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医学部OBらの集団準強姦 被告人質問で主犯格が語った「ゲーム」という名の性暴力

 東邦大学医学部OBの研修医らによる一連の集団準強姦事件で、船橋中央病院の元研修医、上西(かみにし)崇被告(32)の第5回公判が7月18日に、さいたま地裁で開かれた。

 一連の事件の第一報は今年2月。

▼昏睡少女に集団で性的暴行の疑い、医師ら3人逮捕(朝日新聞)

 昨年4月30日に東京・大田区においてほか2名と昏睡した少女に性的暴行を加えたという逮捕容疑である。このときすでに上西被告は昨年7月と9月に自身が起こした別の準強姦事件について逮捕起訴され、さいたま地裁において公判中の身であった。

 また一連の事件のうち、昨年6月に発生した準強姦事件について、今月6日、東京地検が不起訴処分としたことも報じられている。

▼集団暴行容疑 医師ら3人を不起訴 東京地検(毎日新聞)

 だが一部は不起訴処分となってはいるが、上西被告に対しては現在、さいたま地裁で4人の女性に対する準強姦罪や準強姦未遂罪で公判が行われている。第2回公判の様子は東スポなどが報じている。本件で一緒に逮捕された、東京慈恵会医科大病院の医師、松岡芳春被告(32)についても6月5日にさいたま地裁で初公判が開かれ、松岡被告は起訴内容を否認している。

▼研修医連続レイプ裁判 主犯格・上西被告のトンデモ手口(東スポ)

▼医師が無罪主張=準強姦罪を否認-さいたま地裁(時事ドットコム)

 今回筆者が傍聴した第5回公判では実父の証人尋問と被告人質問が行われ、(起訴されている)全ての事件について上西被告自身が語った。被害者秘匿措置が取られており、被害女性らはそれぞれAさん、Bさん、Cさん、Dさんとされ、実名などが明かされることはない。

「騒ぐことで孤独感を紛らわせようと」

 全ての事件は、上西被告が借りていた東京・蒲田の賃貸物件で起こった。大学生時代はここに住んでいたが、卒業後は勤務地の近くに引っ越した。しかし部屋は借り続けていたのだという。しかも部屋は自分好みに改装し、テラスでバーベキューができる設備があったり、本棚の裏に隠し部屋まで作られていることがわかった。ちなみに、この賃貸物件の家賃は実父が払い続けていた。

 保釈されスーツ姿の上西被告は証言台の前の椅子に座り、小さい声で語り続ける。この部屋を借りた経緯とそこでの生活を訥々と述べた。

上西被告「2008年、大学生の頃、当時付き合っていた彼女と同棲のために借りましたが別れても住み続けていました。入学しばらくして、元カノのツテでイベサー……入り、遊ぶようになりました。クラブで初対面の女性と付き合ってその日のうちに自分の部屋でセックスしたり、ホテルでセックスしたり、または合コンで知り合った女性と後日家でセックスしたりしていました」

弁護人「そのころ体に何か変化がありましたか?」

上西被告「2011年11月ごろ、全身脱毛症になり、1週間で全身の毛がなくなりました。人に言えない大きな秘密ができて孤立感、無力感を感じました……遊びも、皆で騒ぐことが前よりも楽しく感じ騒ぎたいと思うようになりました。孤独感というのがどうしてもあり、騒ぐことで紛らわせようと」

弁護人「部屋の内装に大きな変化があったのはいつですか?」

上西被告「14年夏頃です。プロジェクターをつけて、スピーカーをつけて雰囲気をよくしました。オシャレな映画館だったり、クラブのような雰囲気にしたかった」

弁護人「なぜあそこまで凝ったんですか?」

上西被告「インテリアが好きだった…凝れば凝るほど、来る人がすごいねとか感想をくれて、僕には喜ばしいことであり、より改装しようと」

 あまりにも出来が良い部屋になったためレンタルルームとして後輩に貸すことも検討していたと上西被告は述べる。実際に後輩が同年のクリスマスに45人を集めてパーティを行う際に部屋を2万円で貸したのだという。だが女性を誘う際に「レンタルルームだ」「レンタルラウンジだ」と言ったことはない、というような主張をなぜか繰り返していた。いずれにしても全身脱毛症が大きなきっかけとなり、皆で騒ぎたいという欲求が強くなり家を改装してそこに人を招くようになったのだ……というのが弁護側の主張のようだ。

 そしてこの部屋で、一連の事件は起こった。時系列としてはBさん、Cさん事件が昨年の8月26〜27日に、Aさん事件が昨年9月中旬、Dさん事件が昨年9月22日。上西被告は全ての被害女性の写真や動画を撮影していた。それぞれの上西被告の言い分は次のようなものである。

・BさんCさん事件

「Cさん綺麗な人だなと、気に入ってもらいたく、饒舌に会話をしました。研修医の話とか…ゲームもしました。Cさんはあまり飲みたがらなかった。Bさんはかなりお酒に強いイメージで、飲んでいました。Bさんは途中まで話し方が普通でテンションも高かったんですが、ある時トイレに行って出てこなくなりました。次にBさんを見たのは私がトイレに入った時…下半身を露出してパンツ、ストッキングをはいていなく、横になり、ワインを吐いたような軽く拭いた後がありました。セックスをしたいと陰茎をつけましたが立たず、セックスはしていません」

「リビングに戻るとCさんがソファベッドで寝始めました。さすがに酔っているなと解放していたら、Cさんの家に送っていこうと…もともと好意があった、セックスしたい気持ちもありました。(中略)家についてCさんは電気をつけてベッドに倒れこみました。無防備な姿を見て動画を撮りました……。その後は気持ちを抑えられずCさんとセックスしました」

・Aさん事件

「昔からの知り合いで六本木でばったり会った時に綺麗になったなと好意を持ちました。セックスしたい気持ちはなくはなかったです。飲み会をしようと誘って部屋へ呼びました(中略)皆が帰ってもAさんは残ると、楽しんでいるのかなと思っていたら、Aさんはトイレに行ってソファベッドに横になり吐きました。Aさんを解放して車で帰ろうと言ったが、そのまま寝ていました。無防備に寝ている姿を見て欲情して、葛藤ありましたがセックスしました…2回……。記録を残したい、と撮影しました」

・Dさん事件

「部屋に着いた時すでに飲み会が始まっていて、雰囲気はあまり良くなく、女の子たちは帰って行きました。別の男(K)が一人女性を連れてきて、それがDさんでした。最初は軽く飲んでいたが途中から機嫌が悪くなりました。Kがかなり失礼なことを言った……もう一人女性がきましたが微妙な雰囲気で、盛り上げようとゲームを始めました。DさんはS(また別の参加者男性)とコンビニに行って、戻ってこなくて、様子を見に行くと踊り場で喋っているところを聞きました(中略)それからDさんはソファベッドに寝ていました。Dさんに気づかれないと思ってセックスしようとしました。まず動画を撮影してその後下半身を露出して覆いかぶさると、Dさんが目を覚まして、やばい怒られると思ったら、Dさんが『外で一回話そう』と言われて階段で話をしました。結局セックスをしていないと話して、Dさんが状況を飲み込めて、やってないならこの話は終わり、と言われて部屋へ戻りました。雰囲気は穏やかになりました」

 これは上西被告の言い分であるので共犯や被害者との言い分はいくらか食い違っているようだ。

「どうして盛り上がるとセックスできると思うんですか?」

 質問者が検察官に替わった。検察官が、淡々と矛盾を突いていく。以下はほんの一部であるがこのようなやり取りが続けられた。

検察官「写真を示します、このときまさにBさんとセックスしようとしていた時ですね。下の方にあなたの足が写っていて、真ん中に陰茎が写っていますがあなたのですか?」

上西被告「はい」

検察官「勃起していない状態なんですか?」

上西被告「はい……」

検察官「Cさんとのセックスは合意の上だったと逮捕直後は言っていましたね。なぜそういうことを言っていたんですか?」

上西被告「正当化しようと…都合の良い考え方をしていました」

検察官「Aさんについて。事前にY(別の男)との間でLINEをやりとりしていますね。『やれるかどうかマジわかんないよ、でもやる系でいくよ』。まず『やれるかどうかマジわかんないよ』とはどういう意味ですか?」

上西被告「合意の上でセックスができるかわからないという意味です」

検察官「では『でもやる系でいくよ』とは?」

上西被告「クラブで口説く雰囲気でを出すということです、音楽もクラブでかかっているようなものをかけて」

検察官「最初の『やれるかどうか』はセックスのことなんですよね。でも『やる系』はセックスではない、そうなんですか?」

上西被告「クラブで口説く雰囲気……」

検察官「Dさんについて。写真にはDさんが下半身裸で両足を開いてあなたがそこに体を入れようとしている状況が写っていますね。覆いかぶさるとDさんが頭を上げて気づいた様子をしたと。あなたはどんな動きをした?」

上西被告「うつ伏せになり、顔を隠しました」

検察官「Dさんはセックスを嫌がると当時のあなたは理解していたんですか?」

上西被告「はい……」

検察官「この4件の事件の期間、あなた交際している人がいましたね」

上西被告「……はい」

検察官「どうして他の女性と?」

上西被告「……………性欲抑えられなかった」

 上西被告は他の男性の友人らとともに、部屋に女性を招いて飲み会をしていたがその際に『ゲーム』をしていたという。負けると男性が「小さなグラスに入った透明なお酒」ウォッカを飲み、女性は赤ワインを飲むというものだ。だが時に、ウォッカの瓶にはただの水を入れていたことも認めている。

 また、弁護人から検察官の質問に対して異議が出た箇所があった。上西被告の『上記以外で逮捕された件』についてだ。

検察官「同じように女性に酒を飲ませてセックスして逮捕されることはなかったですか? それは示談が成立していますか?」

上西被告「………黙秘します」

 裁判官からの質問では、女性の左陪席裁判官が、ものすごい早口で畳み掛けるように質問をぶつけていた。特に『ゲーム』についてである。上西被告はこのゲームについて「ゲームをしたら盛り上がる」という認識を持っていたことを先に語っていたのだが、事前のLINEで「ゲームまで盛り上げて」という記述があった。これについて「ゲームをしたら盛り上がるという認識ではなかったのではないか?」という質問だ。

上西被告「そうですね、またゲームかと思う人もいると思います、ゲームと同時に盛り下がる場合もありますが、参加して楽しい雰囲気ができると思っていました」

左陪席裁判官「またゲームかと思う人もいると思う、と思っていたのにゲームをすれば盛り上がると思っていたんですか!?」

上西被告「そうですね」

左陪席裁判官「どうして盛り上がるとセックスできると思うんですか?」

上西被告「人同士の掛け合い…ある程度会話が生まれて緊張が解けて距離が近づくと当時は信じていました」

左陪席裁判官「何杯もワインを飲ませるんですよね。飲みたくない人にとっては強制的なんじゃないですか?」

上西被告「チェイサーとしての水は渡していました」

左陪席裁判官「中には弱い人もいますよね。Cさんもそうでしたよね。つぶれることぐらいわかるんじゃないですか?」

上西被告「でも…………つぶれるとは…………」

 15時から始まった公判は17時を超えても続き、17時22分にようやく閉廷した。この被告人質問の前に行われた実父の証人尋問によると、一連の事件で支払った示談金は合計で700万円で、それは実父が払っているという。「一生かけて支払います」と上西被告は涙ながらに語っていた。8月に、論告弁論が行われる。

最終更新:2017/07/20 07:15
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