5000円でこの組み合わせなら、毎月4500で定期預金、毎月500円で投資信託ということになりますね。

こうして毎月、60歳まで積み立てていきます。定期預金などはひたすら積み上がっていきますし、投資信託は時に儲かったり損したりの上げ下げを毎日繰り返しながら積み上がっていきます。

そして、60歳から70歳の老後に受け取るという仕組みです。よく「60歳まで受け取れないの?」と聞かれるのですが、答えはYES! すると、急に躊躇する方がいます。「何かあったときに使えないのは困る」とのことですが、「何か」の代表例である重い障害状態になった時は60歳前でも受け取れます。また、亡くなった時も60歳前であっても遺された家族にお金が入ります。

さて、ここで質問です。障害、死亡以外の「何か」って何ですか? 失業? 極度の金欠? 海外移住? 家族の病気? 確かに人生いろいろあるでしょう。でも、断言します! 人生いろいろあるけど、死なない限り老後はやってきます。そう考えると、60歳まで受け取ることはできないのは、むしろメリットではありませんか? 「お金が貯まらない」と口にする人は多いですが、なぜ貯まらないのかといえば、ズバリ使うから。であれば、本当にお金を貯めたかったら気軽に使えないようにするしかありません。今や、人生は90年、100年であることをお忘れなく。

注意点は、掛金を無理し過ぎて、借金で生活するようではおマヌケ過ぎですから、5000円以上から慎重に決めましょう。

税金、払いたいですか? 2つの節税が同時にできる

老後のお金の準備が目的であれば、私はこの制度より良いものを知りません。そこまで言い切る大きな理由は税金(所得税と住民税)が安くなるからです。国が認める節税制度と言っていいでしょう。税金のお得額の概算例を表で紹介します。

●年収400万円30歳独身会社員の場合

graph01

●年収600万円30歳独身会社員の場合

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これから消費税アップ、物価上昇などが考えられます。そんな中、給料アップは期待できません。こういったところでお得をいただきながら、老後に向けて積み立てをするのは魅力的だと思いませんか?

また、利息や儲けが出ている場合にも、さらなる税金メリットがあります。もしも、それらの儲けがiDeCoによるものでなければ、原則として利息や儲けから20.315%の税金が差し引かれてしまうのですが、iDeCoならかからないのです。ですから、この制度ではできるだけ儲けを出すとお得度はアップします。私は、このお得を狙っていきたいので、iDeCoでは堅い定期預金などではなく、儲けたときのお得度が大きい投資信託で積み立てて、途中で換金できる別の制度で手堅いもので貯めるようにしています。

税金メリットをまとめると、1つ目は「積み立てることによるメリット」。2つ目は「儲けたことによるメリット」です。

行動しなきゃ意味がない

具体的な手続きも簡単に記載しておきますね。この制度は法律もあり、国で認めている制度ですが、実際の運営は民間の金融機関がやっています。まずは金融機関からネットで資料を取り寄せます。その金融機関の口座を持っていてもいなくても、ほぼ関係ないので、「(金融機関名) iDeCo」のワードで検索して資料請求の指示に従ってください。入力項目でつまずいたらコールセンターを利用しましょう。この制度の場合、金融機関の窓口ではなく、メインはWebとコールセンターです。窓口で質問するのは、現段階ではオススメしません。

あらゆる銀行、証券会社、保険会社などで申し込みは可能ですが、手数料が違います。今は「SBI証券」「楽天証券」の手数料が魅力的なので、人気があるようです。Webやコールセンターのサービスが劣る面もありますが、実際に私もかなり以前からSBI証券でやっています。

書類は昔風の面倒くさいものが届きますが、コールセンターを活用するなどして乗り切ってください。会社員の方は会社の印鑑をもらう必要があり、面倒に思う方もいるようですが、おかしな制度ではなく、会社にもこの印鑑を押す義務があるので大丈夫です。くじけず頑張りましょう。

商品選びに関してつまずく人も多いです。コールセンターではオススメ商品は教えてもらえないのですが、「一般的に値動きが大きいものは? 中くらいのものは?」などの質問には答えてもらえる場合も多いようです。また、スマホアプリ「FUND ME」で、質問に答えるとオススメの比率を作ってくれるサービスもあります。私は相談業務もやっているのですが、メッシー読者の皆さんの相談にはのったことはありません。もちろん、依頼があれば有料ではありますがスカイプでも対面でも相談にのりますから、ぜひご依頼ください。

ここまで、仕組みとメリット、簡単な手続きについて書いてきましたが、いちばん大切なことは実際に行動することです。お金の不安といえば、いろんな調査で常に上位に入るのは「老後」。何もしなければ、この不安がずっと付きまとってくることになるのです。最後の手続きの壁まで何とかたどり着いて、乗り越えてほしいと願っています。

最終更新:2017/06/06 07:10
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