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日本"未解決事件"犯罪ファイル

ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡

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 何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく……。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない”未解決事件”を追う犯罪糾弾コラム。
 

[第4回]
群馬一家3人殺害事件
(1998年1月)


 前回、偶然にも記事掲載後に逮捕された”リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件”の被疑者・市橋達也の取り調べの様子が連日のように報じられ、改めて世間の注目を浴びている。これにより、そのほかの指名手配事件についても情報公開の重要性が見直され、より多くの人々が未解決事件に関心を持つことで事件解決が早まり、さらには犯罪抑止に繋がることを期待したいところだが……現実はそう甘くない。日本全国、毎日どこかで凶悪事件が発生し、依然として逃亡中の犯人・被疑者は大勢いる。あるコメンテーターは、市橋が逮捕される数日前、次のように話していた。

「指名手配というのは単なる管轄外の警察署への通達作業であり、現状では一般市民への情報提供の呼びかけとして有効ではない。一刻も早く犯人を捕まえるために、これからは無数にある人々の目を利用していかなければいけない」

 つまり、既存の指名手配制度を見直し、一般市民レベルまで手配情報が浸透するような新しいシステムを構築しなければいけないという提案である。現状ではどうしてもマスコミに依存する形になってしまっていて、時には歪んだ情報を生んでしまうことも……。本来であれば、警察主動で情報公開・収集を充分な形で行うべきなのである。今後、捜査のあり方がどう変わっていくのか注目していきたい。

 さて、今回取り上げる未解決事件は、「群馬一家3人殺害事件」。1998年1月14日に起こってからすでに12年が経とうとしている。群馬県高崎市(旧群馬町)三ツ寺で電気工事業を営んでいた石井武夫さん(当時48歳)の自宅で、武夫さんをはじめ、妻・千津子さん(当時48歳)、武夫さんの母・トメさん(当時85歳)の3人が惨殺され、すぐに運送会社の元従業員・小暮洋史(こぐれ・ひろし/当時29歳)が全国に指名手配された。事件のなりゆきは、次の通りと見られている。

 商品の運搬のために高崎市内のドラッグストアを訪れた小暮は、同店に勤務していた武夫さんの長女(当時26歳)に一目惚れする。勤務時間以外でも度々出入りするようになり、何度もしつこく食事やデートに誘ったものの、長女に断られ続けて逆上。長女が運転する車を尾行したり、家までつきまとったりしたほか、電話を執拗にかけてきたという。そして、ストーカー行為は次第にエスカレートしていき、ついに数カ月後、悪夢のような事件を起こしてしまう。

 事件の数日前、会社の掲示板に「辞めます」とだけ書き残して消えた小暮。突然、石井家を訪れて長女に会わせてほしいと求める。しかし、長女が外出中だったため、家族が断ると……小暮は勝手に家に上がり込み、鋭利な刃物で武夫さんの胸、千津子さんの背中を刺して殺害。そして最後に、抵抗することもできないトメさんの首を絞めて殺害。当時の報道によると、小暮は大量の血を流して亡くなった武夫さん夫妻の遺体を、浴槽に運んで片付け、長女の帰りを待っていたという。数時間後、家に戻った長女の目に映った悲惨な光景は、まさに悪夢そのものであっただろう。それでも、小暮に対して説得を試み、自らの命を守ることができたのは、並々ならぬ精神力があってこそと言える。小暮はしばらくの間、長女と現場に留まっていたが、やがて何かを諦めたかのように石井家をあとにして、乗りつけていた自分の車で逃走したという。ここまでが、生き残った長女の証言、そして警察の発表をもとにした事件の概要である。

 先述の通り、警察によって全国指名手配された小暮は、国道50号線を茨城方面に向かって逃走。1週間後には群馬県太田市と埼玉県熊谷市(旧妻沼町)で小暮の車が目撃されたが、それ以降の消息はつかめていない。事件の直前、小暮は知人に「警察に見つからずに死ぬ方法がある」と話していたという証言から、警察は自殺の線を追って各地の要所を捜索したとされているが、現在まで痕跡すら発見できていない。

“自殺説”を真に受けてか、それとも長期間に渡って手がかりが得られないためか、群馬県警高崎署のホームページに掲載されている指名手配情報は、ほかの凶悪事件に比べて写真や情報量が異様に少ない。冒頭に記した市橋の場合は、事件詳細のほか、何十種類もの顔写真と全身写真、本人の肉声、多岐に渡る個人情報、プロファイリングの専門家による性格分析、そして破格の懸賞金1,000万円……など、「絶対に逮捕してやる!」という強い信念が印象に残る情報公開・捜査を行っていた。被害者が外国人だったから、という理由だけで片付けてしまうのは、いささか短絡的ではないか。そもそも、前述の”自殺”をほのめかす証言にしても、犯行後の逃走を考えた上での伏線とも取れるし、車などは少し金をかければいくらでもスクラップにできる。過去、多くの犯罪者が時効まで逃げ切っていることを考えても、確実に死亡確認が取れるまでは追い続けなければいけない凶悪事件の被疑者なのだ。

 愛する家族が犠牲になった長女の無念さは、いつまでも晴れることはないだろう。願わくば、犯人の影に怯えることなく、穏やかに眠れる日が1日でも早く訪れてほしい。
(取材・文=神尾啓子)

kogure_car.jpg逃走時に小暮が乗っていた
日産・シルビア

<プロフィール>
被疑者:小暮洋史(こぐれ・ひろし)
生年月日:1969年7月31日
本籍:群馬県
身長:170cm前後
逃亡時の使用車両/日産・シルビア(ナンバー「群馬33 も 8670」)
公訴時効成立:2013年1月14日

<情報>
懸賞金:100万円
(平成22年10月31日まで)※延長の可能性あり

<連絡先>
群馬県高崎警察署捜査本部
TEL 027-328-0110
フリーダイヤル 0120-547-590

ストーカーの心理学

そんな気持ち、わかりたくない。

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最終更新:2009/11/22 15:00

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