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“復興アイドル”の運営が、600万円を持って消えた……原発被害で壊滅した「風俗店オーナー」をめぐるミステリー

※イメージ画像

 東北の地下アイドルグループを運営する芸能プロの代表、40代男性のA氏が、風俗店の経営に失敗し、行方がわからなくなっているという。これによりグループの活動は宙に浮いたままで、さらにメンバーのひとりは「父がAさんに600万円を貸したまま」と話している。

「CDデビューの資金が足りないということで、昨年12月、塗装業をやっている父が、私のためにお金を出してくれたんです。でも、AさんはCDの制作にまったく着手しないまま消えてしまいました」(同メンバー)

 グループは昨年、福島県内のミスコンで優勝した20代女性を中心に5人組で結成。2011年の大震災の被害がいまだに残る東北を元気づけようと、福島、宮城、岩手の3県を中心にローカルな活動を始めていた。そのプロデューサーがA氏で、別の復興支援プロジェクトに関わっていたことから、イベント出演などと連動させられる東北拠点のアイドル運営に乗り出していたのだという。

「私たちには、本業を『イベントプロデューサー』って言っていましたし、名刺にもそう書いてありましたが、実際には風俗店をやっていたことがわかったんです」(同)

 確かにA氏の本業は風俗店経営で、風俗ライターに聞くと「知っていますよ」と即答した。震災前の歓楽街で、A氏は「成功者」として知られていたという。

「彼は6店舗を持っていて、営業も自分でやるほどマメだったので、一度取材して以降は、よく電話をもらっていたよ。その中のひとつがソープランドの人気店で、元人気AV女優が在籍したこともあったほど。でも、地震と津波で商売は崩壊。店があった地域は、その大半が浸水した影響でお湯が出なくなって。ボイラーを設置して復旧したと聞いてたけど、原発の風評被害で客自体が寄りつかなくなって、ホテルを利用したデリヘル(出張型)にも鞍替えできず、Aさん本人が4年ぐらい前に『廃業だ』って言ってた。『地震だけだったら再開発とか復興で工事関係の人とかがたくさん来るのに、原発の影響が大きすぎる』って。代金を半額にしても客が来ないとかで、女の子も働きたがらなくなっていたみたい」(同A氏)

 A氏が風俗店の経営を諦めて再出発したのが復興支援事業だったようなのだが、その中のひとつだったアイドルグループを残して姿を消してしまった。1月までは変わった様子はなかったというが、2月上旬に行われたイベントに姿を現さず、そのまま音信不通だという。

「Aさんの本業が風俗業だったというのは全然なんとも思わないんですけど、いなくなったのがショックでした。いつも明るく振る舞っていた方で、逃げる人とは思えないんですけどね」(前出メンバー)

 震災による風俗店の経営難という不運な事情を知ったからか、現時点では600万円を貸したメンバーの父親も警察に被害届を出していないという。

「いなくなる直前、Aさんから父に郵便で出された封筒が届いたんですけど、中には『かマホ』と意味のわからない3文字を殴り書きした紙しか入ってなくて、精神的に弱ってしまったのかもしれないです」(同)

 この11日で東日本大震災から7年になるが、被災の影響が意外なところに出てしまったということなのだろうか。アイドルグループの活動予定はすでに決まっていた3月上旬のイベント2件のほかは白紙のまま。最悪、自然消滅の可能性もあるという。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

最終更新:2018/03/06 19:30
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