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菅野美穂のリアルな育児トークが大きな反響を呼ぶ理由

 10月13日に放送された『A-studio』(TBS系)に菅野美穂(40)がゲスト出演した。

 1992年に中学3年生で芸能界入りをした菅野は、以来ドラマを中心に数々の作品で活躍し、2013年に俳優の堺雅人(44)と結婚、2015年8月に第一子である長男を出産。出産後の菅野は、2016年春クールのドラマ『お迎えデス。』(日本テレビ系)の第一話ゲスト出演で復帰を果たし、同年秋には『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)では主演を務めている。

 そして10月17日スタートの連続ドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)にメインキャストで出演。脚本は宮藤官九郎で、『逃げるは恥だが役に立つ』の金子文紀プロデューサーが演出を担当、主演は小泉今日子(51)だが菅野や満島ひかり(31)など主演級の女性キャストが脇を固める“おばさん監獄エンターテインメント”だ。

 2歳の長男を家庭で育てながら順調に仕事復帰し“育児と仕事の両立”を果たしている印象の強い菅野が、『A-studio』ではそのプライベートについて自由に語っていた。たとえば、車の運転は好きだが子連れ移動は電車・バスが中心であること(運転中に泣かれると平常心が保てそうにないし、子供が乗り物好きだから)、仲良しの坂下千里子(41)やMEGUMI(36)からお下がりの育児グッズを貰ったことなど。

 一方で、子育てが自分の予想通りにはいかなかったことも素直に打ち明けていく。

「こういう仕事を20年以上やっていて、結構タフになったし色々経験したし、お母さんになってもどんとこいだろと、いつか良いお母さんになるために今まで仕事してきたんじゃないかと思ってたんですけど、(お母さんに)なってみたらなんかこう、チャンネルが違うっていうか、もう、全然歯が立たなかった」

「仕事していてキーってなることはあまりないのに、子育てしていると余裕がなさすぎてはぁ~! ってなっちゃう」

「おむつ替えている時に息止めながら、動かないで、動かないでみたいな」

 長時間拘束が当たり前で肉体的にハード、かつ人気は水物で精神的にもシビアといわれる芸能界で20年以上トップの活躍をしている菅野にとっても、育児はこれまでの人生経験を凌駕するようなものであり、歯が立たなかったという話には、同じように育児に奮闘する多くの親が安堵を覚えたのではないだろうか。SNS上では「共感」の声が相次いでいる。

 育児中の人間(とりわけ母親)がその苦悩を表出すると、「(子供を持つのは)自分で決めたことでしょ」「大変だってことをわかって選んだはず」「覚悟が足りない」「子供がかわいそう」など、いわゆる自己責任論で一蹴されることもある。しかし、子供の特徴はそれぞれで、寝ない・食べない・すぐ泣くなど、いわゆる手のかかる赤ちゃんに四六時中神経を使ってぐったりしたり、個人的な時間がまったく持てなくなりしんどく感じたり、孤立してしまうのは、当事者の未熟さゆえのことではないだろう。

 妊娠が判明すると定期検診でコンスタントに病院に通うようになり、自治体からは母子手帳が発行される。病院や自治体では出産・育児を控えた人向けの「両親学級」「プレママ教室」なども開催されているし、育児にまつわる知識や情報を掲載する本や雑誌やネット媒体も数多く存在している(トンデモ情報には注意が必要だが)。周囲に出産・育児経験者がいれば「子育ては本当に大変だよ」という話を聞かされるだろう。おそらく、知識も情報も一切持たない全く無知な状態で育児を始める人はかなり少数派で、多くの女性は(あるいは男性も)、どうやら子供を育てるのはすごく大変なことのようだ、と多少なりともわかった上で、ある程度シミュレーションした上で、育児を始めている。

 しかし、いざ育児が始まると、いくら覚悟を決めていたからといって、肉体的負担や精神的負担が軽減されるわけではないということが、わかってくる(とはいえもちろん、事前知識・準備はあったほうが冷静でいられることが多いのだが)。かくいう私も出産後、数日間の快適な産院生活を経て、いざ自宅での育児を開始したところ、病院ではあんなに気持ちよさそうに眠っていた我が子の泣き声が想像以上にけたたましく、途方に暮れた。何回授乳を繰り返しても眠ってくれず(乳首が痛いし肩や腕も疲れて上がらなくなってくる)、あまりに悲痛に泣き続けるため、子供の生命の危機を感じて産院に電話したこともある。赤ちゃんは泣くもの、と教えられてはいても、目の前の我が子の泣き方が果たして正常なのか異常なのか、自分に判断できる自信がなかった。

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 トーク後半、菅野から「(子育ては、子供が)いくつぐらいまで大変なんですか?」と質問されたMCの笑福亭鶴瓶は「ごめんなさい、私ほんっとにしてなかった……」とカミングアウト。鶴瓶もかつて、妻から子供が泣き止まないと電話を貰って飛んで帰ったことが一度だけあったという。当時を振り返り「俺が帰っても何にもできへんのやけど」と言う鶴瓶に、「でもね、いて下さるだけでもう全然違うんですよね。ひとりでその泣き声を受け止めるのと、誰かが、もちろん旦那さんがいて下さったら、それは違うと思います……」と語る菅野の声には実感がこもっていた。

 子供はかわいいし産んでよかったと思っていても、やっぱり育児は思い通りにいかなくて大変だし、ひとりで子供の世話をする「ワンオペ育児」は心細い。菅野が語ったのは、超個人的でありながら、育児中・育児を通過した多くの人びとが共有可能な「育児あるある」で、彼女のように影響力の強い立場の女性が「実際、こういうものなんですよ」と代弁してくれたことへの感謝が大きな反響につながっているのだろう。

最終更新:2017/10/19 07:15
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