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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」Vol.74

“ゴシップスター”沢尻エリカの迷走と、もみ消された過去のスキャンダル

erika0513.jpgゴシップガールの暴走は止まらない。

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 映像クリエーターの高城剛さんとの離婚に向けた話し合いが遅々と進んでおらず、さらに芸能界への本格復帰が宙ぶらりんになっている女優の沢尻エリカ。現在、こなせている仕事といえば、雑誌のインタビューやファッションショーのモデルなど、芸能界のメインストリームとは異なる”亜流”のものばかりである。

 そんな沢尻が先週、CNNのウェブサイトでのインタビューに答えたことが話題となった。その中で、3年前の傲慢不遜な舞台挨拶がきっかけで起きた騒ぎに対して謝罪したことに触れ、「あれは間違いでした」と前所属事務所スターダストプロモーション批判とも受け取れる発言をして、物議を醸し出している。


 2007年の10月、沢尻は主演映画『クローズドノート』の舞台挨拶で腕を組みながら、司会者の質問に「別に……」と答えたことが、女優として、大人としてあるまじき行為だとして、メディアや世間からバッシングを受けた。

 その後、沢尻は、テレビ朝日系の『スーパーモーニング』で涙ながらに謝罪した。ところが、今になって沢尻は「あれは間違いでした、前の事務所が謝罪しなくてはいけないと言ったけど、ずっと断っていたんです。絶対したくなかった。これが私のやり方なんだからと。結局、私が折れて。でも間違っていた」と言い出した。

 騒動の当時、前事務所の細野義朗社長は筆者に「そこまで悪いことをしたわけではないから、謹慎させることは考えていない。しかし、バッシングを浴びたんだから、これまでの清純派の役はできないだろう」と語り、「周囲に不愉快な思いをさせたのだから、謝罪させてケジメをつける」と語った。それはそれで、正しい選択だと思った。ところが沢尻は、その社長の判断を批判した。第三者が批判するならまだしも、沢尻を売り出すのに、あれだけ力を入れてくれた事務所社長に対して、当の本人が何を今さら言っているのだ。

 沢尻は中学生の頃から、スターダストに所属していた。05年、映画『パッチギ!』に出演。同年、フジテレビ系のドラマ『1リットルの涙』でブレークした。人気を得られたのは、沢尻の才能があってこそのものだろうが、それ以前にスターダストの力がなければ、これらの作品にはキャスティングされてはいなかった。

 そんなブレーク直後に、福祉を食い物にした「グッドウィル・グループ」の折口雅博前会長との淫行スキャンダル疑惑が浮上した。

 疑惑は、またブレーク前だった沢尻が家出して、港区白金の折口のマンションに転がり込んで、別れるときに多額の手切れ金をもらったというものだった。

 ことの真偽を確かめるべくマスコミが動いたが、事務所の力もあって、この話が表面化することはなかった。だが、事実だとすると大問題である。事務所は未成年の子どもを預かった以上、社会的な教育をする必要がある。このスキャンダルに関してだけではない。傲慢不遜な態度を取ったことに、なぜ謝罪しなければいけないのかを親身になって説得しなければいけなかった。人様に対する受け答えとして、「別に……」はありえない態度であることは間違いないことだし、その態度によって、沢尻のイメージが低下すれば、これまで彼女にかかわってきたさまざまな人々に迷惑をかけることになる。実に単純なことだ。

 だが、スターダストはそれができなかった。そこには、大手芸能プロが抱える問題がある。昔は、社長自ら、タレントをマンツウマンで育てたものが、芸能プロが大きくなっていくと、すべてのタレントに目が届かなくなりがちだ。一方、現場を担当するマネジャーはサラリーマン気質に陥りがちで、タレントに嫌われるようなことを厳しく言える人間は少ない。

 かつて、ホリプロの創始者である堀威雄さんは、石川さゆりに「森昌子ばかり可愛がる」と嫉妬されて、芸能界育ての親といわれながらも石川の結婚式に招待されなかった。沢尻を育てた細野社長も、沢尻の結婚式には呼ばれなかった。

 結局は、双方の間に愛情が足りなかったから、沢尻が今になって後ろ足で砂をかけるような発言をしたとしか思えない。それにしてもだ。事務所の言う通りに謝罪した後、結局、沢尻は事務所の意向を無視して、”私のやり方”を通してきた(過去の当コラムを参照されたし。https://www.cyzo.com/2009/01/post_1415.html)。その結果が、離婚問題も解決できず、芸能界復帰がままならない今日につながっているのだ。もし、事務所の方針に従っていたら、今のような悲惨な状態に陥っていなかったということを認識すべきだろう。本人は、自由気ままな現在の地位に満足しているかもしれないが、今、雑誌やイベントが沢尻を起用するのも、「別に……」騒動時と同様、ゴシップスターとしてネタにしているだけという事実に、本人は気づいているのだろうか。
(文=本多圭)

P‐chu!―沢尻エリカ写真集

エリカの爆弾発言にはもううんざり。

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最終更新:2016/12/13 18:34
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