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モザイクなし、シナリオなし......

精神科診療所の内部にカメラを入れた映画監督・想田和弘

sodakazuhiro.jpg想田和弘監督(写真=細居幸次郎)

 厚生労働省の「患者調査」(05年)などによれば、日本の精神科患者数は現在、入院・通院を合わせて約300万人を超える。生活していく中で精神を患うことは、もはや誰にとっても他人事ではなくなった。しかし、いまだ精神疾患は「実は……」という前置きで打ち明けられ、周囲に隠している人も多い。

 想田和弘監督が映画『精神』を撮ろうと決めたのも、この状況に危機感を抱いたことが理由のひとつだという。岡山県にある精神科診療所「こらーる岡山」にカメラを入れ、そこに通う人々を、モザイクなしで映し出す。カメラに向かって話す患者たちは、”健常者”からそう遠いところにいる人には見えない。

「僕が子どもの頃も、精神病院はタブーな存在でした。従兄弟の家の近くに精神病院があり、肝試しみたいに中を覗いて遊んでいました。精神障害者は異星人というか、お化け屋敷の住民というイメージを持っていましたね。でも、大学時代にそれが180度変わった。当時、東京大学新聞の編集長をしていたのですが、編集や庶務の仕事に追われ、ある日突然、朝起きたら、何も手につかなくなったのです」

最終更新:2010/02/08 16:23
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