日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「東電OL殺人事件」再審決定 信頼感を失った司法の世界に風穴が開く?
元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第141回

「東電OL殺人事件」再審決定 信頼感を失った司法の世界に風穴が開く?

13904.jpg「週刊朝日」6月22日号

グランプリ
「東電OL殺人事件再審決定 佐野眞一『司法も警察も恥を知れ』」(「週刊朝日」6月22日号)

第2位
「『世界恐慌』を乗り越えるための全情報 あなたの預金が溶けてなくなる」(「週刊現代」6月23日号)

第3位
「『菊地直子』を通り過ぎた4人の男」(「週刊新潮」6月14日号)

次点
「オモロすぎるばい!福岡県警」(「週刊ポスト」6月22日号)

 今週は4本を選んでみた。次点の記事は2ページだが、私はこういう記事が好きだ。

 福岡県警のHPが“充実”しているという。HPには「手りゅう弾に注意!」と題したページがある。殺傷能力が異なる4種類の手榴弾が写真付きで紹介され、「絶対に踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」と書かれている。

 そんなことするもんかと思うが、そうではない。この県は発砲件数、指定暴力団数共に全国1位で、昨年1月以降4件もの手榴弾使用事件が起きているのだ。

 しかも実名で手榴弾があることを通報すると、押収されて被疑者も検挙されれば10万円の報奨金が出るという。

 2年前には全国で初めて「みかじめ通報ダイヤル」を設置して、暴力団からみかじめ料や用心棒代、ショバ代などを要求されたらここへ電話をかけてくれれば助けますよとした。その他にも暴力団から因縁を付けられたら「暴力追放ダイヤル」、暴力団による企業へのゆすり・恐喝を取り締まる「企業たかり遮断FAX」、組員を検挙した際に流す「暴力団員検挙速報」など、至れり尽くせりである。

 また、暴力団の本当のおっかない姿を描いたビデオ『許されざる者』を自主制作していて、レンタルビデオ店に行けば無料で借りることができる。

 こうしたやり方に「暴力団取締の負担を市民に押し付けているのではないか」という批判もあるようだが、“日本で一番物騒な県”の汚名を晴らすためには致し方ないのではないかと思うのだが。

 菊地直子逮捕を各週刊誌が挙って取り上げているが、週刊新潮、週刊文春がいち早く書いてしまったため、月曜発売の週刊誌はやり方を工夫してきた。

 「高額懸賞金付き『凶悪逃亡犯」」(週刊ポスト)、「高橋克也『隠遁生活』と『最終攻防』菊地直子 男にハマった『信仰』と『逃亡生活』」(週刊朝日)、「菊地直子と高橋克也 6000日のオウム逃亡ノート」(週刊現代)。だが、残念ながら両誌を抜く内容はなかった。

 新潮、文春ともに菊地直子(40)が逮捕されるまでの17年間の逃亡生活や、犯人隠匿容疑で逮捕された高橋寛人(41)容疑者との同棲生活などについて触れ、菊地が書いたというノートにある、彼女と関係のあった男たちとの「性欲」についての記述を取り上げている。

 だが内容は、「逃げるためには性欲を利用してもいいんだという考えに走ることになり」、「私の中に、性欲と同時に、性欲に対する恐怖があった」という記述があるだけである。

 新潮は「焼酎『吉四六』緑茶割りが定番だった」など、二人がよく行った居酒屋でのディテールも書き込んである。

 新潮は「情報提供者は『同居男親族』で彼も通報を知っていた」と、菊地の逮捕につながった警察への情報提供者は「同居男の親族」だと見出しで打っている。文春も書いてはいるが、この記事、新潮に軍配をあげたい。

 新潮によれば、菊地逮捕からさかのぼること約12時間前、同居していた高橋が、なぜか元妻に電話をかけて会っている頃、高橋の親族(文春によれば高橋の兄)が桜田門の警視庁まで出向いて情報提供したというのである。

12345
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

『24時間テレビ』強行放送の日テレに反省の色ナシ

「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで197...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真