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『SMJ 全日本スキマ音楽』東京03・角田晃広×SAKEROCK・浜野謙太インタビュー(前編)

芸人風情が音楽なんか作りやがって!? スキマな音楽を作る”冒険活劇”ラジオの実態とは?

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 TOKYO FMで放送中の『SMJ全日本スキマ音楽』という番組をご存じだろうか。パーソナリティを務めるのは、お笑いトリオ・東京03の角田晃広と、SAKEROCKや在日ファンクで活躍するミュージシャン・浜野謙太。一見、まったくもって共通点の見えない2人が、世の中の”スキマ”を埋めるべく、ラジオ界の”スキマ”で、”スキマ”をテーマに、音楽を毎週作っているという。既存の曲を流すのではなく、その場で作った2人の曲を流すというこの番組、お笑い芸人の角田氏が作曲担当って……と思う人もいるだろうが、『ゴッドタン』(テレビ東京系)ファンであれば納得の、本格的なものに仕上がっている。今回はそんな2人に、番組のこと、それぞれのスキマなことを聞いた――。

――早速ですが、2011年4月1日にスタートした『SMJ 全日本スキマ音楽』とは、改めてどんな番組なんですか?

角田晃広(以下、角田) 普通は音楽業界で取り上げられないようなスキマなテーマを探して、僕がギターで曲を作り、ハマケン(浜野)がアレンジするというコンセプトの番組です。それで、完成した曲を残していこうという……言ってしまえば、”冒険活劇”ですね(笑)。

浜野謙太(以下、浜野) 冒険活劇……ですね(笑)。

――パーソナリティが自らその場で曲を作ってしまうというのも、ラジオ業界的にスキマな内容ですよね。

角田 そうですよね、なかなかないと思いますよ。

――この番組のオファーが来た時は、どんな心境でした?

浜野 僕はレギュラーでラジオ番組をやったことがなくて、どんなことになるのか見当もつかなかったんですけど、プロデューサーに「あまり心配しないで飛び込んで来てください!」的なことを言われて。胸を借りるつもりで乗り込んで、その状態が今も続いている感じです。

角田 僕は普段、聴いている音楽のジャンルがけっこう狭いんですよ。だからハマケンがやってるSAKEROCKも在日ファンクも知らなかったし、プロのミュージシャンに対して素人の僕が曲を提出する形だって聞いた時に、「芸人風情が音楽なんか作りやがって!」って思われたらどうしよう、とか思ってましたね。よく考えたら、引き受けている以上、そんなことは思わないんでしょうけど(笑)。でもやっぱり、最初に提出する時はかなりドキドキしましたよ。

_MG_3655.jpg浜野謙太

浜野 いや、さすがに「芸人風情が!」とはならなかったですよ(笑)。僕のほうが緊張してましたから。お笑い的に、面白いことをやらなきゃいけないんじゃないかと思って……。でも、実際始まってみるとそんな心配はなくて、むしろ曲作りに対する視点とか、学ぶことのほうが多かったですね。それが今の音楽の制作活動にも役に立っているというか。

角田 あー、ハマケンは現場で得たものを吸収してると思いますよ(笑)。僕はギターしかできないから、自分の作った曲にドラムやピアノの音がつくことだけで感動するんですよ。それをさらにアレンジしてくれるので、すごく楽しいですね。緊張しましたけど、1曲目を作り終わった時には「もう大丈夫だ」って確信しました。「これは、ただ楽しいだけのやつ(番組)だ」と(笑)。

――逆にハマケンさんは、アレンジで角田さんに気を遣ったりします?

浜野 いや、僕は最初から、その辺はなんとなく大丈夫だろうなとは思ってたので。それに、やっていく中で、角田さんの作ってきてくれた曲に対してどんどんダメ出しも湧き上がって、一切気は遣ってないですね(笑)。

角田 どうアレンジしてもらうかによって、原曲は同じでも、まったく違う曲になるんですよ。それが楽しみのひとつではあるんですけど、原曲とはだいぶかけ離れた曲になってたりもするんで、一切気は遣ってないでしょうね(笑)。

――昨年の7月に放送された「青春の過ち」は、コーラスやエレキギターまで入れて過去最高人数で収録したそうですが、スケールのでかいアレンジでしたよね。自分で作った曲があそこまで壮大になったら、気持ちいいんじゃないですか?

角田 そりゃあ、気持ちいいですよ! まして、それが音源として残るわけですから。これまで作ったスキマ音楽は全部iPodに入れて、ガンガン聴いてますし。

――ちなみに、お2人それぞれが、思い入れのある曲は?

角田 僕はやっぱり「青春の過ち」ですね。アレンジされた完成版もすごいですけど、僕がギター1本であの曲を作って持って来たってことも忘れないでください(笑)。あの曲は、原曲ができた時点ですでに気持ちよかったんですけど、それにハマケンのアレンジが加わって、壮大な”QUEEN的な曲”になってね。QUEENに追いついちゃったよね。

浜野 こう思ってくれるのが、僕からしたら”しめしめ”なんですよ(笑)。まずは、角田さんを喜ばせるためにやってるようなもんですから。

角田 まんまとだよね(笑)。あと、原曲のイメージがガラッと変わったなと思ったのは、初期の「告白しなければフラれない」(11年5月)ですね。あれは、曲をブチ壊されたって感じだった。

浜野 「告白~」は、ハードコアみたいなアレンジにしたんですよ。

角田 衝撃でしたけど、面白いなって思いましたね。あの曲も気に入っています。

浜野 僕は、「今日は一日寝て過ごしている」(11年4月)が好きなんですよね。僕の場合、いつも音楽をやってるから、曲作りもアレンジも、表面的な作業になりがちなんです。でも、「ボブ・ディランみたいな感じで歌って!」とか指示させてもらったりして、角田さんにも頑張ってもらったんです。音をどうアレンジしたか、というよりは、”どう頑張ったか”が伝わるようにしたいと思って作った曲ですね。

角田 もともとジャンル的には、ヒップホップ……いや、Dragon Ashみたいな感じの曲だったんですけど、ボブ・ディランの揺れるような歌い方も合うだろうとか、試行錯誤しながら作ったんですよ。

浜野 元の曲に打ち込みで楽器の音を入れて、ボブ・ディランのバンドっぽいアプローチにしてね。歌ってる角田さんも、完全にボブ・ディランになってましたもんね。

_MG_3656.jpg角田晃広

角田 完全になってたね。歌ってる時の記憶があんまりないもん(笑)。

浜野 あと僕、実は音楽に暗いので……アレンジも新しいものになりがちなんですよ。

角田 意外と音楽を知らないよね。それで一気に親近感が湧いたんだけど(笑)。

――音楽トークは、けっこう対等に喋ってるんですか?

浜野 いえ、角田さんのほうが詳しいから……。

角田 オレのほうが詳しいって、ミュージシャンとしてよっぽどだぞ、それ!

浜野 すいません……。でも本当に、クラッシュとか全然知らなかったですもん。

角田 あぁ、確かに。意外とメジャーどころを知らなかったりするもんね。

――クラッシュを知ってる、知らないは年齢差(8歳)もあるんですかね。番組をやっていて年齢差を感じることってありますか?

角田 8歳も下か。そういえば完全に忘れてました。多分、ハマケンも忘れてると思うんですけど(笑)。

浜野 でも、その感覚の違いでというか、新年早々怒られましたよ。

角田 そうだ。”明けましておめでとうメール”が来るだろうな、って思って待ってたんですけどあまりにも来なくて。こっちから「待ってたんだぞ!」とメールしちゃったんですよ。

浜野 メールが来て、確かに去年ものすごくお世話になった人だよな、と思って。なんで出さなかったのか……(笑)。

角田 ま、とはいえ、スタジオ入ったら「ハマケン様!」ですけどね。
(後編に続く/文=高橋ダイスケ/写真=後藤秀二)

●かくた・あきひろ
1973年、東京都生まれ。お笑いトリオ・東京03のメンバーで、ボケ担当。プロ級のギターテクニックと歌唱力を誇り、作詞作曲もこなし自作曲も多数。ネタ中でもその腕前を披露することは多く、大竹マネジャーと組み、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「マジ歌選手権」等で歌ってきた「若者たちへ」で09年にメジャーデビューも果たしている。

●はまの・けんた
1981年、神奈川県生まれ。インストゥルメンタルバンド・SAKEROCKのメンバーとして、トロンボーン、スキャット、MCを担当し、07年に結成されたファンクバンド・在日ファンクではリーダー兼ヴォーカルを務めている。05年に出演した映画『ハチミツとクローバー』を皮切りに俳優としても活躍し、現在放送中の『ハングリー!』(フジテレビ系)では向井理とも共演を果たした。

●『SMJ 全日本スキマ音楽』
2011年4月1日よりTOKYO FMでスタートしたラジオ番組。世の中の”スキマ”をテーマに、”芸人”東京03の角田晃広が作曲、”ミュージシャン”SAKEROCK、在日ファンクの浜野謙太がアレンジする。エブリスタやポッドキャストなどでも展開され、昨年10月にはスペースシャワーTVで「全日本スキマミュージックTV~SMJTV~」として映像化も実現! 大小合わせて3ケタにものぼるSMJが作った楽曲は、現在iTunesやレコチョクなどで配信中。ハマケンによってアレンジされた完成バージョンだけではなく、角田の原曲バージョン、さらには納得のいかなかったアレンジをリベンジした曲も入手可能。

・『SMJ全日本スキマ音楽』
TOKYO FM 毎週金曜21:00~21:30

・『全日本スキマミュージックTV~SMJTV~』 
スペースシャワーTV 毎週金曜19:45~20:00

・楽曲ダウンロードはコチラ(http://itunes.apple.com/jp/album//id486704725)から。
※角田さんオススメの「青春の過ち」「告白しなければフラれない」、ハマケンさんオススメの「今日は一日寝て過ごしている」なども配信中!

・ダウンロード、番組の詳細は番組公式サイト(http://televider.com/smj/)へ

【SMJとは?】
TOKYO FMと音楽専門チャンネル スペースシャワーTV、No1電子書籍サイト「E★エブリスタ」テレバイダーが手を組みお届けするメディアミックスプロジェクトです。
提供ソニー・ミュージック・エンタテインメント

ケータイでE★エブリスタのサイトにアクセス
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爆弾こわい

ハマケン最高!

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最終更新:2013/09/09 18:00
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