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【第33回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談

ヒロシさんの至言「女の人はね、僕と約束してる日にカゼひくんですよ」

 はははっ! ああー伝わってる、ちゃんと伝わってるんだねぇ……。

──沈黙を恐れてはしゃぐ感じとか、学生時代に間違ってレベルの高いグループに入っちゃって、がんばって盛り上げるけど、やっぱり会話に入れてもらえない、みたいな思い出が蘇って、胃がキリキリしました。

 そうそうそう! コンパとか行ってもしゃべれなくて、しゃべらなきゃと思って下ネタ言ってスベる、みたいな。ワンランク上に行こうとしてね……。でも、小明さんってそんな人ですか? 中学高校のときも一軍だった女の人みたいに見えるけど。

──ありがとうございます、中学をひきこもりで過ごさせていただきました。

 あ~、そうですか~(うれしそうに)。

──それで高校からがんばり始めて、調子に乗ってグラビアを始めて、売れなくて、こじらせ続けて、現状です。

 なるほどね~。そっかそっか~(すごくうれしそうに)。

──このドキュメンタリーは、ヒロシさんの自叙伝の『沈黙の轍』(単行本/08年/ジュリアン)を読んでから見ると余計に辛いですよね。炭鉱の町で純粋に生きていた健一少年が、どうしてこんなことに……と。

 えー! 読んだんですか? ありがとうございます!

──文章がお上手でびっくりしました、すごくちゃんとした短編集ですよね。

 おー! おー! おー! だんだん気持ちよくなってきましたよ! でも、そんなこと言って帰りにエレベーター乗った後に舌をぺろっと出すんじゃないでしょうね? 「言ってやった(笑)」みたいに言うんじゃないでしょうね? もう人を信じられないから、俺は。危うく気持ちよくなったけど、もう気持ちよくなりませんから。騙されませんから。

──なんでそんなに人を信じられないんですか! でも、本当にこういう文才も、世間の人にいまいち届いていない感じで残念ですよね。

 そう。だから引き出せないんですよ、事務所が。俺はいろいろ提示するけど、「それはない」とか言われるから、辞めてやろうと思ってんの。ははは。

──ヤケになっている! この『沈黙の轍』もご自分で書かれて、ご自分で持ち込みに行かれたとか。

 そうですよ、全部そうです! 打ち合わせも全部ひとりで行って、編集の人を家まで車で送ったりして……。その『沈黙の轍』の表紙は実家がある炭鉱の町で撮ったんですけど、まずスタッフのみんなで福岡まで飛行機で行って、そこから俺が自分で車を運転してみんなを地元まで連れて行きましたから。

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