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珍バカライター・北村ヂンの【突撃取材野郎!】vol.11

藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市!

fujikoa00.jpg

珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第11回は、藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市に行ってきました。

■FミュージアムもいいけどAミュージアムも作って!

 当連載では前回、オープンしたばかりの「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」へ突撃取材をしてきた。その名の通り、藤子・F・不二雄先生の人気漫画『ドラえもん』や『パーマン』『エスパー魔美』などのキャラクターや生原稿てんこ盛りの楽しいミュージアムだったのだが、ボク的にはちょっとお願いしたいことが……。それは「藤子不二雄A先生のミュージアムも作ってくれよ!」ということ。F先生とA先生、とっくの昔にコンビを解消しているのは分かっているけど、やはり昔からのファンにとって「藤子不二雄」とは永遠に2人組の漫画家なのだ! 

 藤子・F・不二雄先生(通称・藤子ファンタジー不二雄)の夢いっぱいの世界もいいけど、藤子不二雄A先生(通称・藤子不二雄アナーキー、もしくは藤子不二雄アヴァンギャルド)のトラウマ&悪夢いっぱいの世界も大好き。『怪物くん』『忍者ハットリくん』『笑ゥせぇるすまん』『魔太郎がくる!!』……こんなキャラクターが勢揃いしたミュージアムを是非とも作ってもらいたい! できれば藤子・F・不二雄ミュージアムの隣に。

 川崎市にはいずれ本当に実現してもらいたい夢ではあるものの、すぐにというわけにもいかないので、今回は今すぐ藤子不二雄Aの世界を満喫できるスポットを紹介しよう。

■富山県氷見市は町中が藤子不二雄Aミュージアムだ

 やって来たのは富山県の氷見市。実はここ、藤子不二雄A先生の出身地ということで、町のさまざまな場所で藤子Aキャラクターと出会うことができる変な……いや、ステキな町。

 氷見へ行くためには高岡駅から「氷見線」という電車に乗り換える必要があるのだが、この電車がいきなりA丸出し! ボディー全体がハットリくんのキャラクターでラッピングされた、ハットリくん電車なのだ。

fujikoa01.jpgズドーンとハットリくんでラッピングされた電車の登場に、
いきなりテンション急上昇!
fujikoa02.jpg車内には藤子不二雄A先生のサインも。
fujikoa03.jpg到着した氷見駅の構内にはハットリくん人形が展示されていた。
fujikoa04.jpgさらに、駅前で客待ちをしているタクシーにもハットリくんが!?

 電車の外にも中にもハットリくん、駅の構内にもハットリくん、タクシーのボディーにもハットリくん……と、いくらなんでも過剰すぎるハットリカンゾウの大群にいきなり脳がクラクラしてしまったが、氷見のA推しっぷりはこんなもんじゃすまないぞっ。

■商店街にサカナの怪物たちが……

 氷見駅から少し歩いた国道沿いにある「潮風通り商店街」では、いろんなところにAキャラクターのオブジェが設置されている。ハットリくんや獅子丸、シンちゃんたちはまあいいとして、明らかにA先生のタッチではあるものの、漫画やアニメでまったく見覚えがないサカナっぽいキャラクターもしこたま並んでいるのだ。なんだこのキャラは!?

 実はコレ、「氷見のサカナ紳士録」といって、藤子不二雄A先生が氷見のためにデザインしたオリジナル・キャラクターなのだ。氷見市の特産品である寒ブリを擬人化したサカナの王子様「ブリンス」(ダジャレですよ!)をはじめとして、タコの「タコ八」、チョウチンアンコウの「アンボス」などなど、魚介類をモチーフとしたキャラクターたちが勢揃いしている。

 おそらく商店街の人たちは「怪物くんみたいなかわいいキャラクターを」と期待して地元に縁のあるA先生にオファーしたんじゃないかと想像するが、完成したのは怪物くんというよりは本当の怪物。A先生らしい「かわいい」と「気持ち悪い」ギリギリの線をいった、ファン的には実に楽しめるキャラクターたちではあるものの、地元の人たちはどう思ってるのか……。

 ちなみにこの「サカナ紳士録」オブジェたちは、近づくと「ボンヨヨヨーン!」という音とともにしゃべり出すのだ。ボクみたいに、コレ目当てでやって来ている観光客にとってはうれしい仕掛けだけど、知らない人がいきなりサカナからしゃべりかけられたらビックリして腰ぬかしちゃうよ!

fujikoa05.jpg郵便ポストの上にハットリくん、これはうれしい!
fujikoa06.jpg柱に縛り付けられて号泣しているようにも見えるシンちゃん。
fujikoa07.jpgそしてコレが問題のブリの「ブリンス」。
まあ、わりとそのまんまブリですね。
fujikoa08.jpgこちらはタコの「タコ八」。
fujikoa09.jpgチョウチンアンコウの「アンボス」ちょっと目がイッちゃってます。
fujikoa10.jpg商店街のお店のシャッターや柱にも、A先生のキャラクターたちが。
fujikoa11.jpgこれはA先生のキャラじゃないですね、明らかに。
それにしても「アイドル」って……。

■喪黒福造がそびえ立つお寺

 さて、謎キャラクターが立ち並ぶ衝撃的な商店街を抜けると、ハットリくんのイラストが添えられた「光禅寺」なるお寺の看板が。いくらなんでも、お寺の看板に漫画キャラというのはやり過ぎなのでは!? と思ったものの、実はこの光禅寺、藤子不二雄A先生の生家なのだ。

 かつて、A先生の父親がこのお寺の住職を務めていたのだが、小学5年生の時に急死してしまい、新たな住職が外部から来ることになったことからA先生の家族は高岡市へと引っ越すことになった。そこで藤子・F・不二雄先生と出会ったという、コンビ漫画家「藤子不二雄」誕生のターニング・ポイントのひとつともいえる重要なスポット。

 ファン的にはそれだけでも訪れるべきお寺なのだが、さらにこの光禅寺の境内にはズラリと藤子不二雄Aキャラたちの石像が建ち並んでいるのだ。もちろんうれしいんだけど、一気に珍寺な雰囲気になってしまっているような気もしなくもない……。

fujikoa12.jpgいまだかつて、お寺の看板に漫画キャラが使用されたことがあったでしょうか!?
fujikoa13.jpgごくごく普通のお寺に見えるものの、境内にはAキャラたちの石像が。
fujikoa14.jpg『怪物くん』や『プロゴルファー猿』はまだいいとして、
『笑ゥせぇるすまん』をお寺に設置するのはアリかなぁ……?

★光禅寺(藤子不二雄A生家)
富山県氷見市丸の内1-35

■観光資源としてのパワーは未知数だが……

 最後に紹介したいのは、「ハットリくんのからくり時計」。市街中心部の湊川に架かる中の橋のすぐ横に設置された巨大なからくり時計なのだが、昼間の時間帯、毎正時に始動するからくりがものすごいんだ。

 時計から水がビュービュー吹き出すは、ハットリくんとケムマキの人形がガンガン動いてバトルをするは、ケンイチくんはなぜか獅子舞を持っているは……。意味はよく分からないものの、とにかくお金と技術が大量につぎ込まれていそうな豪華なからくりショーが約4分間にわたって繰り広げられる。

 これだけの大がかりなからくり、一回稼働させるだけでそれなりにお金がかかりそうな気がするのだが、見ていたのはボクひとり……。まあ、地元の人は毎日何回も動いているからくりをわざわざ見る気もしないんだろうけど。とにかく見応えたっぷりのショーなので、ファンの人はぜひ訪れてもらいたいスポットだ。

fujikoa15.jpgなんだかフシギな形をしたからくり時計。
fujikoa16.jpgハットリくんとケムマキくんが出てきた! 
そしてビュービュー吹き上がる水、スゲー!
fujikoa17.jpgシンちゃんや獅子丸、ケンイチくんも登場。なんで獅子舞を持っているのかは謎。

★虹の橋・からくり時計(ハットリくんのからくり時計)
富山県氷見市丸の内

 このように、富山県氷見は町全体が藤子不二雄Aミュージアムといってもいいくらい、いたるところにAキャラたちがウジャウジャと沸いている、ファンだったら立ち脱糞必至、そしてファンでもなんでもない人的には「なんじゃこりゃ!?」感の強い町なのだ。漫画家さんの地元が町おこしとしてキャラクターを使用している例はたくさんあるものの、ここまで大規模にやっている自治体は少ないんじゃないだろうか。

 まあ、ボクがフラフラ歩き回っている間、観光客らしき人どころか地元の人すら見かけなかったのは若干心配になるものの(しかし、商店街にあったラーメン屋で食ったラーメン一杯分くらいしかお金落としてない)、氷見市には今後もガンガン藤子不二雄A先生を推しまくってもらい『魔太郎がくる!!』の像や『ブラック商会変奇郎』の像、さらには『狂人軍』(A作品の中でも著しくクレイジー度の高い漫画)の像までどんどん作ってもらいたい!
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<おまけ>
 氷見市にはまだまだ注目のAスポットがたくさん。こちらも合わせて訪れてね!

■氷見フィッシャーマンズワーフ 海鮮館
富山県氷見市中央町7-1

fujikoa19.jpg全国でも珍しい漁港内にある道の駅・海鮮館には、A先生デザインの
「ひみぼうずくん」の像が。これまた、かわいいんだか
かわいくないんだかビミョーな……。

■氷見市潮風ギャラリー「藤子不二雄Aまんが展」
富山県氷見市中央町3-4

fujikoa20.jpg潮風ギャラリーでは「藤子不二雄Aまんが展」が常設で開催されている。
原画の展示やコミック図書館、トキワ荘での部屋を再現したコーナーなど見所満載!

(取材・文・イラスト・写真=北村ヂン)

藤子不二雄Aのブラックユーモア 1 黒イせぇるすまん

ちょっと遠いけど行く価値あり。

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●「突撃取材野郎!」バックナンバー
【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた
【第9回】男だけど女声を使いこなす”両声類”になりたい!
【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館
【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010
【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編)
【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編)
【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森……漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋
【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる
【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル……」僕らの愛したブルマーは今どこに
【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

最終更新:2012/04/08 23:16
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