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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『リーガル・ハイ』を徹底分析!
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第2回

「正義は少年ジャンプの中にしかない!?」“絆”を裁く『リーガル・ハイ』の正義

regalhigh.jpg『リーガル・ハイ』公式サイトより

「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。

 「喜怒哀楽のすべてを微笑みで表現する男」として名高い堺雅人が、今度は表情を百面相に変えながら、早口でまくし立て、喜怒哀楽を躍動的に演じている。

 現在放送中の『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)は、そんな堺雅人扮する百戦錬磨の弁護士・古美門研介と、彼の事務所に転がり込んできた真面目で正義感に燃える黛真知子(新垣結衣)による法廷劇だ。その2人をサポートするのが、万能の事務員・服部(里見浩太朗)。そして彼らと因縁深い宿敵として登場するのが三木(生瀬勝久)。その助手として妖艶な魅力で暗躍するのが沢地(小池栄子)だ。

 8:2分けの髪型でおかしな身振りをしながら早口で罵詈雑言を浴びせる古美門のエキセントリックで強烈なキャラクターは、チャンネルをたまたま合わせた者に激しい拒否反応を与えてしまうかもしれない。しかし一方で、瞬時に画面にくぎ付けにさせるような強力な磁力を持っている。早口なのに聞き取りやすく、堺が持つ“品”の良さで嫌な気持ちにならない。むしろ爽快感さえ感じるし、そのセリフひとつひとつは核心を突いた言葉ばかりでハッとさせられる。

 例えば、第4話では「日照権」をめぐって、住民側に立つ“人権派”弁護士・大貫(大和田伸也)と対決した。建設会社側の弁護を「お望み通り寝言ひとつ言わせません」と請け負った古美門に、黛は「金の亡者! 悪の手先!」と猛反発。正義は住民側にある、と主張する。そんな青臭いピュアな正義感を振りかざす姿に「ホントに朝ドラの主人公みたいなやつだなぁ」と呆れ、彼女に「朝ドラ」なるあだ名を進呈する古美門。やがて古美門の思惑通り、争いは「日照権を守る」という本質からかけ離れ、泥沼の示談金交渉へと展開していく。「どんな被害に遭っていると思ってるんだ!」と激昂する住民に「(具体的に)どんな被害に遭っているんですか?」と、被害の実態などないことを看破しようとする古美門。「仲良し町内会の化けの皮を剥いでいく」と息巻き、住民たちの“絆”を切り崩していく。その最中、黛は独断でこの訴えの発端となった「生まれてくる子どものために日の当たる生活を」と願っていた主婦に、原告団を抜け、建設計画の変更を求める裁判を起こすべき、と説得を試みる。

 自分の足を引っ張ろうとする黛に「なぜそんなことをした?」と問いただす古美門。「正義を守るため」と答える黛に、古美門は「君が正義とか抜かしているものは、上から目線の同情に過ぎない。その都度、目の前のかわいそうな人間を哀れんでいるだけだ!」「正義は、特撮ヒーローものと少年ジャンプの中にしかないと思え! (略)分かったか朝ドラ!」と言い放つ。

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