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どこも景気はイマイチだけど、勝つ会社にはワケがある!

「介護」「引っ越し」「健康食品」……アノ業界の生死をわける条件(前編)

 不況不況とメディアは騒ぐが、そこで話題となるのは、誰もが知っている有名企業の動向ばかり。でも世の中、大会社だけで回っているワケじゃない(怒)! 目立たなくても生活に欠かせない業界に日々接する、専門誌編集長に聞いてみた。おたくの業界、最近どうですか?

引っ越し業界 「物流Weekly」高田直樹代表取締役
「アート」「サカイ」と競争必至で中堅企業がこれからアブない

butsu.jpg物流産業新聞社
毎週月曜日発行/1カ月3700円/発行部数16万
5000部/主な読者層:物流企業経営者

 ここでは物流の中でも、引っ越し業界についてお話しします。今般の不況の影響で、企業が社員を転勤させなくなったり、家族ごとの引っ越しではなく単身赴任を増やしたりしていることで、業界全体的に受注が減っていることは確かです。3月の繁忙期も、以前よりピーク期間が減少しています。

 今後も全体的に低調が続くと思いますが、「アート引越センター」や「サカイ引越センター」などの大手は資金力もあり、堅調といえるでしょう。また、大手がテレビCMで知名度を高めているのに対して、小規模な会社は複数の会社の見積もりを一括で出せる「見積もりサイト」のようなネットサービスに登録しているところも多い。厳しい価格競争を展開していますが、それなりに収益も上げているようです。

 生き残りという意味で一番厳しいのは、中堅クラスです。大手との競争にさらされるポジションにあり、価格競争をするとどうしても負けてしまう。一昨年、「ダック引越センター」が「アートコーポレーション」の傘下に入りましたが、今後はさらにそうした業界再編が進んでいくのではないでしょうか。「ゾウさんのほうがもっと好きです」のCMで有名だった「松本引越センター」の破産手続きですか? あれは報道でも言われている通り、業界の動きや不況とは関係なく、単純に同社の経営体質の問題かと思いますが……。

 引っ越し業は現金商売ですから、これまでは片手間で始めようとする運送会社も多かった。繁忙期だけ引っ越しをやるとか、そういう形ですね。でも、そういったやり方だと、結局人材もノウハウも育ちません。今後は、各社がどれだけサービスの質を向上できるかがポイントとなってくるのではないかと思います。

警備業界 『警備保障新聞』市川四朗編集長
「SECOM」「ALSOK」との棲み分けで価格競争の波を超えるべし

keibi.jpg(株)警備保障新聞社
毎月5日・15日・25日発行/年間購読料3万
1500円/発行部数/1万5000部/主な購読層:
警備保障業界全般

 1962年に現在の「セコム」(東京)が誕生してから今まで、警備業界の市場規模はずっと右肩上がりでした。しかし、2008年に入って全体の売り上げが下がりました。現在、警備会社は全国に約8900社あり、過剰になっています。そのため過当競争が起こり、価格の引き下げが進んで市場規模全体を下げることになったのです。

 とはいえ、警備の需要は警察からの民間委託などにより、現在も少しずつ増えており、警備員の数も増えているので、見通しの明るい業界ではないかと思います。ただ、今後は合併や吸収など淘汰が始まるのではないかと思いますね。特に警備員が常駐しない”機械警備”については、スケールメリットを生かしやすいので大手の独壇場。業界1位の「セコム」、2位の「綜合警備保障(ALSOK)」の2社で約8割の売り上げを担っています。しかしながら、業界全体で見ますと、大手2社を合わせても市場全体の約6分の1に過ぎないんですね。参入障壁が少なく新規参入しやすいので、若い社長も多く、起業家を目指すには良い業界なのではないでしょうか。

 中堅で元気なのは09年上半期の売り上げが業界7位の「テイケイ」(東京)、13位の「シンテイ警備」(同)あたりです。両社ともイベント警備(花火大会など)に強い会社で、大手が予算の関係で参入しづらいところを狙ってます。中小になりますと「第一警備保障」(福岡)、「にしけい」(同)など地元に強い企業が目立ちますね。反対に伸び悩んでいる会社ですか? うーん、行政を相手にしている会社は毎年入札で受注者が入れ替わるので前年度より大きく落とすケースがありますが、連続して業績を下げている会社はあまりないような気がしますね。

薬局業界 『薬局新聞』『ドラッグストアレポート』川畑朗編集長
対面販売が生き残りのキモ コンビニ的では先行き不安

yakuji.jpg薬局新聞社
毎週水曜日発行/年間購読料1万7000円/
発行部数5万700部/主な購読層:医療品小売
業者・製薬メーカーなど

 6月の薬事法の改正により、これまで薬剤師がいないと販売できなかった市販薬のうちの約95%を、「登録販売者」がいれば売れるようになりました。これによりスーパーやコンビニが参入しやすくなり、これまで規制に守られてきた業界であった薬局・薬店がイオングループなど流通大手との競争にさらされつつあります。もともと不況に強く利幅のある市販薬は、小売流通市場で狙い目の商品と考えられていました。

 薬局・薬店・ドラッグストアが生き残る道のひとつは、文書を用いて説明を行う、作用の強い市販薬の対面販売など、専門性で信用を得ること。利用者が店を選んで薬を買う状況となったときに強いのは、やはり薬剤師のいる店でしょう。現在の業界1位は「マツモトキヨシ」ですが、2位の「スギ薬局」は、30年前の創業当時から一貫して薬剤師がいる薬局での店舗展開を続けているので強いと思います。「スギ薬局」の業態と近い「グローウェルホールディングス」も注目株ですね。ここは長時間営業をするなど、利便性でも積極的な取り組みをしています。

 10年ほど前からドラッグストアが台頭し始め、今では薬局も薬以外の化粧品や日用雑貨などを販売するイメージが強いと思います。実際に、それらの店舗の売り上げで医薬品の占める割合は30%程度。ただ、実際に利益があるのは医薬品です。化粧品や日用雑貨は客寄せとして効果はあるけれど、利益は薄い。そういった意味でも、登録販売者では売れない5%の薬の販売や信用のある対面販売を強みとしていくべき。利用者に「コンビニやスーパーと同じ感覚」で利用されてしまう薬局・薬店は、今後これまでのようにはいかないかもしれません。
(後編へつづく/構成=梅田カズヒコ、小川たまか [プレスラボ]/「サイゾー」8月号より)

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最終更新:2009/08/05 15:00

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