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『タッチ』歌手のシネフィルな一面

【岩崎良美】──”アンチ・クライスト”を植え付ける魔性の恋愛映画

1201_iwasaki_n.jpg(写真/三浦太輔 go relax E more)

『キック・アス』の好演で世界中から注目を浴びたクロエ・グレース・モレッツ。本誌(2011年1月号)にも登場してくれた彼女がアクロバティックなヒット・ガールから一転、もの静かな吸血鬼の少女アビーに変身した『モールス』は、イジメられっ子の少年オーウェンとの初恋模様を描いた”スリラー”だ。”初恋”と”スリラー”──一見そぐわないこのテーマを掲げた同作の本質を探るべく、今回本誌が白羽の矢を立てたのは歌手・岩崎良美。アニメ『タッチ』の主題歌をはじめとする女心の機微を描いた歌を歌い続け、さらに10月には結婚したばかり! 現在幸せの絶頂にいる彼女なら、本作の恋愛部分にもフォーカスしたコメントがもらえるのではないか、そう踏んで取材に臨んだのだが、しかし彼女が口にしたのは”アンチ・クライスト”だった。


「この作品には、少年が抱えるイジメや両親の離婚問題、テレビから流れるレーガン大統領のソ連に関する演説など、善と悪に関する投げかけが散りばめられていますよね。そんな中、オーウェンが”反キリスト”的な存在であるアビーに惹かれ、恋に落ちていく。2人の思いを見ていると、この”悪”も逆に純粋に感じられてきて……。私も、”アンチ・クライスト”な気分になりました」

 訊けば岩崎さんは、子どもの頃から大の映画好き。仕事の合間をぬって映画館に足を運び、単館系からハリウッド大作まで幅広いジャンルの作品を見続けているというだけあって、その観察眼も鋭い。

「アビーの足音がまったく聞こえない演出がとても怖かったですね。また、CG全盛の時代にあって、そこにあまりお金をかけてないように感じたんです。そのチープさが、この作品にはとても合っていて。また、アビーの肌の色をはじめ、雪や壁など、青やグレーが入り交じったさまざまな白が使われていますが、この演出も怖さに拍車をかけたというか……」

 確かに、そうした演出によって、アビーの不思議さは引き立っている。しかし、ある種の”怖さ”を持ち、初めて会った日には「私たちは友達にはなれない」と突き放されたこの少女に、内気な少年はなぜ惹かれてしまったのか。

「アビーは男の子に対して、自分を好きになるように仕向けたりはしない。でも、好きになってしまう。こういうのを魔性って言うんですよ! 計算がない分余計に怖い。私は女ですからわからないですけど、男性には怖いですよねぇ」

「私も魔性かって? そうだったらもっと出世していたと思いますけどね(笑)」と笑う岩崎さん自身は、これまでの恋愛を振り返ると、子どもの頃はよく人を好きになるが長続きはしないタイプだったとか。母親とそんな会話をするたびに、「また昨日と好きな男の子が変わったのね」というのが日常茶飯事だったという。こちらとしては、つい南ちゃんのような恋愛をしてきたのではないかと期待してしまうのだが……。

「いやいや、たっちゃんと南ちゃんの関係は普通と違いますし、あんな幼馴染がいたら最高ですよ!まして、かっちゃんもいたわけですし(笑)。あれは理想ですから」

 あの岩崎良美をもってしても、南ちゃんのような恋愛はあくまでも理想だそうで……。それならなおさら我々凡庸の徒は、この魔性の少女と内気な少年の”背徳的”な物語から恋愛の”ご神託”をいただきたいものである。
(文/高橋ダイスケ)

岩崎良美(いわさきよしみ)
東京都生まれ。80年に『赤と黒』で歌手デビュー。85年に発表したアニメ『タッチ』(フジテレビ系列)の主題歌『タッチ』が大ヒットを記録し、第2期の主題歌『愛がひとりぼっち』もベストテン入り、B面の『青春』は春の選抜高校野球の入場行進曲に抜擢されるなど、歌手としてのキャリアを積み上げる。80年代後半からは女優としても活動し、02年から10年までミュージカル『アニー』へ出演。今年11月には自身初のカバーアルバム『色彩の主人公』を発表した。姉は歌手の岩崎宏美。

『モールス』

1201_morus_n.jpg

世界中で60以上の賞を受賞したスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』。そのハリウッド版として映画化された『モールス』のBlu-ray&DVDが発売される。12歳のオーウェンは母親と2人暮らし、学校ではイジメにあう孤独な少年。そんなある日、隣にアビーという少女が引っ越してくる。雪の上を裸足で歩き、自分の誕生日も知らないその不思議な少女に惹かれていくが……。原題の『LET ME IN』は、オーウェンの家を訪ねたアビーが”招き入れて”という意味で口にする言葉。岩崎さんは、「アビーとオーウェン、それぞれが『自分を受け入れてほしい』と願う気持ちも感じた」という。

発売日/12年1月7日 発売元/アスミック 販売元/ハピネット 価格/Blu-ray4935円、DVD3990円(共に税込)

■モールス公式サイト
http://morse-movie.com/

モールス [Blu-ray]

モレッツ!

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最終更新:2013/09/10 11:31
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