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“リアルすぎる歴史番組”NHK『タイムスクープハンター』が示す映像新時代

TSH.jpgNHK『タイムスクープハンター』公式サイトより

 偶然テレビをつけたら、宇宙人のような突飛な格好の要潤のアップ+背景に江戸の町や人々、あるいは戦国時代……そんな違和感たっぷりの不思議な画に、思わず釘づけになり、最後まで観てしまったという人は少なくないのではないだろうか。

 NHK『タイムスクープハンター』(月曜午後10時55分~)は、未来の「タイムスクープ社」から来たジャーナリスト(要潤)が、さまざまな時代で、「教科書に載らない人々」を密着ドキュメントするという、斬新な”ドキュメンタリー風歴史番組”だ。

 もともとNHKが実験的な番組を放送する特別枠『番組たまごトライアル』で2008年9月に放送され、視聴者から好評だったことをきっかけに、現在はセカンドシーズンまで至っている。

 一見珍妙に見える番組だが、驚くべきは、綿密な時代考証に加え、人々の描き方が、非常に生々しくリアルだということ。たとえば、登場人物の髪を剃ったあとがキレイに整えられていなかったり、室内も暗かったりと、フィクションとして見慣れた時代劇に比べ、妙にホンモノくさいのだ。

 また、毎回取り上げられるテーマも「旗振り師」「時の番人=時太鼓打」「江戸時代の婚活」など、今までに見たことのない斬新な切り口ばかり。

 そもそもなぜこんな風変わりな番組を作ったのか。監督・脚本を手掛ける中尾浩之(P.I.C.S.)さんに聞いた。

「大学時代に漠然と『自分が時代劇を作るんだったら今までと違ったやり方、たとえばドキュメンタリータッチとかで何かできないかなー』と思っていたんです」

 そんなとき、NHKで新しい切り口の企画募集があり、応募したところ採用→NHKサイドと開発を行い、単発放送→シリーズ化と、トントン拍子に進んだ。

 いわば、中尾さんの頭の中にずっと前からあったものがカタチになったわけだが、これには「タイミングもある」と中尾さんは言う。

「頭の中にはあったけど、見せ方・出すタイミングを考えていたんですよ。というのも、YouTubeが盛んになったり、カメラを世界中の人が持つようになったりしましたよね。たまたま撮影されたスクープ映像、衝撃映像の素地のようなものが、みんなの中に浸透してきた。”映像の見方”が変わってきた今だから、というのはあります。違う時代につくったら、まったく別の作品になっていたかも」

 それにしても、取り上げるのは、偉人でも有名な武将でもなく、「ごく普通の人」だ。小さなテーマを深く掘り下げ、ドラマ性を持たせるのは、並大抵のことではない。どのように作られているのか。

「テーマは単純に、疑問・好奇心から始まってるんですよ。たとえば、『昔は連絡をどんなふうに行ってたんだろう?』と疑問に思って『狼煙だろう』と考える。調べていくうちに、『旗振り通信』というものがあったことが芋づる式に出てくるわけです」

 歴史モノに強いリサーチャーが調べ、その筋の専門家が時代考証を行う。ただし、いちばん難しいのは、「歴史的データ」と「ドラマ性」を合致させていくことだという。

「表面はフェイクドキュメンタリーですが、事実関係は”ど真ん中”。日頃の仕事(ドラマ)のクセで、つい伏線をはろうとしたり、盛り上げたくなっちゃうけど、”フェイクドキュメンタリー”だから、そのさじ加減が難しいですね」

 残念なことに、セカンドシーズンは6月7日放送分の第10回で終了となる。だが、今後やってみたいネタ、アイディアはまだ限りなくあるという。

「いつも頭の半分で何かしながら、もう半分には並行して映像、セリフ、ディテールなどが点々とあって、それが集まってストーリーになって動いてるんです。オーケストラの作曲家とかに近いかな? やらせてもらえるなら、シーズン3でも4でも5でも、延々とやれますよ。同じ手法で、イギリスとかフランスとか中国とか、世界のものも作ってみたい」

 斬新な「フェイクドキュメンタリー歴史番組」の続編、さらに世界編を期待します!
(「サイゾー裏チャンネル」より)

タイムスクープハンター [DVD]

“スタイリッシュ”ってやつね。

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最終更新:2010/06/09 08:20

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