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実はAKB48の経済効果はプラマイゼロ? 海外進出こそが世界を救う!

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実はAKB48の経済効果はプラマイゼロ? 海外進出こそが世界を救う! – Business Journal(4月23日)

20120414_post_13.jpgAKB48・前田敦子(「(C)AKS」より)

  大手芸能プロダクション・オスカープロモーションが主催する「全日本国民的美少女コンテスト」。多くの人が知る通り、上戸彩さんや武井咲さんなどのスターはここから誕生した。同社は応募資格として「12~20歳までの美少女」とし、応募条件として「圧倒的な輝きを放つ美しい容姿」「秘められた神秘性」などを掲げている。応募する少女たちはここで苦笑しないのだろうか。あるいは他薦であったら、大丈夫なのか。12歳の少女にバスト、ウエスト、ヒップを訊くのはどうかと思う。ただ、芸能界を生き抜くためには、この程度の条件を気にしない精神的タフさが求められるかもしれない。冗談である。

 それはいいとして、驚くのは毎回10万人前後もの応募があることだ。総務省統計局が発表している統計データによると、12〜20歳の女子の人口は540万人ほどだ。まったく対象外の人もいるはずだが(失礼)、それを無視して考えても、全国の中学高校30人クラスの2 教室に1人は、応募していることになる。

 あくまで私見だが、「全日本国民的美少女コンテスト」で各タイトルを受賞した美少女は、確かに群を抜いてレベルが高いと思う。スポットライトを浴びる、そして人並み以上の生活を送る。たくさんの少女が彼女たちを目指す理由はよくわかる。

 現在、日本の給与所得者の給与水準が低下しているといわれている。国税庁「2010年度民間給与実態統計調査」によると、約10年前の01年に454万円だった給与所得者の平均年収が、10年には412万円となった。それに対し、芸能界のトップになれば、1回のCM起用で3000万円以上を稼ぎ出す。

 しかも昨今の美少女アイドルグループの流行により、その願望は強くなってきたように思われる。最近では、乃木坂46のオーディションに約4 万人が殺到した。男性はアイドルを求め、女性はアイドルになりたがる。前田敦子さんが卒業することになるAKB48をはじめとして、乃木坂46、アリス十番など、私たちは、彼女たち「美少女」を見ない日はない。海外を歩いていても、これほど街中に少女たちが表紙を飾っている雑誌が溢れる国を、見つけることは難しい。

 製造業が斜陽となっている日本において、美少女たちの発売する商品は売れ続ける。「彼女たちのソフトパワーが次なる産業だ」という人までいる。

 実際はどうなのだろうか。有名なところでは、AKB48の経済効果が200~300億円だという説だ。確かに、AKB48は11年の音楽ソフト売上が、なんと162億円にも達したという。国内アーティストとしてトップだ。AKB48の音楽ソフトが売れれば、関連グッズも売れる、その物流を請け負う、運送業も盛況になる。あるいは情報通信業も恩恵があり、さらにAKB48を使った企業宣伝が活発になるため、制作スタッフが潤い、書籍など出版物も売れる……と、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」的な波及効果があるというのだ。それが、162億円から、200~300億円まで膨らむロジックだ。

 さて、ここから私の考えを述べる。ネット上などでまことしやかに流れている、この「AKB48の経済効果200~300億円」説は、正直いって疑わしいと思う。おそらく、これを述べる人たちは、国の産業連関表を利用して計算しただけではないか。産業連関表とは、統計局のホームページからダウンロードできるもので、どこかの産業で新規需要が生じた際の経済波及効果の予測をするものだ。新規需要のカテゴリーと額により、「運輸」「金融」「IT」など30以上の分野で、直接的・間接的にどれくらいの波及効果(需要)が生まれるのかが、自動的に計算される。そのエクセルの「商業」欄に新規需要に162億円と入れてみた。結果、経済波及効果は245億円と出た。

 なんだよ、そのままじゃないか。

 これなら誰だってAKB48について経済評論家っぽく語ることができる。乃木坂46だってKARAだって、音楽ソフトの売上高さえわかれば、それなりの「解説」ができることになる。

カギは、”ぼくたちの”アイドルからの卒業

 この数字を使ってか使わずか、「AKB48の経済効果200~300億円」といっている人の、何が疑わしいか? それは、代替の作用を考えていないからだ。たとえば、AKB48のCDを買う人がいる。何枚も買い集めれば、そのぶんのお金を捻出するために、何かをケチる。お金は無限ではない。3000円を払うことで、犠牲になり売れなくなった商品があるはずだ。それはほかのアーティストのCDかもしれないし、あるいは夕飯のおかずが1つ減らされるかもしれない。そのマイナスぶんを考慮しないと、本当の経済効果は出ない。そして、「阪神優勝で600億円」「なでしこ効果は1兆円」などの巷間に流布する経済効果値には、そのマイナスぶんが考慮されていない。この意味で、アイドルにかかわる景気のいい経済効果予測はほとんど意味がない。もっといえば、ニュースで流れる多数の経済効果予測は意味がないと私は思う。

 確かに、各アイドルグループの売上や利益は相当なものだ。しかし、それは日本経済に直接波及し、全体のパイを膨らませるものではない。アイドルは文字どおり「偶像」として楽しむ程度がふさわしい。

 ところで、私はAKB48がまったく日本経済に影響しないといいたいのだろうか? とんでもない。もし海外でAKB48のコンテンツが売れれば、相殺対象は日本商品でなくなる。その意味で、私たちが応援すべきは、彼女たちの海外進出だ。

 ”ぼくたちの”アイドル、から、”世界の”アイドルへの脱皮。

「全日本国民的美少女コンテスト」に応募する美少女たちの目標が、”全日本”ではなく”全世界”であることを祈る。
(文=坂口孝則/株式会社アジルアソシエイツ取締役、物流コンサルタント)

※このほかにも「Business Journal」には、ビジネスパーソンを刺激する記事が満載!ぜひご覧ください!

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最終更新:2013/01/30 10:35
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