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北芝健の「いわんや悪人においてをや」vol.06

小沢一郎民主党代表は犯罪者か、それとも国策捜査の被害者か!?

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「犯罪者である彼あるいは彼女にも我々同様に人生があり、そして罪を犯した理由が必ずある。その理由を解明することはまた、被害者のためにもなるのでは?」こんな考えを胸に、犯罪学者で元警視庁刑事・北芝健が、現代日本の犯罪と、それを取り巻く社会の関係を鋭く考察!

 本年3月3日、民主党代表である小沢一郎衆議院議員の公設第一秘書であり、政治資金管理団体「陸山会」の会計責任者が、西松建設からの政治資金規正法違反の容疑で逮捕された。これを受けての会見で、小沢氏は「政治資金に関しては合法的に処理している」「なぜ選挙を目前としたこの時期なのか?」などと発言。これにより、麻生政権の支持率低下、政権交代が囁かれる時期の検察による捜査・逮捕は国策捜査であり、政府与党による陰謀であるという疑念が一部国民の間に浮かび上がっている。

 小沢一郎の周辺に捜査の手が及んだことについて、少なくとも検察当局と政権与党において緩慢な合意はあったのではないかと、多くの人が思い浮かべるのは自然なことだ。日本の検察当局というのは、建前としては法下の正義を追求するものだとされているが、現体制を守るために動いているという側面は、鈴木宗男氏などの事件に見られるように、過去にも発現されている。また、ホリエモン逮捕の例のような、世間で”悪者”とされる人物への介入などは、ポピュリズムに偏った当局の強攻ともいえるだろう。

 もう一つ小沢氏の件が国策捜査だといわれる理由として、自民党内でも西松建設より献金を受けていた人物がいたにも関わらず、こちらは当初ほぼ黙殺されたことがある。二階経済産業相をはじめ、山口俊一首相補佐官、森喜朗元首相、加藤紘一元官房長官など、現閣僚及び経験者の名前が挙がったが、小沢氏の問題ばかりがクローズアップされた。その後、漆間官房副長官の「自民党には捜査が及ばないと思う」というオフレコ発言が国策捜査の疑惑を深めることとなり、恐らく検察のバランス感覚が働いた結果、二階氏にも捜査は及ぶようである。

 一方で、今回小沢氏がターゲットにされたのは自民党幹事長時代に作った、検察当局との間にある古いしこりが原因であって、国策捜査ではないという見方もある。自民党幹事長だった当時、小沢氏は選挙資金として300億円以上の金を一気に集めさせるという豪腕ぶりを発揮し、財界に大変な負担をかけた。しかし、あまりに強引に集めたため、その中には法的にアウトな金も混じっていたというのだ。その事実は当局の知るところとなり、捜査が及ぶ寸前までいったが、それを小沢氏が圧力をかけてモミ消した。その当時の怨念は今も検察当局の中にくすぶっており、それが今回噴出したというのである。

 これらの状況はあくまでも憶測にすぎない。しかし、今回の騒ぎの背景にさまざまな因果関係が絡み合っているのは確かであろう。政権与党及びそれに加担するものが捜査を指示したかしなかったかは分からないが、総選挙は秋までには必ずあるのであって、やれるべきことは何でもやるというのは、政権与党にしてみればごく自然な姿勢であろう。そして、それを国策捜査だと批判することで、自己防衛に向かうのも次期政権を狙う野党第一党としては当然な反応である。また、政権の外でも政権交代によって利権を失う者、新たに得る者もいるわけであって、そういった人たちの意思も暗に働いた、自然の結果と現象であるというのが今回の件についての私の考えである。

 現状のような世界的な不況の中で国家の体制が変わるという劇的な変化には、期待と不安が入り乱れるものであり、政治的な混乱が起こるのも仕方の無いことなのかもしれないが、国民は地に足を着けた政権がさっさとクライシスマネージメントを先導してほしいと願っているというのが、本当なのではなかろうか。
(談・北芝健/構成・テルイコウスケ)

shibakenprf.jpg●きたしば・けん
犯罪学者として教壇に立つ傍ら、「学術社団日本安全保障・危機管理学会」顧問として活動。1990年に得度し、密教僧侶の資格を獲得。資格のある僧侶として、葬式を仕切った経験もある。早稲田大学卒。元警視庁刑事。伝統空手六段。近著に、『続・警察裏物語』(バジリコ)などがある。

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人間だもの、警官だって!

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最終更新:2009/04/05 17:07

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