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のり・たまみのへんな社会学 第12回

長崎県の18歳未満にコンドームを売ってはいけない!? 時代に取り残されたへんな法律

nagasaki.jpg人ココロねっこ運動 長崎県青少年保護育成条例より

世の中のへんなものをこよなく愛するのり・たまみの、意外と知らないちょっとへんな社会学。

 2007年、イギリスのテレビ局が「いまも残っているへんな法律ベスト10」を発表して話題になりました。いずれも大昔に作られたもので、廃止されないままひっそりと残っているイギリスの現行法です。

第1位 
「国会の中で死ぬことは違法である」

第2位
「国王と女王の肖像切手を上下逆さまに貼るのは反逆罪」

第3位
「リバプールでは、公衆の場でトップレスになってもよいのは熱帯魚販売店の店員だけである」

第4位
「クリスマスにミンス・パイを食べてはならない」

第5位
「トイレを使わせてくれと玄関を誰かがノックしたら、トイレを使わせてあげなくてはいけない」

第6位
「妊婦はどこでも(たとえ警官のヘルメットの中でも)用を足してよい」

第7位
「海岸にクジラが打ち上げられたら、頭部は国王、しっぽは女王の財産となる」

第8位 「税務署に知られたくないことを隠すのは違法だが、知られてもかまわないことを隠すのは合法」

第9位
「甲冑(かっちゅう)を付けて議会に入ってはならない」

第10位
「ヨーク市で弓矢を持って歩いている者を殺してもよい」

 いずれも、制定された時は真面目な法律でした。たとえば4位の「クリスマスにミンス・パイを食べてはならない」。これは17世紀に暴飲暴食を禁止するために作られた法律です。2007年の調査では、約半数が「この法律を破ったことがある」と答えたそうですが、当然、処罰は受けていません。7位の「クジラの頭部は国王に」は、かつてイギリスも捕鯨をしており、クジラが大変高価&貴重なものだった時代の名残です。このように「かつて大真面目に作ったものの時が流れるうちに時代に合わなくってしまったけれど、廃止もされないで残ってしまっている法律」や、「慌てて作ったけど、ちょっとへん」な法律や条例を集めてみました。

 のり・たまみ版「いまも残っている変な法律ベスト5日本版」です。

第5位「長崎県の18歳未満にコンドームを売ってはいけない」(長崎県少年保護育成条例第9条)
 1978年制定。不純異性交遊を禁止する目的で、なぜか長崎県だけで制定されました。実際にコンビニなどで販売が禁止されている様子もなく、全くのザル法。日本婦人科学会長崎支部が3度に渡って撤廃を求める抗議を行っており、議会でも問題にされましたが、結局廃止されず残っています。

第4位「太ももをみだりに露出したら最高29日間刑務所入り」(軽犯罪法第一条20号)
 1948年制定。太ももだけでなく、お尻も規制の対象です。もっとも罰を与えられるかどうかは「公衆にけん悪の情を催させる」かどうか。しかし現在は、パンツが見えそうなくらいギリギリのミニスカート姿の女性が街を闊歩していますし、夏のビーチではビキニは当たり前になっており、法律としては意味がないかもしれませんね。

第3位「クローン人間を作ったら懲役10年」(ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律・第16条)
 2000年制定。有名なクローン羊のドリーちゃんが生まれたのが1996年、その後ネコや犬のクローンも成功し、いずれは人間も……と思われ始めた2000年にこの法律はできました。日本ではこのように禁止されていますが、研究者たちは規制のない国へ移住し、今日も研究を続けています。現在はまだ「?」な法律ですが、いずれ必要になるかもしれませんね。

第2位「決闘はしてはいけない。申し込んだ人、申し込まれた人、決闘立会人、証人、付添人、場所提供者、みんな罰する」(決闘罪ニ関スル件)
 1889年制定。決闘を申し込んだり受けたりすると6カ月以上2年以下の懲役で、実際に決闘したら2~5年の懲役です。立会人も場所提供者も罰せられます。また決闘に応じなかった相手をバカにしても罰せられます。100年以上、ほとんど適用事例なく「死法」でしたが、平成になって「タイマン」に適用されるなど急に復活事例が相次ぎ、話題になっています。

第1位「月や小惑星で軍事演習をしてはいけない。すべての施設は他国の宇宙飛行士に開放される」宇宙条約4条・12条)

 1966年制定。1960~70年代、米ソが中心となって宇宙開発を進めていた時代にこうした宇宙法が作られました。その後、思ったほど宇宙開発が進まなかったこともあり事実上使われていませんが、最近の「ハヤブサ」の快挙もあり、数十年後、数百年後には使われる法律かもしれませんね。

 のり・たまみ版「おかしな法律ベスト5」、いかがでしたか。

 多くの法律は作られたまま放っておかれ、現在は事実上使用されていませんが、私たちが何かのきっかけにアクションを起こしたら、決闘罪のように大昔の法律が急に生き返って罰せられる可能性があるということです。実は放っておかれている法律。侮れないです。
(文=のり・たまみ)

●のり・たまみ
世界中の「へんなもの」をこよなく愛する夫婦合体ライター。日本のみならず、世界中の政治の仕組みや法律などをこよなく偏愛している。主な著書に『へんなほうりつ』(扶桑社)、『日本一へんな地図帳』(白夜書房)、『へんな国会』(ポプラ社)、『へんな婚活』(北辰堂出版)などがある。

へんなほうりつ

トンデモ傑作集。

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最終更新:2010/12/06 12:44
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