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“守屋疑惑”を抜け駆け報道した朝日の功罪

 昨日の記事でも触れたとおり、いまや世間を最も賑わせている政治ニュースである「防衛省スキャンダル」。「月刊サイゾー」では、すでに8月の段階でこの過剰接待疑惑をキャッチし、9月発売号で既報した。しかし、東京地検特捜部が山田洋行元専務への事情聴取などを開始したのが同月であり、そのことは本誌だけではなく、複数の全国紙が知るところであった。だが、どの媒体もこのことを報じることはなかった。一部週刊誌などでは報じられていたが、全国紙が報じたのは10月19日の朝日新聞だった。そのあとを追うように、テレビや他の全国紙など大手マスコミも報じて、一気に大事件の様相を呈したのだ。

 では、どうしてこのタイミングで朝日は、大々的にスキャンダルを報じたのか?

「民主党からの強い要請があったようです。この疑惑は一部雑誌メディアは伝えていましたが、これだけでは国会に持ち込むには弱い。もっと強い追い風が欲しいということで、給油新法の審議前という自民党がもっとも嫌がる時期にぶつけさせたのです。守屋武昌前事務次官の証人喚問をすることも想定済みでした」(大手紙記者)

 つまりは、反自民党の旗印の下、民主党と朝日が結託して仕掛けた報道だったわけだが、特捜部の捜査状況を知りながら報道を自重していた他の全国紙や通信社は、抜け駆けした朝日に対して呆れ顔だ。

「政治的に利用されたという側面もありますが、まだ特捜部の捜査が完全に詰まっていない段階での先行報道に加え、守屋氏の証人喚問などされたら、そこでの情報や証言を受けて、事件関係者たちが証拠隠滅しかねない。特捜部も『捜査妨害だ』と憤っているはずですよ」(同)

 大手メディアの多くが、特捜部との関係を考慮しつつ、捜査の行方をもう少し見守ろうとしていた中、朝日は特捜部とのパイプが細いがゆえに大胆な報道ができたという面もあったようだ。朝日の報道と民主党が要求した証人喚問が、結果的に疑惑の全容解明にとってプラスに働くのか否か。後者の可能性が強い今、朝日には、自らの手で新事実を掘り出してくるくらいのことは期待したいものだが、その取材能力に常に「?」をつけられてきた同紙としては果たして……。
(編集部)

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最終更新:2008/06/09 20:18
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