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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.437

安価で高品質のハンバーガー屋が“怪物”に変貌!? マクドナルド創業秘話を映画化『ファウンダー』

安価で高品質のハンバーガー屋が怪物に変貌!? マクドナルド創業秘話を映画化『ファウンダー』の画像1米国経済版“仁義なき戦い”『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』。マイケル・キートンはアンチヒーローがよく似合う。

 あれっ、マクドナルドの創業者はマクドナルドさんじゃないの? 世界最大のファストフードチェーンである「マクドナルド」だが、創業者として正式に記録されているのはチェコ系米国人のレイ・クロック(1902年~1984年)。じゃあ、なんでクロックバーガーって屋号にしなかったのか。そんな素朴な疑問に答えてくれるのが、マイケル・キートン主演の『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』だ。個人経営の片田舎のドライブインが米国を代表する巨大チェーン店へと爆発的に飛躍を遂げた裏事情を、マックシェイクよりももっと濃厚に、テキサスバーガーよりもさらにこってりと描いてみせる。全米ではたびたび延期されながらも今年1月にようやく公開されたが、マクドナルド社はこの映画に関してはノーコメントを貫いている。

 これまでにもマクドナルドを題材にして、ドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』(04)や実録犯罪映画『コンプライアンス 服従の心理』(12)といった映画がつくられてきた。良くも悪くもマクドナルドは、現代の米国社会を象徴する存在となっている。ジョン・リー・ハンコック監督は前作『ウォルト・ディズニーの約束』(13)で、やはり米国文化のシンボリックな存在であるウォルト・ディズニーの横顔に触れたが、本作ではレイ・クロックの半生をかなり辛辣に描いており、米国経済版“仁義なき戦い”とでも称すべき内容となっている。単なる美談ではない、リアルなアメリカンドリームとして楽しませてくれる。

安価で高品質のハンバーガー屋が怪物に変貌!? マクドナルド創業秘話を映画化『ファウンダー』の画像2革新的な営業スタイルを考案したマクドナルド兄弟だったが、レイに軒先を貸したことから母屋まで奪われるはめに。

 孫正義、柳井正が賞讃の言葉を寄せているレイ・クロックの自伝『成功はゴミ箱の中に 億万長者のノート』(プレジデント社)では若い頃から才気溢れる人物であったと語られているが、映画の中で描かれるレイは冴えない中年サラリーマンとして登場する。時代は1954年。レイ(マイケル・キートン)はこれまでピアノ演奏や紙コップのセールスなどをして食いつないできたが、52歳となったこの頃は一度に5本のシェイクが同時に作れるマルチミキサーの販売をしていた。宿泊先のホテルで自己啓発のレコードを毎日聴きながら米国各地を営業して回るも、売れ行きは思わしくない。そんなときカリフォルニアのドライブインから8台ものマルチミキサーの注文が舞い込む。1度に40本のシェイクを作らなくてはいけないドラブインとは一体どんな店なのか。好奇心からレイは車を西海岸へと走らせる。それがレイとマクドナルド兄弟との運命の出逢いだった。

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