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「和製レコード会社が消える!?」長期化する音楽不況で業界存亡の危機……

toys.jpgトイズファクトリー公式サイトより

 CDの売上不振に加え、音楽配信事業の頭打ちも表面化し、新たな収益源を確立できないでいる音楽業界。エイベックスをはじめとする大手レコード会社の苦境も伝わるが、中堅・新興のレコード会社はまさに存亡の危機に立たされているという。「不調が目立つのはトイズファクトリー」と話すのは、某有力マネジメント事務所の関係者だ。

「90年代のトイズファクトリーといえば、ミスチルやSPEED、My Little Loverらが大ヒットを飛ばすイケイケの会社でした。しかし、ここ数年は目立ったヒットも出せず、売行きは下降線。今もミスチルや湘南乃風などの大物がいますが、彼らの場合、マネジメント事務所が原盤権などをガッチリ持っているため、同社はあまり儲からない仕組みになっています。さらに、BUMP OF CHICKENのように何年も作品を出さない気難しいアーティストが多いことも、制作費の増大による経営不振説に拍車をかけています」

 また先頃、コロムビアミュージックエンタテインメントが新興ネット企業のフェイスに買収されたことも話題となったが、すでに「売り」に出ているビクターエンタテインメントの行く末にも注目が集まっている。

「以前、コナミによる買収話も出ましたが、コナミは同社の資産算定の結果、”買収する価値はない”と判断したといいます。現在の親会社であるJVC・ケンウッド・ホールディングスは同社を持ち続ける意志がないため、今後は売却価格を下げていくしか道はないでしょうね」(前出の関係者)

 4月16日付の産経新聞は、ソフトバンクがビクターエンタテインメントを買収する方向だと報じている。記事には「月内にも基本合意の見通し」とあるが、コナミの例もあるだけに、買収成立には金額面などで紆余曲折が予想される。

 また、第一興商傘下の日本クラウン、徳間ジャパンコミュニケーションズにも、売上不振が指摘されている。「第一興商の経営が堅調のため、両社をすぐに手放すことはない」(レコード会社関係者)というが、何らかの経営改善が必要なのは確かなようだ。

 ここ10年ほど、世界規模で音楽業界の再編が進み、日本のレコード会社のほとんどが外資系メーカーの日本法人化した。その中で、エイベックス、ビクターエンタテインメント、トイズファクトリーは、いわば残り少ない”和製”レコード会社だ。「芸能界には和製メーカーを応援する気運もある」(前出のレコード会社関係者)というが、各社は現在の苦境を乗り越えることができるか。
(文=浜葉充夫)

だれが「音楽」を殺すのか?

殺さんで~!

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最終更新:2010/04/17 11:00
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